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War of the Rings
VU Games社は,小説「指輪物語」をテーマにした始めてのリアルタイム戦略ストラテジーゲーム,「War of the Rings」を始めて公開した。開発は,「Battle Realms」でお馴染みのLiquid Entertainment社で,「Command & Conquer」を開発した主力メンバーで構成されるチームである。「War of the Rings」は,映画でもお馴染みのリング・クエストが始まる以前の"中つ国(ミドルアース)"を舞台にしており,善(Good)と悪(Evil)でのプレイが可能となる。
このゲームは,指輪物語をテーマとしてはいるものの,それに終始することなく一般的なRTSに慣れ親しんだゲーマーでもプレイしやすいようにというのが目的であるという。基地の開発やリソース管理は大幅に簡略化されており,旅の仲間の9人を始めとする,善軍/悪軍に別れたヒーローユニットを中心にしたアドベンチャー的な要素も折り込んだ作品となるようだ。デモでは,ゴラムを追いかけるフロドや,アラゴルン,レゴラスを始めとするヒーロー達を確認できた。善軍では16人程度が考慮されているが,指輪物語自体が善の心を持つキャラクターたちの話しであるためか,悪軍のヒーローは少なめである。その分だけ強力になることが予想されるが,開発者の話ではシャグラット,アグラック,グラントなどが悪のヒーローとして登場することのことだ。
ゲームは,見た目が「Battle Realms」に非常に良く似たトップダウン形式の3Dグラフィックスだが,プロデューサーのエド・デル=カスティロ(Ed Del Castillo)氏によると,ゲームエンジンは全く新しく作り直されたものだということだ。グラフィックスが似ているのは,プログラマがBattle Realmsの人と同じだというのが大きい理由らしいが,パレットの配色やモデリング(ひずめの大きな馬とか)でも,類似点が確認できるので,コアのプログラム以外の部分では共有しているコードもあるのかも知れない。
思考錯誤で制作された前作のエンジンとは異なり,相当無駄のないプログラムになっているのだと言い,ユニットが通るたびに草むらが掻き分けられるというような,細かい部分でのテクニックが素晴らしい。特に,去年の7月のシーグラフの時の発表でもあった,水の物理表現がゲーム中で表現されているらしく,ユニットが川を通過したり弓矢に撃たれて落ちるたびに波が立つ様子も確認できた。
個々のヒーローユニットが中心となるため,壮大なバトルシーンではなく,両軍合わせた総計でも80ユニットが最大の小規模な戦闘になりそうで,どちらかと言うと「Myth」シリーズのような形式のゲームプレイである。炎の魔獣バルロクもゲーム中にボスキャラクターとして登場するが,映画でも表現されていたように,巨大なユニットは周囲の敵を1度にふっ飛ばす攻撃ができる。ミッションは,各サイドで10種類から12種類程度が用意され,他にもマルチプレイヤーモード専用のマップなども考慮される見込みとなっている。
「War of the Rings」は,2004年の第1四半期の発売が予定されている。

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