Tribes Vengeance

　「Unreal Tournament」や「Counter-Strike」が人気を得る以前，チーム戦を重視したゲームとして人気を得ていたのが「Tribes」である。特に，チーティングなどの防止策も万全だった2作目は，現在でも多くのプレイヤーに楽しまれているが，ウワサになっていた続編の開発が，今回ようやく発表された。
　開発を手掛けているのは，最近では「Freedom Force」が話題になったIrrational Games社である。Freedom Force以前にも，「System Shock 2」でシューティングアクションの開発を経験している。
　2004年中の発売予定とあってか，今回はムービーのみでの紹介に留まった「Tribes Vengeance」は，3作目にして始めてシングルプレイヤーモードをフィーチャーしており，"Starsiege"の世界観の中で，銀河を股にかけた大戦争の中にプレイヤーを誘う。キャラクターを前面に打ち出しており，ハリウッドの元脚本家が手掛けるストーリーがゲームを引っ張っていく。今回発表されたムービーだけでは内容の把握は難しかったが，倒れ込む女性と，彼女を「ママ」と呼ぶ少女のシーンも挿入されており，FPSとしてはちょっと異色のドラマ仕立てになっていることを伺わせた。
　Tribesシリーズを開発してきた元Dynamix社の開発チームは退陣しているため，「Tribes Vengeance」ではUnreal 2のグラフィックエンジンを採用。影にさえ立体感を持たせたVolumetric Shadow効果や，キャラクターの細部に渡るモデリングなど，ゲームエンジンの性能を引き出している。
　ムービーでは確認できなかったが，ジープが泥や埃を巻き上げながら走るという，「Halo」を意識したような視覚効果も見られるという。Irrational Games社のプロデューサー，トニー･オークデン（Tony Oakden）氏の話によると，「知られたシリーズなので，マップの高低やジェットパックには細心の注意を払います」とのこと。もちろん，Tribesのもう1つの魅力だった乗り物も登場する見込みだ。
　マルチプレイヤーモードについては，現在のところは最大プレイヤー人数は未定。AssaultやCapture the Flagモードのほかにも，"Sportモード"と呼ばれる，「Tony Hawk’s Pro Skater」シリーズのような得点の競い合いもできるゲームモードが考案されている。詳細は，E3において公開される予定だ。