プレトリアン ガリア戦記 登場勢力紹介

ローマ軍

重装歩兵を軸に，敵部隊を押し潰せ！

　ユリウス・カエサルが活躍する時期，つまり「プレトリアン　ガリア戦記」で扱われる時期のローマは，それまでの共和制から帝政への道を歩み始める，いわゆる"過渡期"といわれる時代。ローマの版図が拡大の一途をたどる一方で，将軍同士の権力争いが表面化してくるなど，さまざまな問題を抱えていた時代でもある。
　当時のローマ軍は，まだローマ人以外からなる"補助軍"を正規の戦力とは数えておらず，ローマ市民（イタリア人という意味ではなく，市民権を持った人々）で編成された正規軍を基本に成り立っていた。ローマ軍というと，大きな盾を持った重装歩兵が隊列を組み前進をしていくという印象が強いが，事実当時のローマ軍は，隊形を最も重視して軍事訓練を行ったと考えられており，ローマの戦闘隊形「レギオン」は，古典的なギリシャ密集隊形「ファランクス」よりも機動性や柔軟性の面で優れていたといわれている。

　ゲームであるプレトリアンでも，そのような歴史的事実を踏まえてあるのか，ローマ軍の主力となるのは，攻守共にバランスの取れた「重装歩兵」である。ほかの歩兵系ユニットに比べて（上級ユニットは抜きにして）ワンランク高い白兵戦能力を持ち，また本来苦手であるはずの射撃系ユニットに対しても，「亀甲盾隊形」をとることでダメージを受けずに間合いを詰めていけるなど，重装歩兵の能力はとにかく万能の一言に尽きるのだ。ただ同系統のユニットである「槍兵」に比べて，1.5倍ほど召集に時間を必要する点は大きなデメリット。ゲーム開始直後のスタートダッシュや素早くゲームが展開していく局面などでは，若干使いにくさを感じる点はご愛敬といったところだ。まぁあまりに万能過ぎるとゲームとして成り立たなくなるだろうから，これは当然の処置といえよう。
　また歩兵の上位ユニットである「剣闘士」と「近衛兵」は，いずれも白兵戦のスペシャリスト。正面からのぶつかり合いではかなりの強さを発揮してくれるユニットだ。とくに剣闘士は，敵の移動を一時的に封じる「投げ縄」のスキルを持ち，敵騎兵隊の突撃の防止などで活躍してくれる。本作では，弓や投げ槍で先制攻撃を仕掛けてから白兵戦に持ち込むことで，圧倒的に有利に戦いを進めていける。そのため，投げ縄を使って一時的にでも敵のユニットを足止めできるというのは，間接攻撃を行うチャンスが増えるという意味でも，非常に大きな効果があると考えられるのだ。

重装歩兵を中央に配置し，騎兵隊を両翼に

　歩兵を真ん中に置き，機動力のある騎兵隊を両翼に配置するというのは，ローマに限らず最も基本的な陣形となるワケだが，ローマの重装歩兵は弓に対する防御力が高いため，間接攻撃によって陣形を崩されにくいという特徴がある。ガリアやエジプトといったほかの勢力と比べて，非常に堅固な陣形を敷くことができるのだ。
　また明確なアンチユニットが見当たらない重装歩兵は，大量に揃うと敵に対してはかなりのプレッシャーとなる。実際，重装歩兵をずらっと並べて一気に前進していくだけの戦い方が，なかなか有効な戦法の一つであることからも，重装歩兵の有用さが伺えるというものだ。
　また騎兵系ユニットは，戦闘によって「名誉ポイント」を稼がないと召集できない上位ユニットだが，実戦闘力自体はそれほど高いものではない。歩兵系ユニットと白兵戦で勝負をすればあっさり負けてしまうし，なによりも部隊自体の人数が非常に少ないのだ（槍兵は30人だが，騎兵は12人）。よって騎兵は，主に歩兵系ユニットの脅威となる弓兵やバリスタ/投石機など，各種間接攻撃ユニットの牽制に運用することになる。高い機動性を生かして，後方に配置されたそれらのユニットに一撃を加えるワケだ。大きな盾によって防御態勢を敷いた重装歩兵といえども，さすがに投石機やバリスタから繰り出される巨大な石や矢は防げないので，歩兵が前進するときに無駄な被害を出さないためにも，多少の遊撃隊（騎兵）は欠かせない存在といえる。
　
　ローマは，じっくりと腰を据えて戦いに挑める非常にバランスの取れた勢力。シングルキャンペーンで扱う軍隊も主にローマのユニットなので，まずはローマを使いこなすことがプレイヤーの最初の課題となるだろう。

ローマ軍の注目ユニット

重装歩兵 　亀甲盾隊形のほかにも，近寄る敵に先制攻撃ができる「投げ槍」のスキルも注目すべきポイントだ。歴史の研究者によると，当時の投げ槍は盾を貫いて敵に傷を負わせるほど強力だったらしく，ゲーム中でも，かなり効果が高いスキルとして設定されている。部隊のスタミナを温存して，戦闘時には常に投げ槍を使える状態にしておきたい。

剣闘士 　言わずと知れた，闘技場で戦うプロフェッショナルな戦士達。高い白兵戦能力を持つ強力なユニットで，特殊スキルの「投げ縄」も使いどころを間違えなければ非常に強い。ただ案外脆い一面も見せるので，主力として扱うのは少々難しいかもしれない。

近衛兵 　作品のタイトルの由来でもある近衛兵（プレトリアン）の強さはピカイチ。特別なスキルこそ持たないものの，圧倒的な強さを誇り，下位ユニットなどはまったく寄せつけない。一回の戦闘で同時に相手をするのでなければ，たった一部隊でも，数倍する敵を蹴散らしてくれるほどだ。

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