マビノギ インタビュー

 

Kim Dong-gun(キム・ドンゴン)
 ネクソンdevCATチームの開発室長。韓国KAIST 産業デザイン学科修士卒業後,2000年にネクソン入社。2000〜2001年モバイルフラットフォーム及びゲーム開発,2002年にマビノギプロジェクトゲームクリエイターとして企画/開発に携わる。
 マビノギの中では,ナクさんというキャラクターで人気がある。

 

 NexonのdevCAT(デヴキャット)チームが開発を進めている「マビノギ」は,今までにないようなほのぼのとしたアニメ調のグラフィックスが特徴のMMORPG。"生活"に焦点が当てられていて,多種の生産スキルが用意されている。スキルシステムにもユニークなアイデアが詰まっているので,そのあたりを重点的に質問してみた。
 なお,マビノギが世界的に注目されていることを受けて,かなり急ピッチで開発が進められている。当初は,βテストは2004年になると言われていたが,韓国では10月11日から最終段階のクローズドβテストが開始され,日本でも年末にはβテストを予定しているとのこと。開発が遅れることが多いMMORPGのジャンルにおいて,少しでも早くプレイできるのはなによりも嬉しいことになるだろう。

キャラクターの微妙な変化の表現

forGamer(以下,4G):
 マビノギは,トゥーンシェイダーで表現されるアニメ調のグラフィックスが特徴ですが,それを採用したのはどういった経緯からでしょうか?

Kim,Dong-gun(キム・ドンゴン)氏(以下,Kim)
 マビノギのキャラクターは,ゲーム中で成長をしていきます。これはRPG的にキャラクターが強くなっていくということではなく,視覚的に成長させたかったので,トゥーンシェイダーのほうが表現しやすいということがありました。具体的には,作成したばかりのキャラクターは,子供のように小さいのですが,徐々に成長して身長が伸びていきます
 これを表現するには,段階的にグラフィックスを用意するのではなく,微妙な変化が可能なシステムにしなければなりませんでした。そこでマビノギ用に新たにPleioneエンジンを開発し,これによって少ないデータでさまざまなキャラクターの変化を表現できるようになりました。

4G:
 高スペックマシンでなくても,あの滑らかな動きは独自エンジンが基となっていたのですね。キャラクターは,どのくらいの期間で成長していくのでしょうか。リアル時間と同じ……?

Kim:
 さすがにリアル時間と同じ速度ということはありません(笑)。マビノギのゲーム内では,リアル時間の1週間が1年に相当します。つまり,1週間ごとに1歳年を取るということです。これは,ゲームのプレイ時間ではありませんので,しばらくゲームをしていなくても,どんどん年は取っていきます

4G:
 グラフィックスの変化は,成長以外も何かあるのでしょうか?

Kim:
 身長以外にも体形の変化があります。ゲーム中に用意されている食品アイテムには,ビタミンなどの栄養素のパラメータがあり,その摂取量に応じて外見が変化していきます。例えば,"太る"要素を持つ栄養を取りすぎると,だんだん太っていきます。

4G:
 太ってしまうと,動きが鈍くなったり,戦闘がしづらいとか……?

Kim:
 確かに,外見の変化と基本ステータスには多少関連があります。例えば,太るとスタミナが高くなったり,HPが増えたりしますよ


NPCとの会話が重要となるスキルシステム

4G:
 スキルシステムはどのようなものですか?

Kim:
 マビノギのスキルシステムは,ほかのゲームにあるようなものとは少し異なります。スキルの熟練度は,それに関連する行動をすることで,どんどん上手になっていくのは当然ですが,そのうちに頭打ちとなってしまいます。スキルの熟練度は,ランクという形で15段階に分かれています。それぞれのランクごとにスキル値の上限があるので,それ以上伸ばしていくには,ランクをあげてスキルの上限値を上げる必要があるというわけです。そのスキルのレベルアップの方法は,あらかじめ知っていることもあれば,NPCと会話するなど自分で探さなければならないこともあります。

4G:
 スキルの熟練度は,普通に使っていれば上がっていくのでしょうか?

Kim:
 基本的に,使えば上昇していきます。しかし,一つのことの繰り返しだとプレイヤー側も飽きてしまうと思いますので,スキルを上げるための方法を3〜4種類用意してあります。例えば料理スキルでは,実際に自分で調理するだけでなく,ほかの人が作った料理を食べることでもスキルがあがったりします。

4G:
 スキルランクを上げるにはNPCとの会話も重要とのことですが,あの会話のシステムはどのようなことから採用したのでしょうか。

Kim:
 NPCとの会話は,一つの事柄に対しての情報量によって初級,中級,上級に分けています。実際での会話でも,相手によって会話の内容は変えていきますよね。つまり,その具体度を,3種類にしてあるというわけです。初級はその情報のキーワード程度で,中級では情報の目的地やすべきことなどとなり,上級では情報にもよりますが,それを利用してお金を稼ぐ方法といった応用的な部分です。

4G:
 情報はNPCとの会話からしか得られないのですか?

Kim:
 いいえ,街にある図書館で基本的な初級の情報はある程度得られるようになっています。またショップで本を購入すれば,それからも得られます。図書館は,大きな街にあって,今のところは2か所となっています。
 本から得られる情報は,どのようにして戦闘するか,スキルの上げ方など,ゲーム全般のヒントが多くなっていて,NPCからの情報はより具体的なもの(=中級や上級)となるでしょう。

4G:
 スキルには生産系も多くあるようですが,アイテムを保管する場所とかはあるのでしょうか?

Kim:
 アイテムとしてバッグがあり,その中に生産アイテムなどを詰め込めます。また,金庫があるので,それを使えばたくさんのアイテムを保管できます。
 マビノギでは,モンスターなどに倒されたときに,アイテムを落としてしまうことがありますが,金庫に入れておけばアイテムを失うことはありません。落としてしまうアイテムは,生産によって作成された"アライメントの悪い"ものから落としていくようになってます

4G:
 本日はありがとうございました。最後に日本のゲーマーに向けてメッセージをお願いします。

Kim:
 マビノギは,既存のMMORPGとはまったく違ったゲームです。おかげさまで,ゲーマーの期待度がどんどん上がってますし,2003年内にはβテストを開始できるように頑張って開発を進めている状況です。どうぞ期待してください。

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