ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 ニール・ヤング インタビュー

Text by Iwahama


ニール・ヤング氏が14歳のときの感動が,ゲームを変える!

forGamer編集部(以下,4G):
 ではここからは,ニール・ヤングさん自身について伺っていきたいと思います。
 まずは,簡単な質問を。普段どのようなゲームで遊ばれますか?

 うーん,僕にとっては難しい質問だね。
 というのも,大人になっちゃったから,最近なかなか時間がなくて……。最近のPCゲームってどれもハードゲーマー向けで,凄く時間のかかるものばかりだから,ちょっと手を出しづらいんだよね。まぁコンシューマゲームにも同じような傾向はあるけど,どっちかというとコンシューマで遊ぶかも。これからは,こういった大人も楽しめるゲームが必要だと強く思う。まず普段の生活があって,その息抜きとしてのゲームがね。

4G:
 同感です。ゲームって,どこまでいっても"遊び"ですからね。

 そうそう。生活の疲れを癒すのがゲーム。ゲームの中でまでストレス感じたくないな。
 最近遊んだゲームで,最後までプレイしたという意味なら,「メタルギアソリッド2」。あと「Deus Ex」もクリアしたかな。僕は,アクションアドベンチャーが好きなんだ。そうそう,「Half-Life」も最後まで遊んだな。

4G:
 だんだん,最近のソフトじゃなくなってきていますよ(笑)

 ずっとこの仕事をしてきたから,今では,どんなゲームも1時間遊べばだいたい分かる。少なくとも,面白いか面白くないかは,ハッキリと分かるんだ(笑)。だから,どうしてもゲームをあんまり楽しめないんだよね。

4G:
 ヤングさんもこの業界長いですもんね。
 ところで私は,ヤングさんといえば,やはり「Majestic」を思い出すんですよ。ロード・オブ・ザ・リングの続編はスティーブ・グレイさんがプロデュースするということですし,ヤングさん自身は次にどういったゲームを作ろうと思っていますか?

 実は,今回日本に来たのは,本作のプロモーションのためだけじゃないんだ。次のゲームのアイデアを集めるためでもあってね

4G:
 お。何か見つかりましたか?

 昨日(12月2日)日本に着いたばかりだから,まだなんとも。ただ,まぁ方向性は決まっている。
 1984年にElectronic Artsが,次のような広告を出したんだ。

 「ゲームは,人を泣かせることができるか?」

 これに,当時まだ14歳だった僕は,感動した。
 今後ゲームがエンターテイメントとして躍進するためには,人を感動させていくことが重要だ。これが次回作の……というか僕の人生の,最大のテーマさ
 「サイレントヒル」や「バイオハザード」は,ゲームでうまく"絶望感"を表現した。でも僕は,まだ物足りない。Half-LifeやDeus Exなどでも多少できていると思うが,やはりまだまだ。
 僕の手がけたMajesticでも,プレイヤーのところに脅迫状が届いたりや脅迫電話がかかってきたりと,かなり恐怖を感じさせられたとは思う。次回作では,こういったことを,もっともっと進めていきたいんだ。


4G:
 なるほど,なるほど。これまた,かなり興味深いタイトルになりそうですね。……今度は日本でもサービスしてください。それでは,最後にforGamerの読者に向けて,ひと言,コメントをお願いします。

 1月8日(注:「王の帰還」の日本での発売日)。

4G:
 本当にひと言ですね!

 ダメ?(笑)
 ま,とにかくゲームを楽しんでみてください。そのあと映画を観れば,ロード・オブ・ザ・リングの物語が,より楽しめることでしょう。……こんな感じ?

4G:
 完璧です。では,本日はご多忙中のところありがとうございました。

 forGamerは,この日(12月3日)取材したメディアの中で,3番めの順番だった。つまりこの前に二つのメディアにも立て続けにインタビューされていて,しかもほとんど休憩なしだったから,ヤング氏は相当疲れていたはずだ。
 しかしそれをまったく感じさせず,終始明るく楽しく話してくれた。ちなみに,インタビュー中の「サム! サム! サムッ!!」のセリフは,文字で微妙なニュアンスを伝えられないのが残念なほど,熱演(?)してくれたくらいである。
 また,こちらが一聞けば,返事が10にも20にもなって戻ってくる。インタビュワーとして,非常に楽に仕事をさせてもらえたわけだ。
 ……で,何が言いたいかというと,インタビューを3回分にも分けて掲載しておいて恐縮だが,もっともっと話を聞きたかったということ。本当,ヤング氏の話は面白いのだ。今回は二日間で11社が取材するという強行スケジュールであるため時間が足りず,もっと深くツッコミたい部分も諦めざるを得なかった。
 2004年春頃にも,謎の次回作について,たっぷりとインタビューする機会を作ってもらおうと考えている。ともあれ,お楽しみに(筆者も楽しみだ)。

→「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」の情報一覧は「こちら」

 

(C) MMIII New Line Productions, Inc. All Rights Reserved. "The Lord of the Rings" and the names of the characters, items, events and places therein are trademarks of The Saul Zaentz Company d/b/a/ Tolkien Enterprises under license to New Line Productions, Inc.Game Code and certain audio visual elements c 2003 Electronic Arts Inc. All rights reserved. Electronic Arts, EA GAMES and the EA GAMES logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All other trademarks are the property of their respective owners. EA GAMES? is an Electronic Arts? brand.