■Half-Life2のディスプレースメントマッピングへの対応について
BVB: はい。地形はプレイヤーの干渉で隆起したり陥没したりしますが,その表現にディスプレースメントマッピング(*)テクノロジーが使われています。
BVB: そうなります。
BVB: いえ。ソフトウェアで処理するものになっています。
■物理エンジンについて
BVB: HAVOKからはとても強力な物理エンジンの基本セットを提供してもらいました。 当たり判定,動力学シミュレーション,圧力シミュレーション,バネ力学,アクチュエータのシミュレーションなどが主なものでしょうか。 それぞれの機能はもちろん単体だとHalf-Life2のようなゲームで利用できないので,我々はそうした基本物理エンジンの一つ一つを組み合わせ,オブジェクト同士の干渉と反応の関係をHalf-Life2のゲーム世界でうまく動作するようなゲーム物理エンジンに作り替えました。
BVB: そうです。そして,我々は「物理AI」という技術もHalf-Life2のために新規開発しました。Half-Life2に登場する乗り物や機械,そして我々のゲームデザインツールにこの技術は盛り込まれています。
BVB: 例えばHalf-Life2には"物質システム"というのがありまして,これがゲームデザイナーやアーティストの高等なレベルでの作業を可能にしているんです。 このシステムを利用すると,デザインしたキャラクターを構成するパーツに物質パラメータを与えてやるだけで,そのキャラクターの物理プロパティは自動的に計算され,その挙動はゲーム世界の物理法則に従うようになるんです。
■プログラマブルシェーダへの対応について
BVB: 今回のSIGGRAPHのように,我々が公式発表するレベルでの映像表現を楽しみたいならDirectX 9世代のGPUが必要ですね。 ただDirectX 8世代のGPUでも,いくつかの表現は簡略化されこそしますが,ゲームプレイ自体に支障はないです。またDirectX 6や7世代のGPUだと,映像的にはさらに簡略化されますが,それでもプレイはできます。 Half-Life2は,PCゲームならではのスケーラブルな設計になっているんです。
BVB: そうですね。プログラマブルシェーダ2.0,そして2.0+の両方を使用しています。
BVB: それは残念ながらお答えできないんです。
BVB: それについてもお答えできないです。
BVB: 申し訳ないんですが,現時点ではシェーダ関連でこれ以上の情報はお教えできないんですよ。現時点でいえることは,プログラマブルシェーダ2.0でも2.0+でも,Half-Life2は非常によく(Really well)動作する,ということだけですね。実際のところ,ハイエンドGPUに対してのオーサリングは現在も進行中なんですよ。
■最後に
BVB: これはHalfLifeと同様,ローディングが発生します。この部分は最適化していません。
BVB: ライバルとは考えたことがないですね(笑)。両者は目的が違いますし,ゲーム内容の方向性も違いますから。彼らがやっていることは素晴らしいし,我々がやっていることも非常に優れていると思います。
BVB: ええ。それぞれが自分達のやろうとしていることに最適な技術を開発し,それを取り込めていると考えています。ライティングの手法一つをとっても,両者は異なりますしね。
BVB: 私はどのメーカーもそれほど互いに意識しているとは思ってないんです。実際に他社の優れたゲームを見てしまうと,私なんかは感嘆して「凄いゲームだ。これはいい」とすぐに褒め称えてしまいますし。
BVB: ベンチマークモードはまだ搭載していませんが,いずれ搭載する方針でいます。移植に関しては,Xboxが有力で,ほかは未定ですね。
BVB: 今はHalf-Life2の出荷に向けて仕事が大詰めなのでゲームはプレイしてませんが(笑),最近では「Medal of Honor」「Battlefield 1942」などですかねぇ。コンソールゲーム機だとPS2の「ICO」ですね。あれはグラフィックスも内容も両方素晴らしかったので気に入っています。