最終トーナメント予選

 6人,6人,7人の3プールに分かれて行われた第1ラウンドでは,SIGUMA選手は第2プールに入った。セットアップの問題でスケジュールが1時間程度遅れていて,大会関係者には焦りも見えていた。しかも同選手とインドのFINAL ELEMENT選手のモニタが不調で,前もって練習できないという厳しい状況だった
 FINAL ELEMENT選手は,プールは異なるが今大会最年少者となる13歳で,母親の同伴付き。しかし予選参加者約1万2000人という,人口の多いインドらしい過酷な環境の中を勝ち抜いてきており,なかなか侮れないプレイヤーである。

 さてSIGUMA選手のいる第2プールは,第1ラウンドでもとくに"つわもの揃い"とされる組で,数多くの対戦経験があるアメリカ代表のChumpp選手,そして今大会で前評判の高いメキシコ代表のJano_Loco選手がいる。
 午前11時5分になって,ようやく第1プールのグループマッチが始まった。その5分後には第2プールも開始するはずだったが,同時にSIGUMA選手のマシンがダウンするというアクシデントが発生。しかしこれは大きな問題とはならず,2分後には第2プール,さらにその5分後には第3プールのマッチがスタートした。

チャンピオンシップの群像(1)
Noah Evans(Chumpp)
 予選は思い通りの試合運びができて良かったよ。上位3人がコントロールしていたからね。SIGUMA? うん,悪くないね。アメリカには僕よりもうまいヤツがいっぱいいるけど,彼ならイイ線いくね。
 本当は「Counter-Strike」のようなチームベースのFPSが好きなんだけど,Haloも予想しながら撃つのが面白い。アメリカとカナダのトーナメントでは42インチのプラズマTVをもらって凄く嬉しい。でも,やっぱりAlienWareも欲しいね。今の調子でがんばるよ。

 最初のマップはGephyrophobiaで,ゲーム開始序盤はほかのプレイヤーと出会うチャンスもなく,なかなかポイントを稼げなかったSIGUMA選手。ピストルの命中率も悪く,かなり苦戦している風にも見えた。Jano_Loco選手は不運にも10秒ごとにキルを取られる形となり,SIGUMA選手5位,Jano_Loco選手が6位という順位で最初の5分が経過した。
 しかし,かなりプレイヤーのスキルが均衡しているのか,すぐに順序が入れ替わる状態が続く。SIGUMA選手もフレームスローワーやライフルを多用してポイントを稼ぎ,7分経過した時点でトップに踊り出る。序盤から順調にポイントを稼いでいたデンマーク代表のm\m?m_iCe-選手,そしてJano_Loco選手が続き,そこにChumpp選手が絡む展開だ。
 m\m?m_iCe-選手は,練習時には目立たなかったプレイヤーだが,いざ本番となると,かなり手強そうな印象に変わった。
 SIGUMA選手は,後半になると順位を落として2位,3位あたりを行き来し,代わってJano_Loco選手がトップに落ち着いた。最終的には,SIGUMA選手は3位で第1マップを終了した

 2番めのマップはBlood Gulch。序盤からChumpp選手が1位に踊り出て,他選手を大きく引き離していく。m\m?m_iCe-選手も安定していて,その後にSIGUMA選手が続く。
 同選手は,最初こそスナイパーライフルによる狙撃が好調だったが,その後はベースのコントロールのミスが多くなってきた。Jano_Loco選手は不調なのか,このマップを投げ出した感じ。SIGUMA選手のあとにはフランスのaT-Spawnikiv選手が続き,順位はあまり変動しないまま終了となった。

チャンピオンシップの群像(2)
Jonathan Finglass(BEAST)
 イギリスでは,今回の大会と同じような形式で,20人くらいの中から最終候補が選ばれました。
 実はPCでFPSをするのは初めてで,自分がどれだけ強いのかも良く分かってないんですよ。元々は「鉄拳」とか「ストリートファイター」などをゲームセンターで遊ぶくらいだったんですが,Xboxと一緒に買ったHaloが凄く面白くて。もっと遊びたかったからWindows版も購入することにしたんです。Haloで勝つ秘訣ですか? 撃った弾が必ず命中するように練習することです(笑)。


 第3戦のHang'em Highでは,やはり序盤からロケットランチャーを巧みに操るChumpp選手が安定した強さを見せており,壁を背にして2倍ズームのピストルやライフルで相手を落としていくm\m?m_iCe-選手の活躍も目立つ。このマップを得意とするSIGUMA選手だったが,背後から狙い撃ちされることも多く,思ったような試合展開はできなかったようだ
 試合開始4分後には自爆などの不運が重なって6位になり,焦りを隠せずに舌打ちを繰り返す。8分ごろには4位まで盛り返したが,このマップではキル数20台のグループとキル数10台のグループで差が開いており,SIGUMA選手は下位グループでの争いに終始していた,結果は5位となり,ここで6位になったJano_Loco選手の不調が顕著になる。
 最後のDeath Islandで,4位以上で抜けることができればSIGUMA選手の予選通過は確実。Chumpp選手はDeath Islandの地形を把握していないらしいが,ワープゾーン付近でロケットランチャーを構えるという受身なゲーム運びで1位を保持。SIGUMA選手はm\m?m_iCe-選手と2位争いをしており,開始後4分で2位に踊り出るものの,その後は3位に落ち着く。後半になると彼自身も安心したようで,車に挟まれて自爆したときには後ろを振り返って笑顔を見せる余裕も出てきた。このまま試合は終了し,手堅いプレイを続けたChumpp選手,m\m?m_iCe-選手に続き,3位で予選を通過した。
 このほかのプールでは,混戦模様の第1プールからはスウェーデン代表のProfessor選手などが勝ち進み,第3プールではイギリスのBEAST選手が圧倒的な強さで抜け出した。とにもかくにも,日本代表のSIGUMA選手は見事に予選通過。おめでとう!

最終トーナメント予選 (括弧内の順位は,予選突破プレイヤーのみ)

第1プール
1位 スウェーデン
2位 アイルランド
3位 オランダ
4位 チリ
シンガポール
オーストラリア
第2プール
1位 US/カナダ
1位 デンマーク
3位 日本
4位 メキシコ
フランス
オーストラリア
第3プール
1位 イギリス
2位 韓国
3位 ブラジル
4位 ノルウェー
インド
台湾
フィンランド

 

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