もちろん（笑）。 　僕だけじゃなくて，開発チームのほとんど全員が毎日チェックしているよ。 　実は現在（2003年11月19日），ゲームバランスの調整などを含めたパッチを開発中なんだけど，それをLadderの上位プレイヤーと協力しながら開発しているんだ。 　パッチの内容は，バランスの調整のほかにも，初心者向けのLadderシステムや2対2のオートマッチングシステム，ゲームロビーの改良など多岐に渡る予定なんだけど，プレイヤーの要望の90％前後を盛り込める内容になると自負しているね。

	これは恥ずかしい話なんだけど，実は高麗花朗がここまで強くなってしまったのは，ゲームのバグのせいなんだよ。そのバグ自体はユニットとは直接関係ないんだけど，ゲーム内のほかのバグのせいで高麗花朗の特殊能力に制限がかかっていて，それを見逃してしまったんだ（苦笑）。 　だから今度のパッチでは当然修正を盛り込む予定だし，今後もパッチはこまめに出して，より"完璧"になるように努力していくつもり。そのあたりは安心してもらっていいよ。

	ナイス突っ込み！　いい質問だ（笑）。 　僕が考えるに，歴史ゲームとしては，例えばローマ帝国がそのまま現代戦を戦うだとか，そういう方向性があると同時に，"その時代に存在した国家"だけを選択できる，そういった方向性もありなんじゃないかと考えているんだ。 　存在しないハズの国家が戦うなんて，それこそ歴史ゲームとしてはオカシイだろう？　エンパイアーズで搭載した進化システムは，ちゃんと歴史性を重視するという意味も含まれているんだ。決して"ゲーム面"だけを見たシステムではないんだよ。

	エンパイアーズを制作するにあたっては，苦労したことももちろん多かったけれど，日本や中国，韓国などといったアジア諸国の歴史を学べたことが，最も面白く，また有意義だったと感じているね。

	そういった要望があることは当然理解しているよ（笑）。 　日本が歴史ゲームというファクターの中で，非常にポピュラーな存在だというのも知っているし，今後，拡張版か何かは分からないけれど，新しい国家を盛り込む機会があれば，ぜひ日本も追加できればと思う。

	日本の皆さん，今回は私達の制作したエンパイアーズに興味を持ってくださって，本当にありがとうございます。歴史ゲームとして，あるいは対戦ゲームとして，このエンパイアーズを楽しんでいただけたらと思います。 　日本の皆さんが私達のゲームを遊んでくれることを光栄に思うと同時に，今後も私達の作るゲームと"お付き合い"していただければと思います。

　日本でも大ヒットとなったRTSの傑作「Age of Empires」のリードデザイナーとして有名なRick Goodman氏だが，今回のインタビューは，氏の気さくな人柄の奥にある，ゲームと歴史に対する深い見識を垣間見ることができた。
　これは余談なのだが，インタビューの始め，筆者と少しだけボードゲームの話題となり，アバロンヒルやコロンビアといったメーカーのゲームに話が及んだ。コロンビアというと，即座に「積み木」や「EAST FRONT」という単語（※1）が出てくるなど，Rick氏自身，ありとあらゆるストラテジーゲームに親しんでいる様子。根っからのゲーマーであるという一面まで垣間見ることができたわけだ。
　言葉のトーンや会話の内容から，どことなく"職人気質"的な雰囲気を感じさせてくれたRick氏。より面白いゲームを作るために，今後もさまざまなゲームを遊び（研究し），日夜努力をしていくのだろう。
　最新作の「エンパイアーズ　〜近代の夜明け〜」共々，氏の今後の作品に注目していきたい。

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※1　「積み木」とは，索敵の要素をルール化したモノで，表面に兵科や戦力が描かれる積み木状の駒を，相手にその"内容が見えないように配置"するルール。「EAST FRONT」とは，そのルールをベースに作られている代表的なボードゲーム。