ダーク・エイジ・オブ・キャメロット
〜暗黒道中膝栗毛〜

= Iwahama 編 =

第１話

3rd Sep. 2002
Text by Iwahama

　実をいうと，筆者はあまりMMORPGで遊ばない。
　理由はいくつあるが，筆者が妻帯者で，かつ妻はPCゲーマーではないというのが大きい。朝から晩まで職場にいて，徹夜もしょっちゅうで，やっと家に帰ってきたと思ったら毎日何時間もゲームしていては，おそらく筆者は生傷が絶えない体になってしまうだろう。
　周りの連中からは「夫婦で遊べばいいじゃん」と言われる。しかしヤツに麻薬的魅力のあるMMORPGなんてものを遊ばせたら最後，二度と現実の世界に戻ってこないだろう。それは困る。
　しかし，その問題を解消する素敵な方法が見つかった。職場で遊べばいいのである。逆転の発想ってやつだ。勤務時間中に職場でMMORPGをするのであれば，妻は何も文句を言わないだろう。……と思って遊んでいたら，今度はKazuhisaに文句を言われた。曰く，「仕事中に遊ぶんなら，原稿も書くんだろうな」。わがままな上司である。

　そんなわけで，これからDAoCのプレイ日記を連載することになった。ご覧のようにMMORPG初心者なので，その筋の人には鼻で笑われそうな内容になるだろうが，ぜひご容赦いただきたい。むしろ，同じようなMMORPG初心者の人にこそ読んでいただきたい連載になる……予定である。

■冒険の始まり〜死して学んだこと〜

　さて。
　すでにキャラクターは作ってある。Murayamaの文章にあるように，Hiberniaに所属するElfだ。Elfを選んだことに，さして理由はない。筆者のElfに対する認識は，「耳がとがった生き物」程度。ちょっと寿命が長いことがうらやましい。ていうか，そんな生き物いないし。
　ではなぜElfにしたかというと，最終的に目指す職業が"Eldritch"だからである。困ったことに，一番人間に近い種族であるCeltはEldritchになれないのだ。そしてEldritchになれるもう一つの種族Lurikeenには，一つ難点がある。身長が鉛直方向に対してチャレンジされているのだ。Murayamaの言葉を借りれば，ちびっ子なのである。筆者はKazuhisaやMurayamaと違い，身長は高いに越したことはないと思っている。実際，いまの身長（174cm）を2メートルにしてあげよう，と悪魔にささやかれたら，魂すら売ってしまうだろう。そういう意味ではまだ紹介していない唯一の種族，Firbolgなんかは理想的なのだが，いかんせん，こいつもEldritchになれない。
　えらく回り道してしまったが，そんなわけでElfを選んだわけである。なお，♂である。

　ああ，もう一つ説明するべきことがあった。なぜEldritchを選んだか。なんてことはない，即物的な理由である。つまり，魔法を使ってみたかったわけだ。この世にElfはいないけど，魔法なら使えるかもしれないしね。で，どうせ魔法を使うなら，攻撃魔法でしょ，やっぱり。となるとHibernia最強/最凶の魔法使いEldritchを選ぶのは，ごく自然の成り行きというわけだ。

　ともあれ，ゲームスタート。いきなり目の前に人がいてちょっとドギマギしたが，しばらくしてNPCと判明。チャットの仕組みが分からず，あたりの人に聞こえるようにNPCに向かって話していたのがちょっと恥ずかしいが，まぁ，気にしない。なお，特定の人物にだけ聞こえるように話す場合は，「/t」のあと，スペースを入れて相手の名前。さらにスペースを入れてメッセージを入力すればいいようだ。覚えておこう＞筆者。
　ちなみに目の前のNPCは，どうやらTrainerらしい。Murayamaの文章にあるように，この人にスキルを上げてもらえるようだ。ただし，まずはレベルを上げなければどうしようもない。マニュアルを引っかき回して魔法の使い方を覚え，早速チャレンジ！　……同じレルムの人間には使えません，なんてメッセージ（もちろん英語で）が。残念。ちょっとこの村（どこか分からず）を出て，モンスターに魔法を試してみよう。命中。続けて命中。そして死。死体からアイテムを探って，次の獲物に突撃だ〜！　命中，命中，そして死。って，筆者が死んでいるではないか。レベル5までは死んでもペナルティがないらしいので，「/release」でTrainerの前まで戻って，また戦闘。勝ったり，負けたり（つまり死んだり）を繰り返す。モンスターを左クリックでターゲットしたとき，右下のウインドウに表示されたモンスターの名前の色で，相手の強さが分かるというシステムに気づいたのは，10回以上死んでからであった。

＜以下次号＞

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