アメリカンコンクエスト 攻略


 連載第3回では,「アメリカンコンクエスト〜自由の女神〜」(以下,アメコン)に登場する全17勢力それぞれの特徴を紹介していきたい。
 とはいえ,どの勢力でプレイするのがよいか? という問いに対して,明確な答えを出すことはなかなかに難しい。本作では各勢力間の強弱が比較的はっきりしていることだし,ただ単に"強さ"を追い求めるなら,スペインかアメリカを使えばいいだろう。
 しかし,強さだけでは測れない魅力があるのもアメコンの面白いところ。アステカを使って鉄壁の守りでスペインの征服軍を撃退したり,スーの騎兵集団でフランスの精鋭歩兵たちを蹴散らしてみたりと,いろいろな"戦法"(遊び方)を内包する本作。この記事を参考に,自分のプレイスタイルに合った勢力(遊び方)を見つけてもらえれば幸いだ。


ヨーロッパ系
  ・イギリス
  ・アメリカ
  ・フランス
  ・スペイン
  ・ポルトガル
  ・オランダ
  ・ドイツ
  ・ロシア

中南米系
  ・マヤ族
  ・インカ族
  ・アステカ族

北米系
  ・ヒューロン族
  ・イロコイ族
  ・デラウェア族
  ・ハイダ族

その他
  ・スー族
  ・プエブロ族





 各項目の点数は10点満点で,合計100点満点。なお,点数はあくまで総合的に見た目安で,絶対的なランキングを示したものではないことに注意してほしい。
 各項目の内容は以下の通り。

(1)攻撃力……接近戦攻撃力,射撃攻撃力,建物を奪取する力,
          砲撃兵器の有無など総合的な攻撃力
(2)防御力……防舎や塔などの強力な防御施設を持っているかどうか
(3)速攻……いわゆる「ラッシュ」をかける能力
(4)長期戦……ゲームが長引いた場合,有利になるかかどうか
(5)人口……人口規模。物量がどれくらいあるかということ
(6)鉱山依存度……鉱山の量・位置はマップによって異なるため,
             鉱山依存度が低いほうが強い勢力といえる
(7)対弓・銃……弓や銃などの射撃攻撃に対する対抗手段があるか否か
(8)対騎兵……騎兵の攻撃に対して強いか弱いか
(9)機動力……足の速さ。速いほうが拠点を押さえたり,側面を突いたりするのに有利だ
(10)備考……特殊能力や弱点などを加味したもの



 イギリス・フランス・オランダ・ドイツ・スペイン・ポルトガル・ロシアといった実際のヨーロッパの国々に,当時の新興勢力となるアメリカを加えた計8勢力。ユーラシア大陸から海を越えてアメリカ大陸へと進出していった国々が主で,「征服者」と呼ぶにふさわしい強さを備えているのが特徴だ。とはいえアメコンでのヨーロッパ系の勢力の強さは,征服というよりは,むしろ「防御力」の強さにあるといえるだろう。
 すべての建物は内部から銃を連射可能で,中でも砦,要塞,防舎I,防舎Uといった強力な防御施設は,近づくことすら困難な強さ。序盤はこの防御力を背景に敵を退け,中盤以降から目覚ましい進化を見せる技術力(強力な銃兵,騎兵,大砲など)を使って攻勢に転じる……というのが,基本的な戦い方になる。
 ヨーロッパ系の勢力は,内政が発展して技術のアップグレードが進むほどほど有利になっていく傾向があるので,前半戦では無駄に軍事に力を入れず,内政が滞ることのないように気を付けたい。もちろん,最低限の防御は固めたうえでの話だが。
 防御のポイントとしては,鉱山の確保と防衛という部分に尽きるだろう。本拠地近くの鉱山なら普通の建物を利用しながら無理なく守れるものの,本拠地から遠い位置にある鉱山には,ある程度まとまった数の兵士を派遣しておくか,防舎などの防御施設を建設しておくしかない。とくに石炭は要となる資源なので,注意して敵の攻勢に対処していきたいところだ。
 ちなみにロシア以外の7勢力は,細かい違いはたくさんあるものの,基本的にはほとんど同じ。まずは歴史やグラフィックの好みで選んでプレイするのがよいだろう。

(ポイント 58/100)

・弱点が少ない一般的なヨーロッパ系勢力
・マスケット銃兵が安い
・狩猟小屋が使える

 最も一般的なヨーロッパ系の国。ずば抜けた特徴といったものはないのだが,マスケット銃兵の育成コストが安い点や,竜騎兵17cの射撃コストが安い点など,中盤のユニットが低コストなのはうれしいところ。金が0になったときでも火打石銃兵が反乱しないという,地味だがありがたい特徴もある。
 また,狩猟小屋を建設できるという点も見逃せない。木さえあれば建設できて建設速度も速いので,使い捨てのできる簡易防御施設として非常に便利に使えるからだ。ヨーロッパ系にしてはめずらしく狩猟ができる点も大きな強み。狩人をうまく使いこなせば,畑で食料収集にあてる町の住民を減らすことができる。

攻撃力

6

   鉱山依存度

6

防御力

7

   対弓・銃

6

速攻

3

   対騎兵

7

長期戦

8

   機動力

4

人口

7

   備考

4


マスケット銃兵

イギリスとアメリカは17c部分は共通。だからアメリカもこのユニットを使える。ほかより抜きん出たコストパフォーマンスが魅力だ

(ポイント 63/100)

・イギリスの強化版
・ゲーム中最強の火打石銃兵が使える
・住居Uから民兵を出すことができる

 独立戦争を経て,18世紀にイギリスから独立したという歴史的背景を考慮してか,進化の前半部分のユニット(砦で育成する全ユニットと,竜騎兵17cなど)はイギリスと共通。イギリスと異なるのは,火打石銃兵/竜騎兵18c/国民兵の3種類のユニットとなる。とくに火打石銃兵の強さは,ほかの勢力のそれと比べてダントツ。火打石銃兵同士の激突になることが多いほかのヨーロッパ系勢力との戦いにおいて,比類なき強さを誇るユニットである。
 またマニアックな点だが,旗手18cの育成コストが激安(食料50。アメリカ以外は食料50と金700)なのも魅力的。陣形に旗手を入れやすいので,こと戦闘面では若干有利にゲームを展開することができる。

攻撃力

9

   鉱山依存度

3

防御力

7

   対弓・銃

6

速攻

3

   対騎兵

8

長期戦

10

   機動力

2

人口

7

   備考

8


火打石銃兵

金45/食料40/鉄45/s石炭10という育成コストは非常に高価だが,それに見合うだけに活躍が見込める。接近戦攻撃力は40もあるし,銃のリロードも早い。なかでも騎兵に対しては,鬼のような強さを見せる。

(ポイント 59/100)

・騎兵と大砲製造所の建設コストが安い
・竜騎兵17cを短時間で大量に育成可能
・銃火器を豊富に使える攻撃的な勢力

 フランスの一番の長所は,要塞で増設する「騎兵と大砲製造所の建設」コストが安いことだろう。標準的な増設コストが木2000/金3500/石12000なのに対して,フランスは木25000/金2300/石2000。石のコストの低さは特筆に値する。
 連載の第2回で解説したように,石が不足しがちな点がヨーロッパ系の勢力の序盤のネック。その石を大幅に節約できるのは非常に有難いボーナスだろう。騎兵とカノン砲を非常に作りやすく,早い段階で強力な軍隊を作り上げることができるのだ。
 ただその代わりに大きな短所が一つある。それは,火縄銃兵の防御力がかなり低いことだ。他国の火縄銃兵は,鎧を着ているために銃と弓矢に対する防御力が多少あるのだが,フランスの火縄銃兵にはそれが無いのである。対銃防御/対弓防御を持つ射撃ユニットを持たないところは,ネイティブ勢力と戦う場合の大きな不安要素となってしまう。

攻撃力

8

   鉱山依存度

2

防御力

5

   対弓・銃

3

速攻

2

   対騎兵

9

長期戦

8

   機動力

6

人口

7

   備考

9


竜騎兵17c

育成時間がほかの1/5ほどなので数を揃えやすい。陣形を組み,有利な位置取りから一斉射撃を繰り返せば,野戦では相当な働きをしてくれるだろう。

(ポイント 72/100)

・全勢力中唯一,重騎兵が使える
・防御力の高いユニットが多い
・攻防のバランスの取れたアメコンでの最強国家

 騎馬士官16cの存在が圧倒的に有利。騎馬士官16cは,本作で唯一,高い銃防御と弓防御を併せ持つ騎兵である。現代戦のゲームで例えれば,さしずめ唯一の重戦車といったところだろうか。防御力が高くてなかなか倒れず,それでいて高い攻撃力を持ち,なおかつそこそこの機動力を持つという,正真正銘の万能ユニットである。英語名「コンキスタドール(征服者)」の名にふさわしく,ネイティブ勢力との戦いでは圧倒的な力を見せてくれる心強いユニットだ。
 スペインには,ほかにも斧槍兵やマスケット銃兵など重装甲のユニットがおり,ユニットの生存率は極めて高い。内政にも弱点は見当たらず,どの勢力と戦っても安定して強さを発揮するなど,文句なしでアメコン最強勢力だといえるだろう。

攻撃力

10

   鉱山依存度

4

防御力

7

   対弓・銃

9

速攻

4

   対騎兵

9

長期戦

8

   機動力

5

人口

7

   備考

9


騎馬士官16c

拡張版になって多少弱体化されたが,それでもアメコンの主役を張るにふさわしい猛者っぷり。火力200の2丁拳銃が軽装の歩兵を次々と倒していく。

(ポイント 61/100)

・竜騎兵18c専用の騎兵育成所を持つ
・長期戦向き

 ほかより有利な点は,竜騎兵18c専用の騎兵育成所を持つところ。ほかの国は火打石銃兵と竜騎兵18cを育成する場所が共に要塞なので,両方を交互に育成するかどちらかをあきらめねばならないが,竜騎兵18cの騎兵育成所が要塞ではないポルトガルは,要塞を火打石銃兵の育成専用で扱えるからだ。終盤戦で火打石銃兵と竜騎兵18c両方を無理なく出すことができるのは大きな強み。ポルトガルにはそれほど弱点らしい弱点もなく,あえて言うとすれば旗手17cがいないことくらい。バランスの取れた扱いやすい文明といえるだろう。

攻撃力

6

   鉱山依存度

5

防御力

7

   対弓・銃

6

速攻

3

   対騎兵

7

長期戦

9

   機動力

6

人口

7

   備考

5


竜騎兵18c

竜騎兵18cは槍に対する防御力が高く,火打石銃兵に対抗するには最適のユニットだ。食料さえあれば育成できるので,畑には沢山の住民を割り当て,大目に食料を集めておくこと。

(ポイント 56/100)

・住居Tで狩人を作れる
・町の公会堂の建設時間が非常に短い
・騎兵中心の勢力との対戦は苦手

 ユニットのすべてが標準的な能力を持つ勢力。一見,ほかのヨーロッパ系勢力に引けを取らないのように見えるのだが,自陣のほとんどの建物に敵の騎兵が突入できてしまう仕様が,かなり致命傷/弱点となってしまっている。
 通常本作では,建物に突入できるユニットは歩兵のみで,騎兵が突入できる建物はごく一部。騎兵は野戦専用で,歩兵は拠点の制圧もできる……と,それがこのアメコンにおける歩兵と騎兵の使い分けにつながっているのわけだが,オランダは,家や倉庫,製粉所などなど,あらゆる建物に騎兵が突入できてしまうのだ。これは建物が非常に奪われやすいことを意味し,非常に不利な要素といわざるを得ない。騎兵の豊富な勢力と戦った場合は,大苦戦を覚悟しなければならないだろう。
 ほかのヨーロッパ系勢力と比較した場合,狩人を生産できることが唯一の長所。これを生かすことで内政で優位に立ち,活路を見出すしかないだろう。

攻撃力

6

   鉱山依存度

5

防御力

7

   対弓・銃

6

速攻

3

   対騎兵

7

長期戦

8

   機動力

4

人口

7

   備考

3


竜騎兵18c

これといって特徴的なユニットがいないため,基本に戻って火縄銃兵に頼ろう。安いコストにそこそこの防御力で,終始使えるユニットだ

(ポイント 62/100)

・竜騎兵17cの足が速い
・竜騎兵18c専用の騎兵育成所を持つ
・建物関係の研究に低コストなものが多い

 控えめな長所を寄せ集めた感のあるドイツだが,全体的に見ると相当有利な勢力といえる。まず,町の公会堂を早期に建設可能な点が大きい。ほかの勢力は要塞を完成させた後じゃないと町の公会堂は建設できないが,ドイツの場合は,かじ屋があれば町の公会堂を建設することができるからだ。町の公会堂は,内政強化に必要なアップグレード技術が集まっている施設。町の公会堂を素早く建設できるというのは,即ち内政面での有利に結びつくのだ。。町の公会堂を素早く建設できる代わりに,アップグレードの研究時間が長いという短所こそあるが,それでも内政面で有利であることには変わりがないだろう。
 軍事面では,竜騎兵17cの移動速度が速い点と,竜騎兵18c専用の騎兵育成所を建設できる点が有利な要素。資源さえ許せば,騎兵の大軍による派手な戦い方も楽しめるハズだ

攻撃力

7

   鉱山依存度

5

防御力

7

   対弓・銃

6

速攻

3

   対騎兵

7

長期戦

9

   機動力

8

人口

7

   備考

3


竜騎兵17c

コストや能力は他の竜騎兵17cと同等だが,移動速度が速い。逃げる敵兵を追撃するのにも有利だし,逆に自分が逃げるのにも便利。ダメージを受けたら安全な場所に戻って司祭で回復するなど,足の速さを生かした使い方を心がけたい

(ポイント 57/100)

 ほかのヨーロッパ系とは一線を画する,個性的な国。内政面では,建物の建設コストが,木が高めで石が安めになっている点が特徴になる。資源の中でも石は非常に集めにくい資源に当たるため,それが少なくて済むロシアは,内政が非常に有利。とはいえ,町の公会堂で研究できる技術の種類が少なく,技術力では劣ってしまうという側面も。
 軍事ユニットがすべてユニークユニットなところも面白い部分。要塞で育成するユニットは他国と遜色ない能力を持つが,砦で育成するユニットの弱さと士気の低さはちょっと目を覆いたくなるものがある。コサック兵をうまく使って,戦術面で相手を崩せれば,士気の面はなんとかカバーできるので,コサック兵を軸に敵を揺さぶる戦術を考えよう。

攻撃力

6

   鉱山依存度

7

防御力

4

   対弓・銃

3

速攻

5

   対騎兵

6

長期戦

7

   機動力

7

人口

8

   備考

4


コサック兵

味方と戦っている敵の部隊の背後をついて,挟み撃ちを狙いたい。コサック兵は数を揃えにくいユニットなので,大切に使っていくようにしよう



 中南米系勢力に含まれるのは,マヤ族・インカ族・アステカ族の3種。これらに共通する特徴をひと言で表わすとすれば,「銃兵も騎兵も一切存在しない」ということになるだろう。第1回めの連載で,敵の士気を崩壊させるには,銃撃や騎兵による攻撃が効果的であると解説したが,この両方が存在しないということは,即ち敵の士気をくじくことが相当に困難であるということ。敵を倒すには,正面から戦って打ち倒すしかない。
 ただ中南米系の勢力には,短い時間で建設でき,しかも多数建設できる,「塔」という強力な防御施設が存在している。塔を使って拠点を築き,塔の射程圏内に敵をおびきよせて倒すというのが,中南米系勢力の基本的な戦略だといえるだろう。
 銃兵を育成することはできないと書いたが,ランダムマップでは,銃兵を傭兵として買うことのできる中立勢力が存在していることがある。この場合は,出来るだけ銃兵を雇うようにしたい。そうすれば,銃兵が扱えないという弱点を補うことができるからだ。

(ポイント 55/100)

・弓の射手を大量に育成できる
・弓矢に対する防御力が高いユニットがいる
・プレイしやすく初心者におすすめ

 軍事ユニットは,槍兵/弓の射手/杖戦士の計3種類。どれも単体では弱いが集まると強く,常に集団で戦っていくことが基本。マヤは,全勢力の中でもとくに弓の射手の数を揃えやすく,弓の射手を軸にした戦術が重要になる。
 軍事ユニットの特性上,近接〜短射程の戦いには強いマヤは,射程の長いユニットがいないため常に乱戦となる傾向が強い。個々のユニットの士気の低さをどのようにカバーするか,そこがポイントになるだろう。弓矢に対して強い杖戦士がいるため,ネイティブ勢力との相性は抜群。マヤは,内政も簡単ですぐに大軍を編成できるなど,初心者にお勧めしたい勢力である。

攻撃力

4

   鉱山依存度

5

防御力

5

   対弓・銃

5

速攻

8

   対騎兵

3

長期戦

4

   機動力

7

人口

9

   備考

5


杖戦士

対弓防御力150(アップグレード後175)というスーパーユニット。一人倒すごとに+10の攻撃力ボーナスを獲得し,さらには接近戦が原因で逃げることがない特性も。相手によっては絶大な戦果が期待できる

(ポイント 56/100)

・吹矢の戦士,投石兵などユニークなユニットが使える
・弓の射手は士気が高くて高性能
・戦術の幅が広く,プレイし甲斐のある勢力

 同じ系統の勢力だけあって,内政面ではマヤ族と非常に似ている。マヤ族と違う点は,偵察塔が建設できず,寺院や町の公会堂が,要塞の中に一つにまとまっている点だ。それだけに要塞が集中的に狙われやすく,防御面ではマヤ族より不利な印象を受ける。
 しかし軍事面では,4種類の軍事ユニットがどれも個性的で,戦術のバリエーションが多いのが面白い。槍兵は接近戦では随一の強さを誇るし,弓の射手は正確な射撃と士気の高さが魅力。吹矢の戦士は,毒で敵を弱らせる特殊能力を持っているなど,これらのユニットを敵の編成に応じてうまく使い分けることができれば,インカ族はどの勢力と戦っても安定して強さを発揮できるだろう。

攻撃力

5

   鉱山依存度

5

防御力

4

   対弓・銃

3

速攻

8

   対騎兵

5

長期戦

5

   機動力

7

人口

9

   備考

5


投石兵

石を投げて攻撃する。石に対する防御力を持っているユニットはいないので敵にダメージを与えやすいが,射撃の精度が低いので命中させるのに一苦労する。精度の低さは量でカバーしよう

(ポイント 45/100)

・人口は少ないが,個々のユニットが非常に高性能
・建物の防御力が高い

 全17勢力の中,最も評価が低く最も弱いであろう勢力が,このアステカだ。塔が強力で建物の防御力も高く,守る分にはそこそこ戦えるのだが,人口が少なすぎるのがとにかく問題。通常のプレイでは800人程度で頭打ちとなることが多く,ほかの勢力の平均2000〜2500人と比べて,約1/3程度。これが内政/軍事の両面に響いてくるのだ。
 また銃兵も騎兵もいないので,なかなか敵の士気を挫くことができず,ただただ物量戦に呑み込まれるのみという点もいただけない。
 ただ,ユニット一人一人の性能/信頼性は抜群なのが唯一の救い。堅い鎧を身にまとった槍兵は,一撃必殺の投げ槍を放つことができるし,ゲーム中最長の弓射程を誇る弓の射手は,建物の射程外から火矢を放つことができる。
 アステカで勝ち進むのは難しいかもしれないが,そこを使いこなすのが真の上級プレイヤーだといえるかもしれない。このアステカで最強のスペインに勝利してこそ"漢"というものだろう。

攻撃力

3

   鉱山依存度

5

防御力

6

   対弓・銃

5

速攻

6

   対騎兵

5

長期戦

2

   機動力

6

人口

2

   備考

5


シャーマン

人口は最も少ないアステカだが,シャーマンの数が一番揃うのもアステカである。主力の槍兵と混ぜて,援護しつつ回復役として使おう




 北米大陸東海岸に住んでいたヒューロン族,イロコイ族,デラウェア族の3勢力と,北西部のアラスカ付近に住んでいたハイダ族(スー族とプエブロ族も地理的には北米で,共通する点もあるのだが,独特な点のほうが多いため別に解説する),それにスー族とプエブロ族を加えた計6勢力を解説していきたい。
 北米系ネイティブの特徴は,まずその内政にある。町の住民が集めることのできる資源は木と食料のみで,鉱山を建設することができない。金は交易所から自動で入ってくる収入のみで,石・鉄・石炭を一切集められない点が大きな特徴だ。基本的に木と食料以外の資源は,交易所(いわゆる市場)でいろいろな資源を交換して手に入れることとなる。
 ただ鉱山がないというのは,短所のようで実は長所だといえる。というのも,鉱山がないということは,守るべき地点がそれだけ減るということだからからである。北米系勢力にとって必要なマップ上の条件は,平地と林のみ。たとえ本拠地が破壊されても,町の住民が一人いればマップ上どこでも再興することができるのだ。
 軍事面では,町の住民が弓矢を持っており,建物に火を放つことができる点が大きなメリット。北米系勢力は,すべてのユニットを戦闘に動員することができるという特性を持つのだ。また弓兵と銃兵を両方育成できるなど,バランス感覚にも優れた勢力といえるだろう。

(ポイント 53/100)

・町の住民をアップグレードして,兵士として使える
・防御力の高い銃兵が使える
・攻勢に出ると強いが,守勢に回ると弱い勢力

 ヒューロン族で目を引く部分は,町の住民のライフ/接近戦攻撃力/防御力をアップグレードすることができる点。アップグレードを重ねていけば,町の住民を一人前の兵士として扱うことができるのは面白い要素だ。ただアップグレードによって増えた分のライフはシャーマンを使って回復する必要があるので,ここだけ注意したい。
 軍事面でいえば,あらゆるユニットを一撃で葬る特殊能力を備える斧戦士や,鎧を着ていて足が速い銃兵は,大きなアドバンテージとなり得るユニット。戦闘はこれらを軸にして組み立てていくようにするのがよいだろう。
 ただ野戦での有利さに反して,ヒューロン族には,ほとんどの建物が攻撃力を持たない(内部から矢を放つことができない)という,防衛面での致命的な弱点があるのが厳しい部分。この弱点を露呈させないためにも,とにかく攻め続ける展開を目指していくようにしたい。

攻撃力

5

   鉱山依存度

10

防御力

1

   対弓・銃

3

速攻

6

   対騎兵

3

長期戦

6

   機動力

6

人口

8

   備考

5


銃兵

対弓防御125と,対銃防御25が素晴らしい。ある程度のダメージを与えられる距離まで自動で近づいて撃ってくれるので,使い勝手もいい


(ポイント 53/100)

・町の住民をアップグレードして,兵士として使える
・弓の射手が優秀で,接近戦に強い

 ヒューロン族から攻撃力を引いて防御力を足したようなイメージ。大まかな部分では,ヒューロン族と非常によく似ている。違いは主に弓の射手と銃兵で,イロコイ族は弓の射手が強く,ヒューロン族は銃兵が強いといった感じ。ただ建物内部から矢を発射できる点は,ヒューロン族とは大きく違うところだといえる。
 町の住民をアップグレードし,主力として使うのが基本。正規兵は弓の射手と銃兵をバランスよく育成し,双方の弱点を補いつつ組み合わせて使うといい。

攻撃力

4

   鉱山依存度

10

防御力

3

   対弓・銃

3

速攻

6

   対騎兵

3

長期戦

5

   機動力

6

人口

8

   備考

5


斧戦士

騎兵を一撃で倒す攻撃力を持つユニット。防御力は皆無に等しいので,町の住民と混ぜて使って,ダメージをなるべく受けないようにしたい


(ポイント 57/100)

・全勢力中,最も人口が多い
・一人一人のユニットは弱く,徹底的に物量頼みの勢力

 イロコイ族,ヒューロン族とタイプ的には同一だが,実情はかなり異なる。住居Tの建設コストが木4万程度で頭打ちとなり,それ以上は上昇しないため,住居Tをどんどん追加で建て続けることができるからだ。内政の基盤さえできあがってしまえば,人口が加速度的に増加していく。ただその代わりに,町の住民のアップグレードはできない。
 個々のユニットの能力は低めだが,人口の多さ(内政力)を生かした物量戦で補えば十二分にお釣りがくる。圧倒的な物量で相手を飲み込んでいくのが,デラウェア族の戦い方だといえる。

攻撃力

5

   鉱山依存度

10

防御力

3

   対弓・銃

3

速攻

7

   対騎兵

2

長期戦

6

   機動力

6

人口

10

   備考

5


槍兵

ノーマル状態ではザコだが,アップグレードを重ねるごとに加速度的に強くなる。士気の問題さえクリアできれば,敵の前進を完全に阻むことができるだろう



(ポイント 51/100)

・トーテムポールを建設可能
・カヌーが強い
・士気の面で有利な,少数精鋭的な勢力

 ハイダ族の特性はトーテムポールの存在に尽きるだろう。トーテムポールとは,攻撃力を持たない小さな棒状の建造物で,周辺にいる味方ユニットの士気を鼓舞する力がある。これだけで十分頼もしいのだが,同時に,逃げてしまったユニットが逃げ帰ってくる場所にもなってくれるというのが見逃せないポイント。ほかの勢力の場合は,逃げたユニットが要塞や戦士育成所まで帰っていってしまうが,ハイダ族は,彼らをトーテムポールに集めることができるのだ。つまり,トーテムポールが戦いの最前線にあれば,逃げたユニットもすぐに戦闘に復帰させられるのだ。
 とはいえ,いかんせんこれといって強いユニットがいないのがハイダ族の苦しいところ。騎兵が育成不可能で,町の住民がアップグレードできないのも痛い。武装戦士と銃兵で手堅く戦うしかないだろう。

攻撃力

4

   鉱山依存度

10

防御力

3

   対弓・銃

3

速攻

5

   対騎兵

4

長期戦

6

   機動力

5

人口

5

   備考

6


酋長

育成時間200なので育成しやすい。これを生かして陣形を活用するといいだろう



(ポイント 54/100)

・足が速くて強力な騎兵をたくさん育成できる
・建物(テント)をたたんで移動することが可能
・味方のサポートを受けると強い。チーム戦向きの勢力

 スー族の核心は,なんといっても強力な騎兵軍団にあるだろう。スーには,騎馬槍兵,騎馬射手,騎馬銃兵,騎馬酋長と4種類の騎兵ユニットがあるのだが,どれも能力が高く,また移動速度が非常に速い。実はスー族もアステカ族同様に人口はかなり少なく,800人程度で上限になってしまうのだが,騎兵の強さと機動力によって,物量差をカバーできてしまうところがスーの強さだといえるだろう。
 テント型の建物は好きなときに畳むことができ,畳むとその建物にかかった建設コストは戻ってくる。敵に取られそうだと思ったら,早めに畳んでしまうのも作戦の一つ。そうすることで,敵がどこに照準を合わせて攻めればよいのか分からなくなり,混乱を誘うことができるからである。
 内政面に目を向けてみると,農耕ができないため,動物を追って狩りをしなければならない点が欠点といえば欠点だろう。狩り自体は食料を集める手段としては効率がよいものの,動物の位置や数がまちまちなために不安定要素が多いし,細かい操作が必要で面倒だからだ。なので,場合によっては木を売って食料を得ることも考慮するようにしたい。

攻撃力

4

   鉱山依存度

10

防御力

2

   対弓・銃

3

速攻

5

   対騎兵

8

長期戦

4

   機動力

10

人口

2

   備考

6


騎馬酋長

拡張版になって育成時間が短縮され,数を揃えやすくなった。育成コストの問題さえクリアできれば,接近戦最強を誇るユニットだ



(ポイント 48/100)

・全勢力中,最も特殊な内政
・建物の奪取が得意な銃兵を短時間で大量に育成できる
・短期決戦向き

 全17勢力中,もっとも個性の強い勢力といえるのがプエブロ族だろう。ユニットの生産・アップグレードは全て「町」という一個の巨大な建物の中で行うのが最大の特徴。軍事ユニットはすべて町で直接生産され,しかもその生産速度がもの凄く速いのだ。
 また,鉱山を作れるのに交易所を使えるのも重要なポイント。ただし,その代わりに町の住民は最大で260人までしか作ることができないので,一定以上に収入を増やすのは困難だと言わざるを得ないだろう。
 評価点数では下位クラスにランクされてはいるが,弓の射手を使った強烈な速攻をしかけることが可能で,スタート直後ではもっとも恐るべき勢力といえる。しかし,内政面(経済面)での不利は拭いきれず,中盤以降はだんだんとジリ貧になってしまうケースが多いのが悩みどころ。独特のシステムはプレイしていて新鮮なので,アメコンのプレイヤーならば,一度は使ってみることをお勧めする。

攻撃力

7

   鉱山依存度

6

防御力

2

   対弓・銃

3

速攻

10

   対騎兵

3

長期戦

2

   機動力

6

人口

2

   備考

7


銃兵

拡張版になって銃の火力が下がり,大幅に弱体化されてしまった。とはいえ,建物を奪取するのが得意で,接近戦攻撃力を25までアップできるのは大きな強みである


(C) 2003 CDV Software Entertainment AG. All rights reserved. CDV, the CDV logo and American Conquest - Fight Back are either regis-tered trademarks or trademarks of CDV Software Entertainment AG or GSC Game World in the US and/or UK and/or other countries.