アメリカンコンクエスト 攻略

 「アメリカンコンクエスト」(以下,アメコン)の魅力の第一は,なんといっても"集団戦"を再現したユニークな戦闘システムである。隊列を組んだ数百,数千もの兵士達が激突する様子や,戦意を失った兵士達が我先にと敗走していく様などは圧巻の一言。戦場の"臨場感"という部分において,本作は,間違いなく最高峰に位置する作品だといえる。

 そんなアメコンの拡張パックである「自由の女神」には,「バトルフィールド」という純粋に戦闘のみが楽しめるゲームモードが追加されている。資源採取や軍隊育成などといった内政要素をいっさい抜きに,ただ"戦術"のみを楽しめるというモードだ。
 今回は,このバトルフィールドの序盤のミッションを攻略していくと共に,士気や陣形といった本作の戦闘の"エッセンス"について解説していきたいと思う。アメコンの面白さを知るには,戦闘システムについての知識が欠かせない。これからアメコンを遊んでみようというプレイヤーがこの記事を読み,戦闘の勝因/敗因を把握できるようになれば幸いである。

 一般論をいうと,敵の軍勢を打ち負かすにはより多く敵を倒せばよいわけだが,敵を"倒す"以外にも重要な要素がある。それは,敵の"戦意をくじく"ということ。戦意のない兵士は,例え戦場に留まっていようとも,存在しないのと同じ。実際,いわゆる集団戦をメインとしていた時代の戦いでは,一人一人の能力よりも,そうした敵味方の「士気の差」が戦況を左右することがしばしばあった。
 "集団戦"をゲームとして再現している本作でも,"士気の要素"というものが戦闘の結果に重大な影響を及ぼす。士気が下がった兵士達は勝手に戦場から逃げ出し,統率が取れなくなる。敵の士気を崩壊させることができれば,即ちそれが勝利へと繋がっていくわけだ。

 このセクションでは,アメコンにおける士気について簡単に解説していく。ただし,システム面・数値面の細かい説明は割愛して,「要するに何をすればいいのか」に絞って解説していきたいと思う。手始めに,どうすれば士気を上げる/下げることができるのか? そこから説明していこう。


(1)陣形を組む

これが基本にして最重要。陣形を組むには,15人以上の兵士と,それに対応した「士官」と「鼓手」が必要(騎兵の陣形には鼓手は不要)となる。多くの数の兵士で陣形を組むほど士気が上がり,歩兵なら15/36/72/120/196人,騎兵なら40/90/160人の単位で陣形を組むことができる。

(2)陣形に旗手を組み込む

陣内に「旗手」がいれば,兵士の士気はさらに上昇。加えて旗手が加わっている陣には,攻撃力+1,防御力+2のボーナスが付くというオマケもある。

(3)たくさんの敵を倒す

敵を一人倒すごとに,戦闘経験を積んだとみなされて士気が上がる。これは陣形のあるなしには関係ないが,陣形を組んでいれば,陣全体の合計が個々のユニットに反映される。

(4)士官がたくさんの敵を倒す

陣形を組んでいる場合,士官自身が戦闘経験を積むことにより,陣内の士気を大きく上げることができる。

(5)味方の拠点の近くで戦う

拠点とみなされるのは,「砦」「要塞」「歩兵育成所」「スーの騎兵育成所」「プエブロの町」「ハイダのトーテムポール」。これらの拠点に近ければ近いほど士気は上がる。

(6)良い戦果を挙げる

(敵の損害ー味方の損害)がプラスであればあるほど,士気が上がっていく。マイナスなら士気は下がる。ただしこれはマップ全体の話ではなく,個々のユニットが認知可能な範囲内に限られる。



(A)陣形内の士官・鼓手・旗手を倒す

それぞれの3種の陣形のパーツが欠けることにより,士気が下がる。上記の解説の(2)(4)を見ても分かるとおり,士官と旗手を倒すメリットはとくに大きい。

(B)陣内の兵士を30%以上倒す

30%以上の兵士を失った陣は,がくっと士気が下がって崩れ始める。よって,緒戦で優位に立つことが重要。

(C)敵の拠点を破壊する

これは,マップ上のどこのものでも構わない。一定時間,マップ全体の敵の士気を下げることができる。

(D)餓死を起こさせる

食料保有量が0になると餓死が起き,マップ全体の敵の士気が下がる。しかし,食料を略奪したりといったことはできないので,実際に意図的に敵に餓死を起こさせるのは難しい。とはいえ,敵の食料供給源を妨害/破壊するなどして,兵糧攻めにすることはできる。

(E)良い戦果を挙げる

これは(6)と同じ。味方の損害を少なく抑えつつ,敵に多くの損害を与えれば与えるほど,士気の面で有利に立てる。

※なお,(6)(C)(D)(E)に関しては,その効果は一定時間しか続かない。つまり,これらの影響で有利に立ったら,躊躇することなく攻勢に出て,いっきにたたみかけることが肝要となる。


 ここまでが士気を上下させるためにすべきことであるが,士気が下がれば敵は勝手に逃げ出すというわけではない。敵の士気が下がった状態で,逃げ出すきっかけとなる「引き金」を引いてやる必要があるのだ。
 簡単にいうと,アメコンのユニットは,以下の四つのファクターに対して"恐怖心"を持っている。

・接近戦で近くの味方が死んだ場合
・銃撃で近くの味方が死んだ場合
・騎兵の攻撃により近くの味方が死んだ場合
・パニックになって逃げ出した味方を目撃した場合

 各ユニットは,これら4つの事態に遭遇した場合に,ある確率で逃げ出す。さらに言えば,この確率の大小こそがアメコンにおける"士気"の扱いである。要するに,今まで述べてきた「士気が上がる」とは「この確率が下がる」ことであり,「士気が下がる」とは「この確率が上がる」ことである。ともあれ,まずは上記の4種が引き金となってユニットは逃げ出すということだけは覚えておこう。
 中でも騎兵の攻撃による効果は大きく,士気が下がっている状態の敵軍に向けて騎兵が突撃する……というパターンは,アメコンにおけるセオリーの一つである。

以上の基礎知識を理解したら,早速実戦にいってみよう。

※補足:能力値補正について
 ユニットは,敵を一人倒すごとに接近戦攻撃力にボーナスを得る。ユニットの種類によって得るボーナスの値は異なり,例えばスペインの斧槍兵なら+2,火打石銃兵なら+10,竜騎兵18cなら+20などというように,高コストで育成しにくいユニットほどボーナスも大きい傾向がある。
 たくさんの敵を倒してきたユニットの攻撃力はすさまじく,新たに育成された同種のユニットとは比較にならない。成長したユニットでの消耗戦は避け,大切に使っていくよう心がけたい。



 難易度は「中級」(英語版ならHard)を選択しよう。このミッションの目標は,自分の砦を防衛しながら敵の砦を奪取または破壊することだ。
 ゲームを開始すると,右の図のような画面が出る。ここで行うことは,ユニットのアップグレード。このミッションでは斧槍兵の攻防のアップグレードが3回ずつ行えるので,3回とも押しておこう。
 プレイヤーは青軍で,軍勢は斧槍兵とマスケット銃兵と騎馬仕官16cの混成部隊で構成され,対する赤軍は,斧槍兵の大軍と少量のカノン砲,竜騎兵18cからなる。このミッションでは,味方の3種のユニットをどのように使い分けるかがポイントとなる。

(1)マスケット銃兵に一斉射撃させる

 戦いが始まったら,まずは左隅にある味方の砦の前にいる30人の町の住民を,砦の中に入れよう。これで砦の防衛はOK。万全を期すならば町の住民数人を火縄銃兵に育成して,砦の中に入れなおしても良いが,万が一砦が敵のカノン砲に撃たれた場合修理しなければならないので,町の住民は10人以上は残しておく。
 主力の軍隊のほうに目を向けよう。とりあえずその場を動く必要はないが,マスケット銃兵は「攻撃禁止」にしておく,これは,敵を引きつけてから一斉射撃するためだ。敵のカノン砲に撃たれて,そこそこの数の兵士が削られているはずだが,ここはじっと耐えておく。ただし,敵が側面を見せて陣形の旗手・士官等が見えたら,騎馬士官16c数騎を使って狙撃しにいくといい。
 しばらくすると敵がしびれをきらして突撃してくるので,敵が十分に近づいたと思ったら,攻撃許可し,銃弾の雨を降らせよう。しかし,スペインのマスケット銃兵は鎧を着ているため,攻撃動作に入ってから射撃するまでに一呼吸時間がある。よって,攻撃許可するタイミングは難しいが,最大の効果を得られる敵との間合いは,プレイヤー自身で試して会得してほしい。

(2)マスケット銃兵は下がり,側面に展開。「守備」状態の斧槍兵で敵を受け止める

 一発撃ったマスケット銃兵は,左の図のように斧槍兵のななめ後ろに向かって後退させよう。なお,この状態でもマスケット銃兵の陣形は「守備」にする。その場を動かないようにすることできれいなラインを保つことができ,効率的に射撃できるからだ。ななめ後ろに後退するのは,斧槍兵の側面(緑の印)を防御するためである。
 敵はかまわず突撃してくるので,「守備」状態にした斧槍兵で敵を受け止めよう。「守備」にした陣形は攻撃力に+9,防御力に+9(旗手がいればそれぞれ+10,+11)の補正がある。しばらく受け止めていれば,敵の陣形は崩壊して逃げ出す。

(3)騎馬士官16cの出番・・・逃走する敵軍の掃討作戦を

 敵が逃走しはじめたら,騎馬士官16cを両側面に展開する。そして逃走する敵の退路へ向かって突撃し,逃げている敵兵士の掃討をしよう。逃げている無抵抗の兵士だけを相手にし,まだ戦っている陣形の兵士は相手にしないこと。奥のほうにはまだ無傷の陣形やカノン砲が控えているはずなので,そちらには行かないようにする。
 騎馬士官16cは一人の敵を倒すごとに接近戦攻撃力に+10のボーナスを得る。集中して掃討作戦にあたらせて攻撃力ボーナスを溜めていくと,ぐんぐん強くなるのだ。

(4)側面からの斧槍兵の突撃&騎馬士官16cの援護で,残りの敵軍を撃破

 あと残っている敵軍は,斧槍兵の陣形一つとカノン砲数門のはず。逃げている敵をだいたい倒し終わったら,斧槍兵の陣形を敵の陣形の側面に移動させ,横から突撃させる。その際,後ろから騎馬士官16cも一緒に突撃させる。このときには騎馬士官はかなりの接近戦ボーナスを得ているはずなので,効率的に敵を倒すために「接近戦のみ」で戦おう。
 なお,必ず斧槍兵を先行させるようにし,騎馬士官16cはその後ろから進めること。その理由は,主に斧槍兵で敵の攻撃を受け止め,騎馬士官がダメージを受けないようにするためだ。

(5)騎馬士官16cで砦を包囲し,砦を奪取

 敵の陸上戦力をすべて撃破したら,残るは砦。残っている騎馬士官16cを全選択し,敵の砦を包囲する。マスケット銃兵で包囲してもいいが,騎馬士官のほうが銃に対する防御力が高いので残存性が高いということと,足が早いので砦に近づきやすいというメリットがある。なお,砦の場合,完全に張り付くように近づいてしまえば射撃してこない。
 中の敵を全員倒したら(カーソルが変わるので分かる)砦内部に突撃。占領するとクリアとなる。

騎馬士官16cで砦を包囲し,銃で中の兵士を倒す 騎兵は意外と脆いので,敵の主力に真っ向からぶつけないこと この状態から一斉に怒涛の攻撃を仕掛けていく


 このミッションの目標は敵軍を全員倒すこと。第一戦とは打って変わって,火打石銃兵だらけのマップになっている。ポイントは,カノン砲のぶどう弾の扱いと,火打石銃兵同士の戦闘のやり方だ。

(1)カノン砲のぶどう弾で敵を粉砕

 戦いが始まったら,カノン砲6門を,それぞれ右の図のように均等に間隔を空けて移動させ,そのまま少しずつ前進させる。一戦めとは違って,待っていてはダメ。敵も同じように前進して迎え撃ってくるが,そうしたら敵の陣形の固まっている部分に向けてぶどう弾をお見舞いしよう。
 ぶどう弾を撃つには,カノン砲の操作画面の中の「ぶどう弾を発射」をクリックするだけでOK。撃つまでに数モーションを要するため,これも自分で試しながら最適な敵との間合いを探そう。ぶどう弾の効果範囲はかなり広いので,多少遠くから撃っても効果がある。

(2)火打石銃兵同士の銃撃戦は先制攻撃がカギ。騎兵をうまく囮に使う

 さきほどのマスケット銃兵vs.斧槍兵と違って,相手も銃撃してくる。そのため,引きつけて撃つ方法はやりにくい。火打石銃兵は銃に対する防御力が0のため,最大射程から撃ってもそれなりのダメージを与えることができる。まずは囮の竜騎兵18c数騎を先行させ,まず相手に一発撃たせよう。そうしたらすかさず火打石銃兵の陣形を前進させ,相手に一発食らわせる。普通に撃ち合うとお互いに損害を出すので,囮の騎兵を使って相手に撃たせてしまうのがカギだ。
 また,なるべく敵の側面を狙うようにし,射撃する際は局地的には常に数で上回る状況を作るように心がけよう。最大射程から撃ち合った場合,銃弾のばらつきが大きいため,なるべく多くのユニットで銃撃するほど弾が当たりやすい。火打石銃兵は攻撃力(銃の火力)は高いが防御力は皆無。とにかく初段が最重要だ。うまく撃つことができれば敵の陣形は一発目で散り散りになる。逃げ出した敵は,第一戦と同様,騎兵で追いかけて倒そう。

(3)最後はセオリー通りに,包囲して複数方向から攻めるだけ

 第一戦と同様に,敵にはカノン砲と陣形一つが残っているはず。相手のカノン砲のぶどう弾を食らわないように,側面に部隊を展開しよう。ただし正面にも少しは残しておくこと。あとは両側面から射撃し,陣形が崩壊したら騎兵で掃討するという同じパターンで。



 このミッションの特徴は,所持資源が少ないこと。食料がなくなると餓死が起きて士気が下がるし,金がなくなれば陣形が組めなくなる。鉄か石炭がなくなれば銃が撃てなくなる。とくに食料と金が足りないので,戦いは時間との勝負。速攻で一気にカタをつけよう。
 槍兵のアップグレードが攻防ともに3回までできるが,資源が足りないために,全部はできない。速攻を意識して,攻撃を3回と防御を2回アップグレードしておく。
 ミッションの目標は,拠点の奪取(四つのテントの占領)なので,すべての敵を倒す必要はない。敵の士気を崩壊させ,テントの付近から排除してしまえば十分だ。

(1)槍兵で道を拓く

 陣形を一切組んでいない状態で始まるので,まずは槍兵/マスケット銃兵/火縄銃兵/竜騎兵17cといった,それぞれのユニットごとに陣形を組んでおこう。本来ならばできるだけ多くの兵士で陣形を組んだほうがいいのだが,今回に限っては進軍速度のほうが大事。なので,細かいことは気にせずにさくっと陣形を組みたい。適当な数の兵士で陣形を組んだら,すぐさま全軍で前進開始。余った兵士は後ろから付いてこさせるように(陣形内の兵士が減った場合,この兵士を使って随時補充する)。
 敵軍の槍兵と狩人が先遣隊としてやってくるので,槍陣形で迎え撃ちつつ,どんどん前進。敵軍はまったく陣形を組んでいないので,個別に撃破すれば楽勝だろう。側面を叩くために,敵陣から見てマップ上方へ向けて進軍していく。

(2)強引な一点突破を図り,そこを活路にして一気にたたみかける

 敵陣の側面に友軍が集結したら,槍兵を先頭に敵陣の中心あたりの一点へ向けて一斉に突撃しよう。マスケット銃兵と火縄銃兵は,槍兵の盾にする形で徐々に前進。銃兵の前に味方兵士がいると,射撃の効率性ががくっと落ちてしまうの痛いが,ここではあえて後方から援護する形にしよう。槍兵の隙間から少しずつ射撃させ,なるべく早く槍兵の進路を開くようにする。陣形内の兵士が減ってきたら,後ろから付いてきている兵士を補充して陣形を建て直すこと。竜騎兵17cとスーの騎馬槍兵は,敵陣の背後に回って攻撃しよう。
 こうして進軍スピードを最優先目標として一気に突破していくと,敵の士気があっという間に崩壊していくのが分かるはずだ。ただし,これは敵が陣形を組んでおらず,統率が取れていないためにできる戦法である。

(3)四つのテントを占領するという目的に集中

 テント付近の敵ユニットを排除することに集中しよう。逃げ出した兵士を深追いする必要はない。奪取したテントはすぐに燃やしてしまうように。あとはテント付近にいる敵を見つけ次第,直接に攻撃を指示して倒しに行かせるとよいだろう。

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