|
|
![]() |
| サイのような角が特徴の Rhino |
本作は,そのスパイダーマンの人間離れした能力をフルに生かしたアクションが楽しめるアクションゲームだ。アクションシーンのメインとなる敵との戦闘では,パンチ・キックなどに加えジャンプパンチ/キックや敵を掴んでのパンチ/キックなどが用意されており,まるで格闘ゲームのようなプレイとなる(スパイダーマンは武器を一切使わないのだ)。とはいえ,本格的な格闘ゲームにある,ボタンの組み合わせで必殺技が出るというようなことはなく(パンチやキックボタンを連続して押すことで,コンボ攻撃は出るようになっている),残酷なシーンや複雑なパズル要素などもないので,子供も一緒に家族そろって手軽&気楽に楽しむには良いかもしれない。
また格闘だけではなく,垂直の壁を吸い付くようにして登ったり,腕から発射するクモの糸を使ってビルからビルへ飛び移ったりと,随所にスパイダーマンならではのアクションプレイも楽しむこともできる。とくにジップラインと呼ばれる,クモの糸を使ってビルからビルへ飛び移るアクションはスピード感があり,下に落ちてしまうのではないかというスリルと相まって実に楽しい。
ゲームは,突如出現した偽スパイーダーマンを追っていくピーター・パーカーが,異星生命体による地球侵略を食い止めるというストーリー。その過程において,Scorpion,Venomといった原作でもお馴染みの「いかにもアメコミ」という典型的な悪者が中ボスとして出てきたり,スパイダーマンにいろいろなアドバイスを与えてくれる謎の女盗賊Black Catや,Fantastic Fourのメンバー,さらにはCaptain Americaまで登場するという,アメコミヒーローのファンにはかなり嬉しい展開となっている。なお,これらゲーム中に登場する個性的なキャラクターを一覧として見ることができたり,ゲーム中に流れたムービーだけを鑑賞したりできるのは嬉しい配慮といえよう。
![]() |
![]() |
![]() |
| 犯人と間違われ,警察のヘリに追いかけられることに。横にはX-menのウルバリンの看板が | アイテムをとることで,一時的にパワーアップすることができる | チュートリアルを兼ねたトレーニングモードは,ミニゲームとしても楽しめる |
![]() |
| 地下鉄の屋根の上で戦うスパイダーマン。壁にはActivisionのゲームポスターが貼ってある |
……と,なかなかに面白いお勧めのお気楽アクションゲームなのだが,唯一残念なのが完全に英語版である点だ。アクションシーンの合間にはムービーが流れるのだが,これまた全編英語音声で展開する。英語字幕すら出ないために,リスニングができないとストーリーの展開がほとんど分からないのだ。英語が分からないとゲームが進まなくなることはないが,せっかくのストーリーがほとんど分からないのでは,面白さも半減してしまうだろう。
また,ゲーム全体のボリュームがかなり少なく,いかにもキッズ向け(またはお手軽プレイ向け)といった感がある。にも関わらず,先ほどもいったようにゲームの中は一切日本語化されておらず,ある程度の英語力が必要とされるのだ。米国ならまだしも日本においては,一概に「子供と一緒に家族でどうぞ」とはいいにくいところもあり,日本ではどのようなユーザー層をターゲットとするのか,ややツラいところがありそう。
まぁ,ハードなアクションやボリューム感を求める人にはお勧めしづらいものの,アメコミヒーローが大好きな人や,お手軽なアクションゲームを気晴らしに遊びたいという人にはいいだろう(人がバタバタと死ぬようなゲームでもないし)。個人的には,本作の路線で,ワンダーウーマンやバットマンを主人公とするゲームも遊んでみたいものである。
|
■発売元:サイバーフロント MARVEL and SPIDERMAN: TM and (c) 2001 Marvel Characters, Inc. All rights reserved. Published and distributed by Activision, Inc. and its affiliates. Activision is a registered trademark of Activision, Inc. and its affiliates. (c) 2001 Activision, Inc. and its affiliates. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners. |
![]()