スピリット・オブ・スピード完全日本語版 
Text by UHAUHA 25th Sep. 2000
「Spirit of Speed 1937」(以下SoS)は,現代のF1の原点ともいえる'30年代のグランプリを再現したものだ。
登場するマシンはアルファロメオ,メルセデスなどを筆頭に1台1台を忠実に再現し,コースも,イタリアのモンツァなどモータースポーツの歴史に名を残す9コースをあますところなく再現している。腹の芯から響くようなエンジン音,曲がらないマシンを操る恐怖,スピードの限界と戦う……そう,古き良き時代のグランプリの世界を余すことなく再現しているのだ。当サイトでも連載中のGrand Prix3を始めとした現代のレースカーとは,一味違うレーシングシーンを味わうことができるだろう。
挙動はまさにアナクロの極み
ゲームモードは,1コースを選択して競う「シングルレース」,決められた条件に沿って進める「シナリオレース」,全コースを転戦しポイントを競い合う「チャンピオンシップ」が用意される。
ちなみにSoSでは,マシンのセッティングメニューは用意されていない。ここが通常のレースゲームとは異なるところ。選択したマシンで,自分のテクニックのみを駆使して競うことになる。走行中に注意することは,燃料,油圧,水温やタイヤの磨耗などだ。高性能な現代のマシンとは違い,油圧が下がればブレーキ性能が低下し,水温が上がればエンジン性能が低下する。これらはピットに入って補充する必要があるのだが,当然ピットインのタイミングも戦略の一つ。十分考えて車を走らせよう。
もっとも気になるマシンの挙動は,繊細な走りを要求する「じゃじゃ馬」といった感じだ。1速で不用意にアクセルを踏み込めば,細いタイヤは簡単にホイールスピンを起こす。カーブを曲がるにもスピードに十分に神経を使う必要がある。コーナーでのオーバースピードはアンダーステアとなってガードレールの餌食となるが,マシンをコントロールすることで,ドリフトでコーナーを抜けることも可能だ。60年以上前のマシンを自在に操り,ガードレールに囲まれたコーナーをドリフトでクリアするのは快感でもある。
SoSには,'30年代を思い出させる全てが詰まっている。埃っぽいコース,レンガで造られたバンク,流れ過ぎる風景……そこで,博物館に展示してあるようなマシン達が爆音を立てて突っ走る。当時のドライバーの気持ちを感じつつ古いマシンを操るのは,なかなか楽しいものだ。とりわけ当時を知ってる人には,たまらない1本となるだろう。
■発売元:メディアクエスト
■価格: 7800円(2000年9月29日発売)
■問い合わせ先:メディアクエスト
TEL 03-5805-3629
■動作環境:Windows 95/98,Pentium/200MHz以上(PentiumII/300MHz以上推奨),メモリ32MB以上(64MB以上推奨),空きHDD容量250MB以上
■英語版デモ(25MB):http://www.3dfiles.com/games/spiritofspeed1937.shtml
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