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Slave Zero
Text by 中島 渉
/Vmag.2000年6/15号

クリックすると拡大します  メックウォーリアーやヘビーギアに代表されるロボットアクションというジャンル。そこに,アクション性をさらに加速させてアーケードゲーム感覚で楽しめる「Slave Zero」が登場した。ロボットならではの重厚感を損なうことなく,人間を思わせる繊細な動きを再現しているのが魅力のタイトルだ。

滑らかな動きをするスレイブ
 舞台は,500年後の未来のアジア。独裁者ソフカンに支配されたメガシティS1-9は,人間と機械とが共存する巨大都市だ。ハイテクノロジーと退廃した世界が入り混じり,映画ブレードランナーのような雰囲気を持っている。密集したビル郡に渦巻く汚染された大気,薄暗い地上を照らす華美なネオンサイン……。
 こんな中,生体と融合した新しい人型兵器Slave(スレイブ)が,反ソフカン勢力によって開発される。スレイブは完全な機械ではなく,コアの生体を金属の外殻で覆っている半機械生命体だ。この,動物のように滑らかな動きが可能な兵器を操り,ソフカンの圧制から脱するために戦い抜いていくというのが,おおまかなストーリー。
 スレイブゼロの特筆すべき点は,このような世界背景がゲーム中にしっかりと反映されているということ。納得のいくまで作り直したというグラフィックスは,細部までこだわりをもっているということがひしひしと感じ取れる。また,人間や車などのスケール比がしっかりと計算され,それがゲーム内に反映されているのも見逃せない。つまり,細かい部分でのこだわりと高度な技術との積み重ねが,Slaze Zeroの美麗なグラフィックを生み出したといえるだろう。

豊富に用意された派手なアクション
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  さて肝心のゲームプレイ感は,QuakeのようなFPV(First Person View)に近い印象を受けた。3人称視点と切り替えてプレイすることもできるが,やはり慣れてくると,1人称視点のほうがプレイしやすい。
 武器や弾薬といったアイテムも豊富に用意されているし,敵に近づいたときにはパンチを繰り出したり,はたまた壁によじ登ったりするアクションなどもあり,見ていて飽きさせない。さらに,地上を走っている車やバスをつかんで敵に投げつけるといった,いままで考え付かなかったような攻撃方法までが用意されているのも驚きだ。
 壊せるオブジェクトも数多く用意されているので,それらを破壊していくことで得られる爽快感と,派手な爆発シーンが魅力といえるだろう。
クリックすると拡大します  製品版では,LAN接続でのマルチプレイしかサポートされていなかったが,パッチ(702KB)を当てることによって,TCP/IPを使ったインターネット上での対戦ができるようになった。同時参加プレイヤー数は4人までだが,熱い戦いを繰り広げることができるだろう。
 シングルプレイのストーリーの出来映えも素晴らしく,アクションゲームによく見られるようなワンパターンに陥ることもない。Quake系とは一味違ったFPVを楽しむにはうってつけの1本といえるだろう。
■発売元:ズー
■価格: 8800円
■問い合わせ先:ズー
  TEL 0268-38-1561
■動作環境:Windows 95/98,PentiumII/266MHz以上,メモリ64MB以上,空きHDD容量255MB以上
■英語版デモ(66MB):http://www.slavezero.com/downloads.shtml
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