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SimCity3000 for Linux
Text by 阿久津良和(Cactus)
4th Oct.2000

クリックすると拡大します  9月19日付けのニュースでもお送りしたように,Loki Entertainmentという会社から,PCゲームでおなじみのタイトルがLinux用として続々と発売される予定になっている。
 今回は,そのListの中から「SimCity 3000」を実際にプレイしてみなされ,というお達しを受けたので,さっそくLinux環境を作って試してみることにした。"ゲームマシンとしてのLinux"にも興味があるし。
 ちなみに環境は,Cereron/433MHz+MGA Mystique+Sound Blaster AWE32という自作PCに,Vine Linux 2.0をインストール,X Window SystemはGnome+Enlightenment 0.15.5という構成だ。

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  まずはインストール関係から。Linuxに詳しくない人は訳分からないかもしれないけどごめんなさい。
 セットアップCD-ROMをドライブにセットし,マウント作業を行なってからktermなどを開いて,コマンドラインで「sh setup.sh」と入力。するとセットアップ画面が起動し,インストールパスやインストールアイテムの設定が行なえる。「Linux版Install」と聞いて想像するよりは,はるかに簡単で分かりやすい。Windowsとほぼ変わりなしだといってもいいだろう。ミュージックファイルやムービーファイルなど各種データファイルのインストール選択も可能だったので,ここではパフォーマンスを重視し,フルオプションでインストールを実行してみた。この間に付属のマニュアルをチェックしてみたが,Windows版とくらべて大きく変化している箇所はなさそうだ。
 長いインストール(搭載しているCD-ROMドライブがおんぼろなので^^; )が終わり,そのままゲームスタート。そうそう。SimCity 3000を知らない人のためにちょっとだけ内容を説明しよう。
 プレイヤーは市長となって,なにもない土地に住民のための住居地区や労働の場である商業地区,工業地区を設置し,街を盛り立てていくというゲーム。こまごまと描かれたグラフィックスと,箱庭の中で都市を育て上げるあの感覚は,SimCityが最初で最後といえるかもしれない。かつては(古い版だが)スーパーファミコン版などもあったので(最近はPalm版まであるし),プレイしたことがある人も多いかもしれない。それでは実際にプレイしてみるとしよう。

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  ゲームを起動してみると,それは全くもってWindows版と同じ画面。体感的にもWindows版と比べてさほど変化はなく,もちろん操作体系もまったく同じ。OSさえ内緒にしておけば,きっと誰も気づかないんじゃないかと思うほどだ。
 ここで「SimCity3000とは」などとやっていると,どんどん縦に長いHTMLになってしまうので,それは割愛。追ってPDF化される過去記事のほうを見てほしい。
 ふと気になったのは,Townデータ(セーブファイル)の互換性。筆者が過去にWindows版で作成したデータをいくつか読み込んでみたが,ここでも全く問題は起きなかった。日本語の市長名などは当然文字化けするが,これはしかたないだろう。

 どっからみても,Windows版に比べて遜色ない。いや,むしろ完璧な移植だといえるだろう。今後のLoki Entertainmentの移植版にも,大いに期待が持てるという満足な結果になった。と同時に,Linuxがゲームプラットフォームとして充分に活躍できるOSだということを認識させられた次第。

■発売元:シンアイ商会
■価格: 6900〜7900円
■問い合わせ先:シンアイ商会
  TEL 0727-92-6960, E-mail info@shin-ai.com
■動作環境:Linux Kernel:2.2.xおよびglibc-2.1,MMX Pentium/233MHz以上(PetiumII/300MHz以上推奨),ビデオ:メモリ4MB以上,XFree86 3.3.5以上,メモリ32MB以上(64MB以上推奨),空きHDD容量230MB以上