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Serious Sam
Text by hamaken
25th May.2001

クリックすると拡大します  ピーアンドエー「Serious Sam」(以下,SAM)は,DOOMやQuakeに代表される"撃ちまくり"のFPS(ファーストパーソンシューティング)。とにかく大量に現れるモンスターをひたすら撃ちつづけて倒していくという,爽快感を味わえるのが特徴だ。
 「どこに敵が隠れているのか分からないが近くになにか気配がする!」といったこのジャンルに特徴的なドキドキ感や恐怖感はそのままに,うじゃうじゃと足元を埋め尽くすクモや超ビッグなロボットを相手に,主人公Samは進んでいく。地球壊滅を狙うエイリアンと戦うというのがとりあえずの目的らしいが,SAMをプレイしている間はそんなことは一切おかまいなし。"撃つ"ただそれだけなのだ。
 このジャンルのゲームでは,「●●の3Dエンジンを採用」ということが多いが,SAMではオリジナルのエンジンを使用している。その特徴は,
  • 複数方向の重力を再現して不思議な空間を表現
  • ボリューム感のあるフォグやライティングによって美麗なグラフィックを実現
  • 非常に多くのキャラクターを制御可能なことで,同時出現数が多い
となっていて,まさに"SAMのため"に開発されたエンジンといってもいいだろう。非常に多くのモンスターが同時にプレイヤーめがけて突進してきても,よけられないような多数の弾をばら撒いてきても,フレームレートの低下をあまり引き起こさないのは特筆に価する。逆にスムースに動きすぎるために,モンスターの弾を避けられなくてゲームの難易度があがってしまっていると感じるかもしれないほどだ。

まるで映画"スターシップ・トゥルーパーズ"

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  まずゲームをスタートして感じるのは,アウトドアゾーンが果てしなく広いこと。その広さは大草原の中にたたずんでいるといった感じが適切だろうか。ただし,なにもない平原ではなく起伏の激しい地形となっていて,プレイヤーの視界をさえぎりモンスターを認識するのを遅らせてくれるのだ。このためにプレイヤーが超遠距離から一方的に攻撃する状況はあまりなく,常にモンスターと接近戦を繰り広げなければならない。プレイヤーの動きが止まってしまうとすぐにモンスターに囲まれてしまって,あっという間にゲームオーバー。常に動き回りながら,的確にモンスターを倒していかなければならないのである。
 これはまるで映画"スターシップ・トゥルーパーズ"のようと表現してもいいだろう。全方位からモンスターが「WAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」(注:これは誇大ではなく実際にこれくらい叫ぶ)と叫び声を上げながら,プレイヤー目がけて一直線に突進してくるのである。これを冷静に対処できるのは相当FPSゲームをやりこんでいる人だけではないだろうか。普通ならば,あわててしまい照準を合わせるなんてもってのほか,ただ逃げ回るだけになってしまうだろう。特に多数のモンスターが近づいてくるにつれてだんだんと焦りはじめ,弾を込めるのももどかしくなる。しかも近づくにつれてモンスターの叫び声が大きくなるので,体が移動したいと思った方向にひとりでに動き,そして眉間に皺を寄せている自分に気づくのである。このインパクトは凄いといわざるを得ないだろう。
 これに対して,インドアでの戦いは「不意打ち」という緊張感があるものの,モンスターの配置がワンパターンであまり変化がないのが残念なところ。インドアでアーマーや弾薬を補給して,アウトドアで豪快に使いまくるといったのがおおまかなゲームのイメージだ。
 全体的にはとにかく出現モンスター数が多い(というか多すぎる)ので,「いったいいつまで続くんだ」とか「残弾は大丈夫か」など,叫び声を挙げながらプレイするのが"普通"となってしまうのだ。アーケードゲームの"ガントレット"のような感覚といってもいいだろう。
 ゾーンは細かく区切られていて,ゾーンごとにゴール地点が設定されている。ゾーンには隠しエリアが用意されていたり,そのゾーンをクリアしたタイムが表示されたりと,一味違った遊び方をすることもできる。この部分はきわめてDOOMスタイルなシステムを採用している。

お手軽に楽しむには最適の一本

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  SAMのマルチプレイは一般的な対戦モードと,協力してステージを進んでいくモードの2種類が用意されている。対戦モードでは,一つのゾーンを使用してKILL数を争うというものだ。しかし国内では協力モードでプレイしているプレイヤーが比較的多い。最高難度で仲間をサポートし合いながら,激しい戦いを繰り広げていくというのがその人気の一つの要素らしい。途中のステージからスタートして最後のボスまでといったこともできるので,短時間でアツイ戦いを楽しめるのだ。
 ちなみに,これは筆者の環境だけかもしれないが,マルチプレイ時に安定しなかったのが残念なところだ。この原稿を書いている時点で,マルチプレイ時の問題などが解消されるというバージョン1.00Cのパッチがすでにリリースされている。マルチプレイをするならば(というかSAMの醍醐味はマルチプレイにある),ぜひパッチを当てておくのをお勧めする。ちなみにパッチは「ここ」
 SAMは「単純に撃ちまくるだけ」というのが魅力なので,ストーリー性やゲーム性に関してはあまり言及しないほうがいいだろう。武器も豊富に用意されていて,ゲームを進めるにつれて強力な武器を入手できるようになる。すさまじい連射がきくビーム兵器も登場するので,迫りくるモンスターを片っ端から倒していく爽快感はものすごい。普段ストレスをためまくっているサラリーマンや,ゲームが進まなくてイライラしているときのストレス発散にはうってつけといえる。ハードディスクの片隅に入れておいて,時間があるときに気軽に遊ぶこともできる。多数のモンスターに囲まれる状況と,およそ人間のものではない悲鳴による恐怖をぜひとも味わってほしい。

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■発売元:ピーアンドエー
■価格: 5800円
■問い合わせ先:ピーアンドエー
  TEL 042-525-9503
■動作環境:Windows 9x/ME/2000,Pentium II/300MHz以上(PentiumIII/550MHz以上推奨),メモリ96MB以上(128MB以上推奨),空きHDD容量600MB以上
■英語版デモ(71.83MB):http://www.4gamer.net/patch/demo/SeriousSamPublicTest2.exe

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