J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!

Text by 川村ハルト
20th Jul. 2002

最高のサッカークラブ育成・経営シミュレーションがPCに登場

選手たちが動く動く! 初めて見る者には感動すら与えるアクティブな試合シーン

 サターンやドリームキャスト,さらにはプレイステーション2で累計200万本の大ヒットを記録。絶大な人気を誇るサッカークラブ経営・育成シミュレーションゲーム,「J.LEAGUEプロサッカークラブをつくろう!」,通称「サカつく」のWindows版が登場したのは記憶に新しいところ。
 ワールドカップの興奮冷めやまぬいま,サッカーをゲームで体験したい! でも指先は不器用でアクションゲームは苦手。おまけに選手の知識も全然ないし……。という人にとって,「サカつく」こそまさしく最高のゲーム。なんせ指先の器用さも運動神経もまったく必要なく,サッカーがもたらす興奮と感動は120%味わうことができる。そして知識ゼロの状態から,いっぱしのサッカー通にまで成長させてくれる。そんな,とことん都合のいいゲームなのである

 PC版「サカつく」は,ドリームキャスト版「サカつく特大号2」のシステムがベースとなっている。でもこれだと最新のプレイステーション2版「サカつく2002」経験者には,どうしても旧作のイメージがつきまとってしまうかもしれない。そのうち慣れるだろうと思ってプレイを続けてみたものの,細かい部分で最新システムが恋しくなってしまう。フィジカルの練習はまとめられたほうが助かるなぁとか。OMFとDMF,CDFとSDFは色分けしてあると便利だなぁ,などなど。
 ただ,もともと発売当初からほとんど大幅なシステム改正を必要としてこなかった作品である。「サカつく2002」も基本的なゲームシステムは同じなので,"ゲームの面白さ"に差があるわけではない。ましてプレステ2版未経験の人にとっては,まったく気にすることのない問題といえるだろう。とまあ,若干手厳しいことを書いてしまったが,PCならではの魅力も多いので,ここから先は,そうした魅力をクローズアップしながら話を進めていこう。

世界の頂点に立つ選手たち。Jリーグ加盟選手以外はみんな架空選手だが,モデルとなった選手は分かる人には分かるはずだ いきなり日本代表監督になれる! ゲームの制約上,選択できるメンバーは16人までだ ホームタウンは日本国内,どこの町でも選択できる。町はクラブチームと共に発展し,やがてはとんでもない大都市にまで成長することもある J1昇格時に,エディット選手を作成できる。名前,出身,容姿,ポジションや選手としての傾向などを自由に設定できる

PC版ならではの要素!

4年後には,また新たなインターナショナルカップがやってくる。写真はその予選

 なんといってもコンシューマに比べて,PC版での最大のメリットは"高速化"のひと言に尽きるといっていい。とにかく何もかもがスピーディに生まれ変わっているのだ。
 デバイスに関しては,当然ながらマウスのみで全操作が可能になっている。これに加えてキーボードによるショートカットもフォローしており,慣れれば慣れるほど抜群のプレイアビリティを発揮する。もちろんデータの読み込み速度も当然ながら高速だ。とくにセーブ機能が優れており,メモリカードやビジュアルメモリの,あの長〜い読み書き時間がまったくない。セーブが一瞬の出来事だなんて,「サカつく」ユーザーにとって,こんなに嬉しいことはない! ちなみにセーブデータは100個まで保存可能だ(正直100以上ほしいのだが)。おまけに"オートセーブ機能"がターンごとにオートセーブしてくれるため,ゲームを中断したくなったら,ただウィンドウを閉じるだけでもいいのだ。ちなみにセーブデータはメールで転送できるサイズなので,メールでデータをやり取りするだけで対戦することもできる。さらにサカつく公式ページでは,対戦セーブデータのリネームやコンバートを手軽に行なえるツールを公開している。同ページにはアップデータも公開されているので,パッケージを購入したら必ず訪れよう。
 それから,試合シーンの速度を標準・2倍速・3倍速・4倍速に設定できるのも,なかなかに便利だ。試合中継そのものを高速で早回しできるため,選手交代や指示を行ないつつ,試合をあっさり終わらせることが可能だ。とにかくゲームを素早く回転させるうえで,これほど革新的な機能はないだろう。1日で,ゲーム開始からJ1優勝までラクラクこぎつけられるんじゃないかなかろうか。

 高速化以外の面では"フルスクリーンモード"と"ウィンドウモード"を切り替えが出来る点も特筆すべき点だ。ウィンドウモードの場合,アクティブウィンドウ(一番上に表示されている状態)でなくてもゲームを進行させられる(アクティブでないと止まってしまうゲームが多い)。試合中にメールチェックしたり,ブラウザを立ち上げてネット巡回していてもゲームは止まることなく進行するわけだ。ただしこれは当然ながらPCに大きな負担がかかる。強力なマシンユーザー向けとなりそうだ。ちなみにグラフィックスのクオリティ設定も可能で,画像品質を下げればある程度はゲームパフォーマンスを軽くすることもできる。
 サッカーファンにとって気になる選手データについてだが,本作のJ1・J2全選手データは,2002年Jリーグ開幕時(2002年3月)に合わせてあり,最新の選手データが収録されている。しかも,ゲーム開始直後に,いきなり"日本代表監督"就任が可能だ。これはシリーズ中でも異例のことで,もちろん2002年ワールドカップを強く意識したもの。日本代表のメンバー人事権から采配までを自由に振るえる上,ゲーム内でW杯に相当する"インターナショナルカップ"本大会に一次リーグから参戦できる。当然,最初の対戦相手はベルギー代表,ロシア代表,チュニジア代表だ。まさに"2002年ワールドカップ仕様"の「サカつく」に仕上がっているのである。

 以上の機能から,とにかくPC版は従来とは比べ物にならないほどプレイ内容を圧縮できる。新しいデータ,W杯を意識した作りであるといったように,最近サッカーファンになった人や,「サカつく」は面白いけどプレイ時間が足りない! という人には,まさに理想的。1日でがっちりゲーム数をこなして,サッカーを満喫しよう。

監督とスカウトも,選手と同様に契約する。監督の能力は選手たちの育成の伸び具合などに大きく影響する 育成はチーム全体に指示を出してもいいし,個人別に指示を出してもいい サポーターの存在も忘れてはいけない。チームを支えてくれるのは,まさしくサポーターなのだ スポンサーは,1年の予算を確保するうえで欠かせない。チームが実績を重ねるほど,莫大なスポンサー料を獲得できるようになる

「サカつく」をまだ知らない人のための"サカつく講座"

「サカつく」のヒロイン的存在ともいえる秘書たち。サポート兼目の保養だけではなく,おねだりや秘書交代など,意外なイベントを発生させることもある

 「サカつく」は,プロサッカークラブのオーナーとなり,Jリーグに参戦するというもの。日本国内の都道府県市区,好きな地域をホームタウンに選択することができる。プレイヤーが行なうべきことは,チームの育成とクラブの経営だ。
 基本的には1か月に8ターンが与えられ,この中で練習や人事などの各種コマンドを実行していく。グラウンドでチームに練習指示を与え,試合で賞金や観戦料を獲得,有望な国内・海外選手をスカウト,実績を作って大企業をスポンサーにし,施設やスタジアムなどを改築,街に投資してホームタウンを大都市に……。といった具合に,資金運営とチーム増強を目まぐるしく行ない,世界最強のチームを目指すのだ。

 「サカつく」では,J1・J2に登録している実在の全Jリーグ選手が,実名&実写で登場。さらに未知なる実力を秘めた国内の架空選手たち,世界各国の名門クラブチームの選手たち(さすがに実名ではないがモデルは分かるはず)など数千人もの選手データが,「サカつく」には収録されている。そしてすべての選手が,プレイヤーのチームに加わるか,あるいは敵チームの選手としてゲームに登場しうるのだ。まあ,使いどころの難しい選手も大勢いるが,中には極めて素晴らしい能力を持ったグレートプレイヤー144名と,さらにその上をゆく,世界の頂点に立つファンタスティックプレイヤー75名が存在する。もちろんこういった選手たちは,まず滅多にお目にかかることはないだろう。ちなみにファンタスティックプレイヤーとして,ベッカムやデル・ピエロがモデルとなっている選手なども存在するようだ。

 試合としては国内においてはメインのリーグ戦と,ナビスコ杯にあたる"Jリーグカップ",天皇杯にあたる"ニューイヤーカップ"の3大会が中心。国際大会ではワールドカップに相当する"インターナショナルカップ",オリンピックに相当する"世界スポーツ大会"の2大会を筆頭に,大小さまざまな大会や試合が待ち受けている。
 ゲームはJ2リーグに加入するところから始まるため,まずはJ2優勝とJ1リーグへの昇格,そしてJ1リーグ総合優勝を狙うのが目的だ。こうして日本一になると,ゲームはエンディングを迎える。とはいってもJ1総合優勝という目的は,初心者でも10年前後,慣れた人なら4〜5年もあれば達成してしまう"最初の到達点"にすぎない。エンディング後は再び続きに戻り,以後ゲームオーバーにでもならない限り,ゲームは何十年でも何百年でも永遠に続けることができる。果てしなきワールドサッカーの道は,日本一など単なる通過点でしかないのだ

無人島で一生を費やしてみたいゲーム

 個人的には,無人島に1本だけ持っていけるとしたら持っていきたいゲームこそ「サカつく」。これこそまさに最高のゲームである。Jリーグにもサッカーにもまったく興味がなくてもかまわない! とにかく触れる機会さえあれば,騙されたと思って一度始めてほしい。自分の地元のチームが,日本の強豪プロチーム,さらには世界に君臨する名門チームと競り合う手ごたえと興奮。そしてあまりにも果てしなく,頂点を極め尽くすのは途方もないことに思えてくる奥の深さ。それでいて,決して複雑怪奇ではなく,どちらかというとシンプルとさえいえる洗練されたゲームシステム。手元にあってさえどこか手の届かない羨望を抱いてしまう,夢のゴージャスゲームなのだ
 こんな最高のサッカーゲームなのに,舞台がJリーグであるがゆえに海外に堂々と広められないのが,もう本当に残念でならない。

全選手に事細かな能力値が設定されている。ヘディングがうまい,足が速い,人脈が豊富なと個性もいろいろ 個人技でいく南米スタイル,組織的な欧州スタイル……。チームは自分の好きなようにデザインしていい クラブチーム発足時に与えられる初期選手たち。つい愛着が湧いてしまいがちだが,これがまた全然使えない選手が揃っている
J1・J2登録選手は,全員実名&実写でゲームに登場する。もちろん自分のチームに引き抜いちゃうことも可能だ 自分のチームが実在のJリーグチームと戦う興奮! 最初のうちは胃がよじれるほど勝てなかくて大変だ 日本代表の勇姿! しかし本編ではベルギーもロシアもなかなかの強敵で,一次リーグの突破はなかなか困難だ
世界の名門クラブへ選手を留学させ,潜在能力を引き出そう。先方から留学のお誘いがくることもある オフィスでぼんやり秘書の仕事っぷりを眺めていると,たまに面白い仕草を見せてくれることも 「特大号2」がベースとなっているので,当然サテライトとユースも存在する

 

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■発売元:セガ
■価格:7800円
■動作環境:動作環境:Windows 9x/Me/2000/XP,PentiumII/400MHz以上(PentiumIII/600MHz以上推奨),メモリ64MB以上(128MB以上推奨),空きHDD容量800MB以上

Original Game c SEGA
c SEGA / Smilebit, 2002