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プロラリー2001 日本語版(β)
Text by UHAUHA
4th Apr.2001

※本記事は,英語製品版を元に書かれています。日本語版に関しては,「こちら」も参考にしてください
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スクールでのメニュー画面。全てクリアしておかないとチャンピオンシップがプレイできない。なんとしてもクリアを目指すべし

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アーケードは4種類の路面に分けられ,路面ごとに左から右に行くに従って難度(タイム制限)が高くなる

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チャンピオンシップのメニュー画面。今までの順位やポイント数を見ることができる。各国2コースと,ほかのソフトに比べてコースも少ない

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マシンメニュー画面。セッティング項目は,サスペンション、ギア、タイヤを選ぶだけ……細かい調整ができないのが残念

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マシンダメージも再現されている。当然時間内に修理しなければならないので,大きなダメージを受けている部分(数値の大きいもの)だけ修理することも必要だ

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スクールで走り終わった後の評価画面

ゲーム内で使用できるマシン
    ■KIT CAR(FF)
  • Citroen Xsara KC
  • Citroen Saxo KC
  • Renault Megane KC
  • Peugeot 36 Maxi
  • Peugeot 106 Maxi
    ■WRC(4WD)
  • Peugeot 206 WRC
  • Toyota Corolla WRC
  • Toyora Celica WRC
    ■LEGEND(4WD)
  • Peugeot 205 T16
  • Audi Quattro S1
  • Audi Quattro A2
 ここのところラリーゲームに非常に(異様に?)力を入れている感のあるイマジニア。目新しいところではMobil1 Rally CHAMPIONSHIPコーリン・マクレー ラリー2など,発売前から注目度の高いソフトを発売してきた。まさに全てのラリーゲームの国内代理店契約を得そうな勢いだが,そのイマジニアから新たに登場するラリーゲームが「プロラリー2001 日本語版」(以下ProRally)だ。
 ドライブソフトの中でも1,2位を争うほど人気のある"ラリー"だけに(そのぶんウルサイ人も多いが :p)期待している人も多いと思う。しかし,情報収集に余念のないここの読者なら,すでに「曲者」として報じられているのはご承知のとおり。一体,どんなソフトなのか見ていこう。

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まずはサックリと概要を
 ゲームモードは,スクール,タイムアタック,アーケード,チャンピオンシップの4種類。スクールでは10種類の規定のコースを走り,そのタイムと,マシンに与えたダメージで採点される。一定基準の走りができなければ良い採点は得られないわけだ。順番にクリアしていき,全てクリアすれば,後述するチャンピオンシップをプレイできるようになる。とはいうものの,このスクールが意外に難しく簡単にはクリアできない。まずここで詰まる人も多いかも。  タイムアタックではコースを選択して走ることができ,アーケードやチャンピオンシップでのコース研究に役に立つ。保存してあるゴーストを読み込んで一緒に走ることができるのは嬉しいところだ。
 アーケードは10台のライバルを相手に,制限時間内にゴールを目指す。ライバルを抜くごとに制限時間がプラスされるのだが,コースが路面(ターマック,グラベル,サンド,スノー)それぞれに6コースづつあり,徐々に時間的な難易度が上がっていく。ライバルの車には当たり判定がないので,気にせず通過することができるが,前を走ってると気になるので,それが原因のコースアウトなどには気を付けたいところだ。
 そしてチャンピオンシップは各国を転戦し総合優勝を目指すというもの。マシンによってクラス分けされているが(KIT CAR,WRC,LEGEND),総合ポイントでトップにならなければ次のクラスをプレイすることはできない。あまり無理をしてクラッシュや崖下に転落してしまうとタイムに影響するばかりか,マシンにも大きなダメージを与えることになってしまう。いままでのゲーム以上に速く正確に走る腕が必要だ。コースアウトしたときにコース復帰に時間がかかる場合や脱出不可能な場合には,10秒のペナルティを受けることになるが,コース復帰機能を使うことをお勧めする。
 マルチプレイも,画面2分割のほかにTCP/IP,IPX,MODEM,シリアルなどがサポートされているので,さまざまな方法で楽しむことが可能だ。マルチプレイが存分に楽しめるかどうかが購入ポイントになる得るジャンルだけに,これは嬉しいところでもある。

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アーケード性の強さがカギ
 ゲーム内容だが。
 ProRallyの最大の特徴は,恐ろしくなるようなスピード感を再現しているところだろうか。どのコースも走行路面が非常に狭くなっていることもあるが,直線でもアクセルを戻してしまうくらいの恐怖感がある。コンビニで売っているようなラリーの車載ビデオを見た人なら分かる恐怖感だ。この恐怖感は,"コーリン2"や"Vラリー"などのほかのソフトでは滅多にお目にかかれないもの。
 また,同じく滅多にお目にかかれないものとして「転落」という概念もある。海岸沿いのコースでは道路脇の縁石に切れ目があり,そこから飛び出せば海に転落してしまう。ほかにもコース脇が凄く高い崖だったり湖だったりと,コースアウトすれば悲惨な結果が待っていることは自明の理。
 これだけは,ほかのラリーソフトでは味わうことの出来ない緊張感だ。瞬きするのも怖いくらいで,途中で目が乾いて涙目になることも……。スピードの恐怖と戦いながらマシンをコントロールし,いかに速く走るかというラリードライバの凄さが味わえることだろう。特にバンパー視点では,スピード感を出し過ぎな気すらする。

 少し残念な点として全体的にゲーム性を重視している作りのせいか,マシン挙動などのシミュレーション性の部分でリアルさを感じられなかった点が挙げられる。マシンごとに若干の特性の違いは感じられるものの,どのマシンも路面に設置しているという感じではなく,どちらかといえばアーケードゲームに近いスルスルとした動きをする。
 ドリフトにしてもそう。ラリー=ドリフトというイメージが強いが,ドリフトを維持したままコーナーを立ち上がるというイメージは薄い。コーナー手前ではきっちりブレーキングして,若干のカウンターを当てて立ち上がるというイメージだ。
 そこに付け加えて,セッティングという項目がほとんど省かれているのも,シミュレーション性の強いほうが好みの筆者から見るとやや痛い。選べるのはサスペンションの固さ(3種),ギア(2種),タイヤ(4種)のみとなっており,細かい設定をすることができない。このあたりからも,"シミュレーション性追求ではない"ということが判断できるだろう。
 裏を返せば,非常にスリリングなアーケードゲームとして結構面白い。「シミュレーションの高さがナンボのもんか知らないけど,面倒なことは嫌いだ」というアーケード嗜好の人にはお勧めしておこう。確かにGrand Prix LegendとかGrand Prix3とか,シミュレーション性の高いモノはプレイに気合が必要で,お気楽に遊べないのは事実。「あんまりセッティング項目がない=気軽に遊べる」というのは正しいだろう。しかしイコール"簡単"でないのが,このProRallyのワナなのだが……。

難度の高さは半端じゃない!
 何度でも言おう。このProRallyは,難度が非常に高い。アーケードとチャンピオンシップでさえ,腕に自信のあるプレイヤーでも簡単にクリアすることはできないだろう。しかし難易度が高いゆえの楽しさ,達成感があり,何度もプレイしてしまう魅力があるといえる。
 ProRallyを制するポイントは,迫り来る緊張感に耐え抜き,その中で集中してミスなく走れるかということだ。このあたりに面白味を感じられる人にはお勧めできるソフトだといえるだろう。
 数あるラリーゲームの中でも異色とも感じとれるProRally。文面で伝えるのが非常に難しいソフトでもあり,ほかのソフト以上にプレイヤーの受け取りかたがさまざまだと思う。難しいと感じるか,面白いと感じるか,ダメゲーだと感じるか……デモ版が用意されているので,ぜひ一度試してみてほしい。この強烈なスピード感は,病みつきになるかもしれない。
 最後に一つだけ言わせてほしい。この少ない車種はなんとかならないものだろうか。Subaruは? Mitsubishiは? Fordは? Lanciaは? Fiatは? メジャーどころも結構抜けてるし,LEGENDという割には"LEGEND"なクルマがほとんど入ってないし……。HyundaiとかSkodaを全部入れろとワガママを言うつもりはないが,あまりにも車種が少ないのが残念だ。アドオンとか出てくれることを望む。

 なお今回は,日本語β版が間に合わなかったため,英語版でのレビューになってしまったことをご了承いただきたい。

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■発売元:イマジニア
■価格:8800円(4月27日発売予定)
■問い合わせ先:イマジニア TEL 03-3343-8900
■動作環境:Windows 9x/Me/2000,PentiumII/266MHz以上(PentiumIII/Athlon以上推奨),メモリ64MB以上(128MB以上推奨),空きHDD容量500MB以上,ネットワーク対戦は最大99人まで
■英語版デモ(32MB):http://www.3dfiles.com/games/prorally2001.shtml

Made under license from Toyota Motorsports GmbH. C Ubi Soft Entertainment. Ditributed by Imagineer Co., Ltd. under license by Ubi Soft Entertainment S.A.