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ミストIII エグザイル 完全日本語版
Text by Seal
18th Jun.2001
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  今から約7年前の'94年2月に発売された「ミスト」は,当時としては驚異的なグラフィックスとサウンドエフェクト,さらには,それまでの"アドベンチャーゲーム"というものを根底から覆すようなゲームシステムが特徴的な名作だった。コンシューマなどにも幅広く移植されたので,プレイしたことがある人も多いことだろう。
 ……その後数年の間,"リブン"を除いては新作が発表されることはなかったが,今回ついに登場するのが,メディアクエストから発売される「ミストIII エグザイル完全日本語版」(以下,ミストIII エグザイル)である。
 ミストのゲームシステムは,古き良きテキストベースのアドベンチャーゲームと異なり,画面や音から得る情報によって進めていくタイプだ。このシステムでゲームを進めていくためには"直感"や"ひらめき"が重要で,ある種難解なイメージが持たれ続けていた。それにも増して,"リブン"などでは,謎をクリアするべく移動するエリアが非常に広範囲に渡っており,それだけでゲッソリして途中で投げ出してしまう人も多かった。
 やや難解だった1作め。そして異様に難解だった"リブン"。どちらかでもプレイしていると「あぁまたあの謎解きか……」と思う人もいるだろうが,今作は違う。ミストIIIエグザイルでは,この謎に関する部分に"直感"が働きやすいような仕掛けが施されているのだ。  このシリーズの最もハマる部分 は「パズル」なのだが,一つキーとなる大きなパズルの前に,同じ仕組みでクリアできる"予備パズル"を用意することで,ゲームに行き詰まるということを少なくさせているのが今作の特徴。謎を比較的簡単にすることで,ゲーム展開をテンポよくさせているという,うれしい工夫なのだ。解けない謎にかかりっきりになって,ストーリーがおろそかにならないような工夫がなされているというわけである。

引きずり込まれる美麗なグラフィックスを見よ!

クリックすると拡大します  ミストIII エグザイルの特徴の一つは,言わずもがなの「美麗なグラフィックス」となるのだが,それが単なる1枚絵ではないのが素晴らしいところ。アドベンチャーゲームの一般的なスタイルは,1枚絵で紙芝居のように場面が展開するというものだが,本作ではなんと,360度すべてを見渡すことができるのである。
 しかもそのパノラマ風景が単なる静止画ではなく,鳥が飛んでいたり,水が流れていたり,木々が風によってなびいていたり,人間が動いてしゃべっていたりするさまは,必見ともいえる。動くべきものは動いているというこのリアルさは,いままでのアドベンチャーゲームと明らかに一線を画する特徴の一つなのである。
 イメージとしては,"トゥームレイダー"や"アンリアル"などが驚異的なグラフィックスで展開されるというのがピッタリかも(まぁそれらのFPSのような"自由自在移動モード"は持っていないのだが)。しかも,マウスの移動とともにリアルタイムで360度見渡せることは,"臨場感"(アドベンチャーゲームに対しての表現としてあまりふさわしくないかもしれないが)の増加にもおおいに貢献している。上を見て,下を見て,周りを見回して……今までのアドベンチャーでは決して成しえなかったそのシステムは,一気にプレイヤーを"エグザイルワールド"へと引きずり込んでくれるだろう。画面写真だけではそれを伝えることができないのが,非常に残念だ。

 前述したが,ミストIII エグザイルでの移動は,あらかじめ決められている地点を飛び飛びで進むという感じとなっている。リアルミストのような……というかQuake系のような移動とは違う。そのすべての地点で"ぐるりと"周囲を見渡して,気になるポイントを探していくというのがゲームの流れだ。
 プレイしていて思ったのだが,このシステムは初めての土地を訪れたときの行動によく似ている。ちょっと歩いては周りを見回し,"あれっ?"と思ってはそちらにフラフラと向かい……。基本的には既存のアドベンチャーと同じようなシステムなのだが,"360度見渡せる"ことがこれほどまでにスゴイ効果を生むとは思ってもみなかった。
 また,シリーズお約束のサウンドに関してもこだわりが感じられる。音が鳴っている場面ではプレイヤーとの相対位置が計算され,右にあるときは右から,左にあるときは左からと,しっかりと聞こえてくるのだ。波が押し寄せる海岸でボーッと画面を見つめていると,環境ソフトのような効果まで生まれてきそうだ。

特徴的な時代を行き来しながら謎をクリア

クリックすると拡大します  ミストの世界で架空の世界を記述すると,"接続書"を使ってその世界に実際に行ける技術がある。もちろん今作でも,特徴的な「時代」が5つ登場する。接続書を使って時代を行き来しながら謎をクリアしていくのは,今までのミストシリーズを踏襲しているわけだが,本作ではその自由度が増しているという点が異なる。
 以前のシリーズ作品では,複数の謎を平行して進めていくことはあまりなく,またその謎をクリアしなければ後戻りができなかった。いわゆる"フラグ立て&Go"だったわけだ。本作では,もしある謎に行き詰まってしまったら,違う謎を進めておくといったことが可能なのだ。フレキシブルに進めていけるこのシステムは,プレイヤーにとって非常にうれしい要素となるだろう。"謎で詰まって進まない"ことが当たり前のアドベンチャーゲームの世界で,かなり革新的なことかもしれない。
 また各時代にはそれぞれを象徴する「言葉」があり,それを表現したような幻想的な空間が形成されている。用意されている謎もその空間に大きく関わってくるようなものが多い。例えば自然がテーマとなっている時代では,植物の反応をうまく利用した謎が,蒸気文明がテーマとなっている時代では,蒸気を送るためのパイプの接続に関しての謎が用意されており……といった感じだ。
 また,今作でシリーズ一連のストーリーが一段落するのも隠れた魅力。"ミスト"や"リブン"をプレイしているならば,ぜひプレイしてその後のストーリーがどのようになっているかを楽しんでもらいたい。

完全日本語版でエグザイルを堪能しよう

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  さてこのメディアクエストの完全日本語版。最新パッチ(Ver1.2)が当てられた状態となっているだけでなく,言語のローカライズレベルが自由に変更できるようになっている。まぁ実は,ミストシリーズの常として人物があまり登場しないのだが,音声と字幕をそれぞれ日本語と英語に随時切り替えられるようになっているのはいい雰囲気だ。重要な資料の一つの「本」を日本語表示で参照できるのがありがたいこともあるが,英語版でプレイして"オリジナルの雰囲気"を堪能できるのも非常に嬉しいところだろう。また,ゲーム中にHDDの読み込みをプレイヤーに意識させないテクニックも素晴らしい。CD-ROM4枚組というボリュームとなっているが,ぜひフルインストールしてプレイしてほしい。挙動の違いは歴然だ。

 単にエンディングを目指すだけでなく,風景を楽しむというプレイスタイルも可能な,このミストIII エグザイル。解き急ぐようなことはせず,幻想的な世界を堪能しながら,荘厳な雰囲気のエンディングを迎えてほしい。

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■発売元:メディアクエスト
■価格:9800円
■問い合わせ先:メディアクエスト TEL 03-5805-3629
■動作環境:Windows 9x/Me,PentiumII/233MHz以上(PentiumII/450MHz以上推奨),メモリ64MB以上,空きHDD容量200MB以上,DirectX 7以上,Mac8.1以上,G3 233MHz以上,メモリ64MB以上

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