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メック・コマンダー ゴールド:デスパレイトメジャーズ完全日本語版
Text by 中島 渉
/Vmag.2000年6/15号

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  ボードゲーム,小説,PCと,さまざまなジャンルで展開されているバトルテックワールド。その原点ともいえるボードゲーム版バトルテックを,PC上で再現したのがメック・コマンダーシリーズである。シビアな戦略が必要とされるボードゲーム版の楽しさを,十分に味わうことができるのが特徴だ。

メックのカスタマイズが面白い
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  バトルテックは,今から約1000年後の世界をモチーフとしたSF世界を描いている。そこでは20m弱の2足歩行兵器「メック」が,局地戦のメインとして活躍しているのだ。バトルテックワールドに登場するメックにはさまざまなバリエーションがあり,それぞれ特徴も異なる。ウエポンについても,レーザー兵器,ミサイル兵器などが豊富に用意されていて,これらを使ったメックのカスタマイズが面白い部分。同じバトルテックの世界を3Dシューティングゲームというジャンルで描いた「メックウォーリアー」でも,カスタマイズの魅力が十分に発揮されているのだが。
 そんなバトルテックワールドをリアルタイムシミュレーションにしたのが,「メック・コマンダー」シリーズだ。プレイヤーはミッションリーダーとして,メックを操る兵士たちを指揮していく。ゲームはリアルタイムに進行するので,一瞬の判断ミスが部隊の壊滅に直結してしまうこともある。いつどこから敵が襲ってくるかわからない戦場の緊張感をひしひしと感じ取れる部分が,メック・コマンダーの魅力といえるだろう。
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  またメック・コマンダーは,単なる戦略シミュレーションでは収まらない部分を持っている。それは,メックのアーマーが頭部,腕部,脚部など細かく分けられていて,それぞれに防御値が設定されているという点だ。被弾した部分のアーマー値は減少していき,値以上の攻撃を受けるとその部分は損失することになる。どこのポイントに被弾するかは,メックの向いている方向や状態によって変わってくる。たとえば,後方から攻撃を受ければ,アーマーの薄い背中に,歩兵からのミサイル攻撃は脚部に被弾するのである。これによって,単純にユニットを動かすだけのシミュレーションから,随時,的確に指示を出していかなければならないものへと進化したのである。

前作のキャンペーンもプレイできる
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  さて,今回紹介する「メック・コマンダー ゴールド:デスパレイトメジャーズ」(以下MCG)は,メック・コマンダーシリーズの2作めにあたる。前作からの変更点は,使用できるメックや装備の拡充,ミッションの追加が主なところだ。
 従来でも18機種と豊富に用意されていたメックは,さらに6機種が追加されて24機種になった。これは単なる追加ではなく,移動速度が速いものや重量級で耐久力のあるものなど,戦略的バリエーションを広げるためのポイントに見事にハマっているのが素晴らしい。また,武装についても新たに10種が使えるようになったので,メックのカスタマイズではさらに悩むことになるだろう。
 シングルプレイは,キャンペーンという一連のストーリーを順次進めていく。MCGでは,惑星サーマックでの12からなるキャンペーンに加え,前作の惑星ポート・アーサーを舞台にした30ミッションもプレイすることができる。
 そのキャンペーンでは,リソースポイントと呼ばれるものを使って,メックやウエポンの購入,兵士の雇用,メックの修理などを行っていく。リソースポイントはミッションの達成度によって獲得する量が増減するので,適当なプレイをしているとすぐにリソースポイントが尽きてしまうだろう。部隊を強化するために新型メックを購入したり,新しい武器に換装したりとミッションリーダーのすべき事は多い。リソースポイントをコツコツとためて一気に重量級メックを購入したり,部隊全体を徐々にパワーアップしたりと,幅のあるプレイができるのが,メック・コマンダーを面白くしている要因の一つなのだ。

難解なミッションも日本語で楽々
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  6人までの対戦のサポートだけでなく,マルチプレイ専用の10ミッションが用意されていたりして,マルチプレイにも力が入れられている。ゲームタイプは,デスマッチとチーム戦の2種類。プレイヤー数に限らず,ゲーム中に存在できるメックが12体までという制限があるのが残念だが,それでもすべてのメックが1画面に収まっているときの迫力には圧倒される。
 MCGは,前作の追加ミッションパックという位置付けよりも,リメイクというイメージが強い。操作性がよくなり,また敵の思考ルーチンも改良されていることに加え,完全日本語版でミッションの説明が日本語吹き替えとなっているのが嬉しい。誰でも楽しく悩めることだろう(笑)。
■発売元:メディアクエスト
■価格:9800円
■問い合わせ先:メディアクエスト
  TEL 03-5805-3629
■動作環境:Windows 95/98,Pentium/166MHz以上,メモリ32MB以上(64MB以上推奨),空きHDD容量200MB以上
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