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キング オブ アーデニア〜魔導王国の夜明〜 完全日本語版(β)
Text by TAITAI
30th Nov.2000

クリックすると拡大します  メディアクエスト「キング オブ アーデニア〜魔導王国の夜明〜 完全日本語版」(以下,アーデニア)は,幻想的なアーデニアという土地を舞台に繰り広げられる,国王達の戦いを題材としているリアルタイムストラテジーゲーム(以下,RTS)だ(洋題はMajesty)。その世界観は,いわゆる洋モノファンタジーを踏襲していて,比較的硬派なものである。さまざまな民族や種族が生活し,荒野には恐ろしい魔物が闊歩する,それが"アーデニア"である。プレイヤーは,そのアーデニアの一地域を治める一人の王となり,王国を繁栄させ,魔物を退治し,時にはほかの王達とお互いの知恵を競い合うことになる。
 画面を見てもらえれえば分かるが,一見するとWarcraft2やAge of Empiresなどといったゲームに近い印象を持ってしまうのではないだろうか。白状すると,筆者も実際にプレイする前にこのゲームに関する予備知識もないときは,また二番煎じのゲームか,と思ってしまった。しかし,このアーデニアは,それらのRTSとは決定的に違う特徴とゲームシステムを持った,異質のゲームなのである。

王国の繁栄と国民の成長に焦点を当てたゲーム
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  アーデニアでは,ユニットは一般的なウォーゲームのような「駒」ではなく,王国の一員として扱われている。彼らは"ヒーロー"と呼ばれ,それぞれが独自のAIを持ち,王国内で休息や買い物,そして戦闘をしたり,時には恐怖で逃げ出してしまうなど,勝手に行動しているのだ。
 戦士,魔法使い,エルフ,ノームなどさまざまな職業と種族からなるヒーロー達は,最初はみんな未熟で非常に弱い存在だが,戦闘を何回も経験していく内に成長し,王国を支える大切な人材へと変わっていく。中には,突出した強さを発揮する文字通りの"英雄"も登場する。小型のモンスターにさえ勝てない戦士が,また,なんでもない一撃で死んでしまっていた魔法使いが成長し,見違えるようにたくましくなっていく過程を見守るのは非常に楽しく,ちょっとした愛着さえ持たせてくれる。王国の繁栄は,ヒーロー達の活躍なしにはあり得ないのだ。
 また,誤解がないように補足しておくが,この"成長の要素"は,近年のRTSでよく見られるユニットの経験値ルールとは,全く雰囲気や意味合いが違う。このアーデニアでは,ヒーローの成長というファクターは補助的なルールではなく,システムの中心に位置する重要な部分なのである。断じて「成長させればお得♪」というものではないのだ。

プレイヤーの行うことは……
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  さて,成長に関する要素を力説しておいてなんだが,このゲームではプレイヤーが直接ヒーロー達を操作することはできない。当然「プレイヤーは一体何するの?」となるわけだが,国王としていろんな施設を建設したり,武器やアイテムを開発して,ヒーロー達がより活躍できるような環境を作ったりするほか,攻撃対象となるモンスターや建築物に"懸賞金"をかけることでヒーロー達の行動を誘導していったりもする。高い賞金をかけてヒーロー達のやる気を喚起し,戦場に駆り立てていくわけである。
 ただし,賞金があまり高すぎても国庫に及ぼす影響が大きいし,低すぎると今度はヒーロー達は興味を示してくれない。なるべく低い,しかしヒーロー達が納得する金額を提示するのが重要だ。また,魔法でモンスターを攻撃したりしてヒーローの活動のサポートをするのも重要な役目。魔法の使用コストは非常に高いのでそう頻繁に使えるものではないが,威力や効果を考えると十分お得。

 シナリオも,簡単なものから始まって順を追って難しくなっていく。戦闘ばかりが主体ではないストラテジーで遊びたいが,箱庭系のような細々としたゲームは苦手だというプレイヤーにはお勧めの良作。
■発売元:メディアクエスト
■価格: 8800円(2000年1月26日発売予定)
■問い合わせ先:メディアクエスト
  TEL 03-5805-3629
■動作環境:Windows 95/98/Me,Pentium/166MHz以上,メモリ32MB以上,空きHDD容量314MB以上
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