マイクロソフト フライト シミュレータ 2002Text by Murayama 最高峰のフライトシム!
フライトモノの定番として不動の地位を確立した「マイクロソフト フライト シミュレータ」シリーズは, 全世界で驚異的なセールスを誇るフライトシムである。2年に一度新作が登場し,そのたびに新機能や新機体データを盛り込んできた。その結果,圧倒的に美しいビジュアルを得て,より膨大なデータ量を収録し,世界一といっても過言ではないフライトシムへと成長したわけである。 というわけでさっそく触れてみたFS2002だが,実によいデキだ。前作と比較して大幅なパワーアップや追加機能が施されており,好感触といえる。実は前作のFS2000がリリースされた当時,要求マシンスペックが非常に高かったにもかかわらず,それほど恩恵が得られなかったことからFS98で満足してしまったユーザーも多かったことだろう。だが今回はそうしたことはなく,要求されるだけの高スペックに値する,本格的なフライトが堪能できる仕上がりを見せている。要するにマシンにお金をつぎ込んだだけ,より大迫力のフライトが楽しめるというわけだ。一応参考までに同じシーンを使って,最高,標準,最低の3段階の画面を掲載するので,プレイ環境によるグラフィックスの違いを感じてもらいたい。
前作を大きく凌ぐスケールで各要素がパワーアップ!■美しいビジュアルで大迫力のフライト!
まずはビジュアル面。画面を見てもらえば一目瞭然だが,その景色の美しいこと! 飛行機のテクスチャなども現実のデザインをうまく再現しているし,波打つ水面,着陸時の砂埃,各ランドマークなど目を楽しませてくれる要素が盛りだくさん。また,自動生成機能による地表オブジェクトの表示などもあるため,実にリアルな景色を堪能できるのだ。 ■新機体で新たなフライトを体験しよう 航空機に関しては,新機体として「ボーイング747-400」「セスナ172SP」「ビーチ クラフト バロン58」「セスナ208グランド キャラバン」「水陸両用フロート付セスナ208キャラバン」の5種が追加になっている。特に注目すべきは水陸両用のキャラバンで,シリーズ初の水上での離着陸が可能な機体。滑走路を使った離着陸と異なり,大自然の中でのそれは非常に新鮮でかなり楽しめた。川や海は滑走路と異なり広いので,着陸は非常に容易。初心者にとってもオススメの機体といえるだろう。 また航空機関連で目立った点としては,新要素の仮想コクピットも面白い。これはコクピットを3Dで再現しているモードで,コクピット内を自由に見回せたり,飛行機の操作を行うと画面上の操縦桿が動くといったバーチャルコクピットのようなもの。人によっては通常のコクピット画面(前方の景色と計器類のみ)で十分だし,このモードはどうやって使うの? 単にアニメーションするコクピット? と疑問に思う人もいることだろう。だが熱烈な航空機ファンになると,このモードはたまらなく嬉しいのだ。
■管制塔との通信が楽しい! また今回の新要素として大きく注目したいのが, ATC(航空交通管制)。プレイヤーは現実のパイロットと同様に無線を使って管制塔と連絡を取り,発着や空域の通過などの許可をとらなければならない。ゲームでは管制塔からの指示は音声で表現され,より臨場感のあるフライトが楽しめるようになっているのだ。さすがにプレイヤー側がしゃべるわけではなく選択肢一覧から選ぶだけなのだが,これだけでも雰囲気はあり,十分に楽しめると思う。しかもATC中のセリフは実際に使われているモノとほぼ同じなので,ある意味"本物"といっても過言ではないだろう。
初心者にも優しい作り
設定のしやすさを追求したメニュー周りは好感触で,フライトの日時,気象,飛行機の種類,出発場所などをひと目で確認し,簡単に設定できるようになっている。初心者であっても深いメニュー構造に入っていくなどの面倒な操作なしに,嵐の中でのフライトや夜間飛行などをお手軽に楽しめるというわけだ。これは少々使い勝手が悪かった前作のメニューを改善した結果であり,見事にユーザーに優しいインタフェースとして仕上がっているといえよう。 FS2002の面白さとは? FS2002には,さまざまな楽しみ方がある。好きな飛行機を操縦することに喜びを覚える人もいるだろうし,シーナリー(景色)を中心に楽しみたい人もいるだろう。筆者はどちらかというと後者のタイプで,各地の風景を堪能することに主眼を置いてプレイしている。知っている土地を眺めて再現性を楽しむのもいいし,知らない土地をフライトして景色を心ゆくまで眺めるのもなかなかオツなものだ。ちなみに個人的に印象的だった景色は,ギザのピラミッド,エッフェル塔&凱旋門,ロスのビル群,グランドキャニオン,ラスベガス,都庁,アルプス山脈など。これらはなかなかに精度も高く,さすが最高峰のフライトシムと納得してしまうデキである。
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