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Frex GP Shift+
Text by UHAUHA
3rd Aug.2001

あの究極のアドオンキット再来

クリックすると拡大します  フレックス・ジャパン・トレーディングから発売されている”Frex GP”は,「ここ」でレビューしているMicrosoft Sidewinder Force Feedback Wheel(以下,FFBW)用のアドオンキットだ。これはFFBWに本物のレース用ステアリングとオリジナルのフットペダルを取り付け,さらにはマニアをうならせるに足る細かい調整が出来てしまうという,ある意味「偉業」を成し遂げたキットだ。それに「Frex GP Shift+」(以下,Shift+)が追加されることとなった。
 Shift+のコンセプトは,FFBWのステアリングの裏に付いているシフトボタンとは別にシーケンシャルシフトとサイドブレーキを別ユニット化して,リアルな操作感をゲームで再現しようというものである。これを取り付けることによって,シフトチェンジがレバーによる上下操作となるのだ。これに加えてラリーでは欠かせないサイドブレーキレバーが用意されているので,ドライブゲームファンにはたまらないものとなるだろう。  このShift+はFFBWのほかにPlayStation2用のロジクールGT Force(GTF,通称青ハン)や,PC用のLogitech WingMan Formula Force GP(GW-74F,通称赤ハン)にも柔軟に対応している。ステアリングに対してShift+の取り付け位置とサイドブレーキの位置が異なる右ハンドル用,左ハンドル用と豊富なラインナップが魅力的だ。

全ての部分に凝った作り込みが見られる

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  Shift+は本体ケース,シフトレバー,サイドブレーキの材質にアルミが使われており,外観的にもサイバーチックなデザインを採用している。チープさもなく,部屋の片隅に置いてあっても恥ずかしくないだろう。
 しっかりと組まれたケースに取り付けられたシフトレバーは確実なシフトチェンジを約束し,ゴムブッシュによってシフトレバー,サイドブレーキは適度なテンションが掛けられている。ケース内の共鳴をも利用したシフトチェンジ時のカチッカチッとした動作音は非常に気持ちよい。サイドブレーキの操作は,実車のように”引く”という感じではなく,ケースに手を置いて4本の指で”上に持ち上げる”という感じで,レバー自体は数ミリ程度の可動範囲となっている。
 Shift+のデスク等への取り付けは,ベースとなる部分をクランプで挟むという多くのステアリングと同様のものが採用されているが,コの字型の4mm厚アルミチャネルと力の入れやすいクランプボルト,そして滑り止めシートによって一度固定してしまうとピクリともしない取り付けが可能だ。このあたりはアルミ部材を多く使い軽量化を図ったことも大きく影響しているのではないだろうか。なお取り付け可能なベースの厚みは最大で約4cmだが,もう少しクランプの長さが欲しかった。

最小限の加工で組み込みが可能

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  最も気になる取り付けは,各ステアリングの専用カプラーを組み込むのみである。この作業ではステアリングを分解することが必須となるので,ステアリングの保証がなくなってしまうことに注意。取り付けは既存のカプラーに割り込ませる形となっているので,配線の切断やはんだ付けなどの細かい作業や専門的な作業は不要なのは嬉しい。唯一,配線の通る部分のステアリングカバーの加工が少し必要となるが,簡単なので慎重に進めてもそれほど時間が掛かる作業ではない。
 Frex GPのマニュアルは,お世辞にもよいとはいえないできだったが,Shift+のマニュアルでは写真入りで詳しく説明されているので,この手の作業に慣れていない人でもこれを参考に無理なく進めていける。ただ一点だけ苦言をいわせてもらうと,写真がモノクロということから配線を固定する部分など細かいところが少々見づらくなってしまっていることだ。ここは簡略化したイラストで表現するのがよかったかも知れない。参考までに筆者の作業時間はFFBWに30分,GTFに20分と合計1時間弱で両方のステアリングを加工をすることができた。
 Shift+のデフォルトのキーアサインは,シフトレバーはFFBW,GTF共に上がLボタン,下がRボタンで,サイドブレーキはFFBWはZボタン,GTFはYボタンである。カプラーで信号分岐したことにより,さまざまなソフトで問題なくキーアサインすることができ,使わない時は取り外しておけるのが便利だ。
 またShift+を直接ステアリングに接続せずに,ステアリング別にボルトオンともいえる専用カプラーを介することで,ステアリングとの接続がコネクタで手軽に行える。これはFFBWとGTFを両方所有している場合でも,専用カプラーさえ用意すれば,どちらにも対応できるということである。ユーザー側の立場に配慮した設計は,大きく評価できる部分だといえよう。

一度使うと手放せないマニアックな逸品

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  やはりShift+の真価は,ラリー物をプレイしているときに発揮されるだろう。というよりも,サイドブレーキが用意されているあたり,「ラリーのゲームで使ってね」といわんばかりではあるが……(笑)
 ほかにもGrand Prix LegendsやNASCARシリーズなど,いわゆるバタフライシフトを使っていないレースカテゴリのゲームも多数リリースされているので,実際の運転席の雰囲気を十二分に楽しむことができる。
 ”一度ステアリングから手を離してからシフトレバーを操作する”という動作が新鮮に感じられ,少なからずステアリング操作に影響が出てしまうのが,臨場感があってよい部分といえるだろう。プレイ環境に臨場感が付加されれば,意気込みが大きく変わってくること間違いなしだ。  さらにFrex GPフルセット(FREX-GP Wheel adapter,FREX-GP Pedal,MOMO F1 12C ステアリングのセット)と組み合わせることによって,「リアルさ」を求める人にとってはこれ以上ない程の環境ができあがる。まさに「究極」のレーシングデバイスだ(そのぶん,かなりの出費となってしまうが)。またペダルキットはGTFに対応可能なので,PlayStation2でもGTFとペダルキット,そしてShift+を追加することによって「究極」に近い環境を手にすることもできる。
 Shift+だけでステアリングが買えてしまうような価格設定となっているが,FFBWとGTFを持っているならば,この心地よく,癖になるシフトフィールを試してみる価値は多いにある。ぜひ揃えておきたい逸品だ。

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■発売元:フレックス・ジャパン・トレーディング
■価格: Microsoft Sidewinder Force Feedback Wheel用(GamePort,USB共通) 12800円 ロジクールGT Force,Logitech WingMan Formula Force GP(GW-74F新赤ハン)用 12800円 Microsoft Sidewinder Force Feedback Wheel,ロジクールGT Force両対応(コード差し替え) 14800円
■問い合わせ先:フレックス・ジャパン・トレーディング TEL 0722-27-6492
■動作環境:Windows 98,要Microsoft SideWinder Force Feedback Wheel(ゲームポート版/USB版。本体を分解する必要があるので注意)

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