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Star Wars:Force Commander
Text by TAITAI
20th Oct.2000

クリックすると拡大します  言わずとしれた人気映画「スター・ウォーズ」を題材にした,作戦級のリアルタイムストラテジーゲーム。とはいうもののこのゲームは,宇宙空間での戦闘ではなく,地上戦を舞台とした内容になっている。映画でいうなら2作め(Episode5だけど)に当たる「スター・ウォーズ:帝国の逆襲」の序盤で展開されたような戦闘(惑星ホスの戦い)がPC上で再現される。帝国軍の装甲歩兵であるストーム・トゥルーパーを始め,スピーダー・バイクやAT-ATといったお馴染みのメカ類が,ところ狭しと暴れ回る。ファンにはそれだけでたまらないのでは。
 ユニットに経験値の概念があるこのゲームでは,原作の雰囲気そのままのキャンペーンモードがなかなか楽しめるものとなっている。コマに過ぎない――しかもゲーム上では使い捨てといってもいい――一兵士に,妙な愛着が湧いてくるからだ。経験値を上げれば攻撃精度や耐久力が上がり,またアップグレードなども行えるようになっている。自分で作り上げた精鋭部隊をスター・デストロイヤーの格納庫で眺めるのは,格別なものがある。


システム面の詰めの甘さが気になる
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  ゲームを始めてまず気になったのは,ゲームシステムの"荒さ"だ。基本システムは,今ではありきたりともいえる同ジャンルのそれをアレンジしたものだが,システムのところどころに古臭さを感じてしまうのだ。最新の人気ゲームが"痒いところにまで手が届く"親切設計,便利機能を充実させてる中,この点は大きなマイナスポイントといえる。レビュー執筆時点ですでに「最新の作品」でなかったことは事実だが,これほどまでにシステム面でのショートがあるとは。
 また,プレイヤーが一通りの操作方向を学ぶための操作解説が,キャンペーン序盤でミッションとして存在するのだが,一回失敗すると最初からやり直しになったりして,練習にしては不親切な点が多かった。


パズル色が強い内容
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  さて,リアルタイムストラテジーといえば,何はなくとも資源と生産。しかしこのForce Commanderは,少し変わった生産システムを採用している。本ゲームには「コマンド・ポイント」(以下CP)という数値があり,これがユニットを補充するための得点――ウォーボードゲームでいうところの補給ポイントとなっているのだ。
 CPは,敵を撃破したり施設を占拠したときに得られる上層部の評価のような位置づけであり,戦果が大きければ大きいほど,より多くのCPを与えられ,大規模な部隊を編成できるようになる。
 しかしその半面,ひとたび部隊を無駄死にさせてしまうとCPを獲得する術を失い,事実上の手詰まり状態になってしまうことも多い。特に序盤で出遅れると,一方的に攻められるだけでゲームが終了してしまいがちだ。ユニットの組み合わせなどを考えて,上手く敵の防御網を"解いていく"ことが最重要になってくる。
 成功が成功を呼び,失敗が失敗を呼ぶルールである。シングルなら面白いが,マルチプレイには不向きのルールだといえるだろう。

 「スター・ウォーズ」の世界観を楽しみたいならばまったくもって問題はないが,マルチプレイを期待しての購入は控えたほうがよい。良くも悪くも,世界観を重視した作りなのだから。
■発売元:エレクトロニック・アーツ・スクウェア
■価格: 6800円
■問い合わせ先:エレクトロニック・アーツ・スクウェア
  TEL 03-5436-6499
■動作環境:Windows 95/98,PentiumII/266MHz以上(PentiumII/350MHz以上推奨),メモリ64MB以上,空きHDD容量640MB以上
■英語版デモ(79MB):http://www.3dfiles.com/games/forcecommander.shtml
■ムービー/MP3 Music:http://www.japan.ea.com/archive/brand/lucas/swfc/download.htm
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