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| 預言者(Prophet)が引き起こす災厄の数々は強力無比! | 現代の兵器が登場する時代に入ると,空軍による強力無比な爆撃が行なえる |
EEには"進化"という要素があることは,先に述べたとおり。つまり,一定の資源を消費することにより,自分の文明を「次の時代へと発展させられる」システムが搭載されているのだ。
EEのタイムスパンは,有史以前から近未来までをカバーしており,登場する時代の数は全部で14(AoEは四つしかなかった)にもなる。むろん,時代の数がただ多ければ良いというわけではない。しかしこのEEという作品に限っては,時代の数の多さを楽しさに変換することに成功しているように思うのだ。
そう思う理由の第一に,「Standard」と「Tournament」という二つのゲームモードが設けられている点が挙げられる。これらは,資源の回収速度や進化するために必要なコストに影響している。Standardモードでは比較的長丁場のゲームになるように,資源の回収速度が遅く,進化に要するコストも高く設定されている。Tournamentモードでは反対に資源の回収が速く,進化に必要な資源も少なくて済むのである。加えてTournamentモードではユニットの生産時間も短く,建物も壊れやすくバランスが変更されているなど,よりスピーディなゲーム展開となるように細かい配慮がなされているという次第だ。
1ゲームにかかるおおよその時間は,Standardモードで1時間〜3時間,Tournamentモードでは20分〜1時間30分程度でまとめられているような印象を受ける。じっくりと腰を据えて楽しみたい人はStandardを,爽快感あふれる素早い展開を希望する人はTournamentを選ぶなど,各プレイヤーの好みに合わせた楽しみ方が可能となっている。このような仕様は,この手のジャンルでは類を見ない代物。手間暇をかけた制作者達の苦労をうかがえるというものだろう。
練り込まれた秀逸なルールの数々
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| Digital Ageから登場するロボットの中には,超技術を駆使したさまざまな現象を引き起こせるユニットも存在する |
EEは,実にユニークかつストレートな方法でこれまでRTSが抱えてきた問題のいくつかを解消している。その中でも大きく目立つルールが"陣地の概念"と"士気"の二つの要素だろう。これは,生産の拠点となる「Capitol」や「Town Center」の周辺がある種の"支配地域のようなもの"となっており,その影響力の範囲内で戦うことによって"士気効果"が付加されるというルールだ。ユニットの士気が高まるとダメージを受ける割合が減少し,戦闘を有利に進められる。つまり,純粋な戦闘に関しては自分の陣地で戦える"守り側が優勢"で,攻めた側が不利な戦いを強いられるというわけだ。簡単な攻撃だけで文明が崩壊してしまい,あっさりゲームが終わるようなことが極めて少なくなるのである。
かといって,単なる"進化競争ゲーム"にはなっていないところがこの作品の凄いところだろう。壮大なゲームスケールを持つEEには,陸・海・空,古代から近未来までのさまざまなユニットが用意されている。それに伴って攻撃のバリエーションも豊富になっていて,長距離射程をもつ砲撃兵器で敵の陣地外から攻撃を仕掛けたり,敵が建設した壁を攻城兵器を使って乗り越えたり,はたまた航空機で敵地を爆撃したりと,さまざまな戦術を試みることができるのである。
進化と戦闘の絶妙な駆け引きを思う存分に楽しめるところが,EEの醍醐味だといえよう。
ユニークな要素もてんこ盛り
歴史を彩った英雄達が登場してくる部分も,EEの大きな特徴だろう。各時代につき二人の"英雄ユニット"が用意されており,一大帝国を築いた「アレクサンダー大王」や,名将として知られる「ハンニバル」「ジュリアス・シーザー」,軍事的天才としてヨーロッパを席巻した「ナポレオン」など,歴史上の人物の数々をユニットとして扱うことができる。圧倒的な戦闘力を誇る英雄ユニットは,高い生産コストと長い作成時間を必要とするが,ユニットに士気上昇や体力回復などの特別な効果をもたらしてくれる。単に世界観的な側面から導入された飾りのようなものではなく,ゲーム中の重要なルールの一つとしてこの要素が取り込まれている点は,「さすが」といわざるを得ない部分である。
また,預言者(Prophet)の存在もユニークな要素だといえる。Prophetは,Temples(寺院)で作成できるユニット。超能力を使い,火山や地震,疫病などさまざまな災厄を引き起こすことができる。うまく使いこなせれば戦局を左右することもあるが,"Templesが建設されている周囲には災厄が発生しない"などの対抗策も設けられており,ゲームバランスへの配慮も万全なものとなっている。
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| Atomic Ageに入ると,強力な機械化ユニットの数々が登場してくる | 陸・海・空に多種多様なユニットが登場する現代戦以降は,ユニットの組み合わせが戦闘を大きく左右することになる | ヘリコプターは高い機動力を誇るユニットだが,純粋な戦力としては使い勝手が悪い |
マルチプレイを盛り上げる"カスタム文明"システム
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| 圧倒的な破壊力を見せる核は,第二次世界大戦から使えるようになる。地上のユニットや施設を一瞬で灰にする恐ろしい兵器だ | 航空機には"燃料"の概念があり,燃料が尽きると航空機は飛行場に戻らなくてはならない。 |
AoEのファンの中には,やはり「マルチプレイが面白いかどうか」が気になる人も多いことだろう。ずばりいってしまうと,EEのマルチプレイは確実に面白い。
その理由には,いままでに説明してきたような細かい配慮も当然含まれるが,"単純に楽しく感じる"ところこそが最も大切な部分なのだ。騎兵隊で一気に敵を突き崩したり,爆撃機で敵陣を壊滅させるときの爽快さや,旧世代の敵の軍隊を最新の兵器で蹴散らす気持ちよさ(?)が,このゲームにはあるのだ。
さらに,多種多様な文明特性を自由に組み合わせて自分独自に作り出せる,「Custom Civs」なるモードが用意されている点も見逃せない部分。これは,100種類以上にもなる"特性"から自分の好きなものを取捨選択していきつつ,思うがままの特性を持ったオリジナル文明を作成できるシステムだ。
騎兵に特化した"超騎兵大国"や空軍に特化した"一大空軍国家",あるいは膨大な資源を集められる"経済大国"など,プレイヤーの趣向と戦略に合わせた文明でマルチプレイが楽しめるのである。進化という要素があり,先の時代へ進むタイミングとそれを巡る攻防が面白いこのゲーム。戦略や進化などを文字通りゼロから組み立てられることによって広がる"面白さの可能性"は,まさに無限大ということができよう。マルチプレイでどんな奇抜な戦法が生み出されるのか,今からワクワクするというものだ。
ただ,無制限に特性を選んでいけるわけではなく,与えられたポイントを使って文明を組み立てていくシステムになっている。有効な特性ほど消費ポイントは高いし,また同じ系統の特性を重ねれば重ねるほどポイントの消費も高くなっていくのだ。つまり,何か一つのユニットを徹底的に強化したような"Rush国家"などは,ほかのすべての要素を切り捨てなければならなくなり,汎用性に欠ける穴だらけの文明になってしまう危険性がある。ここでもゲームバランスへの配慮は忘れていないようだ。
最後に,"筆者はEEというタイトルには微塵も期待をしていなかった"事実を告白しなければならないだろう。多すぎる時代設定や荒唐無稽なユニット達が登場するこの作品は,お世辞にも"絶妙なバランス"とは縁遠いゲームに思えてならなかったからだ。
しかしフタを開けてみればなんとやらで,その完成度たるや,システムの理解が深まるほどに感嘆してしまう見事なものだった。数々の挑戦的な取り組みをしながらも,プレイアビリティを損なわせず,職人技的なゲームバランスを見せるEmpire
Earthは,大作RTSとしての注目されていた期待に見事に応えた作品だといえる。このレビューを読んでいる読者の中に,買おうかどうか悩んでいるという人がいるのなら,ぜひとも背中を押したいというのが,筆者の本音である。
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| 中世の頃になるとユニットの種類は豊富になり,戦いも複雑に | 槍を携えた騎士は,歩兵系ユニットを一気に突き崩す突進力を持つ | 海戦の賑やかさも,エンパイア・アースの大きな特徴の一つだ | 陸戦最強のユニットであるロボット(Mech)は,戦車などの3倍近いHPを誇る |
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■発売元:カプコン (c) 2000-2001 Sierra On-Line, Inc. All Rights Reserved. Sierra, Sierra Studios, the "S" logo and Empire Earth are trademarks of Sierra On-Line, Inc. Age of Empires and Windows are registered trademarks of Microsoft Corporation. The ratings icon is a trademark of the Interactive Digital Software Association. All Rights Reserved. All other trademarks are the properties of their respective owners. |
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