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ディプロマシー完全日本語版
Text by TAITAI
3rd Oct.2000

クリックすると拡大します 交渉手腕が全てを握る傑作ストラテジー
 クラシックボードゲームの傑作「ディプロマシー」のコンピューターゲーム化だ。
 ゲームの舞台は,帝国主義が華やかなりし20世紀初頭のヨーロッパ。プレイヤーはイギリス,フランス,ロシアといった欧州の列強7か国から一つの国を選択し,その国の指導者として他の列強各国とヨーロッパの覇権を巡って争うわけだ。
 ゲームに使用するマップ(ボード)は,欧州の地図をベースに70あまりのエリアに分けられており,その内の35エリアが戦略的なポイントとなる"補給都市"に設定されている。これらの補給都市の過半数を制圧することが基本的なゲームの目的となるのだが,この「ディプロマシー」の特筆すべき点は,ほかの戦略級ゲームに見られるような「乱数」の要素が全くないところである。派手なイベントもなければ,戦闘の解決にサイコロを振るようなこともないのである。あるのは,全てが必然で進むゲームシステムと,その"必然"を左右する人間関係――すなわち交渉だけなのだ。

敵の敵は味方である――外交戦略の妙
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  ディプロマシーの面白さは,まさに交渉そのものなのだが,ゲームシステム上でこの交渉を規制する,あるいは保護するようなルールは設けられていない。このゲームは,ただ"交渉をする題材"を提供しているだけのゲームなのだ。実際に交渉の内容が守られるかどうかは,交渉の上手さとプレイヤーの思惑次第である。
 交渉が題材なのに,そこをルール的に無視しているなんて! と思うかもしれない。しかし,その自由度,何でもありという部分こそが,ディプロマシーが今日まで沢山のゲーマーに愛される要素そのものなのである。
「いつ裏切られるか」という緊張感の中,自分もまた「いつか裏切る」と化かし合いをし,いかに巧妙に自分の優位を保っていくかが,このディプロマシーの面白さだといえるだろう。

PCゲーム化されて
クリックすると拡大します  初心者への門戸を開くべく,チュートリアルやいろいろな難易度設定,ルール設定など,細かいサポートが行き届いている。特に,CPUに相手をさせて「一人でプレイできる」という点はコンピュータゲームならではの要素だろう。
 すると,CPUと交渉をするためのインタフェースが心配になると思うが,これは各種のアイコンを組み合わせることで過不足なく需要を満たすようになっている。ただ,ボタンに対する反応が若干鈍いところもあり,β版とはいえ,仕様上多少残念な点も見受けられた。
 対戦こそが真骨頂のディプロマシーだが,インターネット接続やEメールによる対戦がサポートされているので,友達と対戦なども面白いかもしれない(友人関係を維持する保証はないが)。またマイクロソフトの提供する「msn Gaming Zone」にも対応している。
■発売元:メディアクエスト
■価格: 8800円
■問い合わせ先:メディアクエスト
  TEL 03-5805-3629
■動作環境:Windows 95/98,Pentium/166MHz以上(PentiumII/233MHz以上推奨),メモリ32MB以上(64MB以上推奨),空きHDD容量70MB以上(500MB以上推奨)
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