Back
PLATINUMシリーズ ディノクライシス
Text by 清瀬栄介
/Vmag.2000年6/15号

クリックすると拡大します  '99年7月にプレイステーション(PS)で発売され,全世界250万本のヒットとなった「ディノクライシス」。新エネルギーの開発研究者を捜して軍事施設に潜入したレジーナは,恐竜の巣窟と変わり果てた施設の姿を目の当たりにする……。

PCゲームの標準とのズレ
 '99年のカプコンのヒット作が,1年の間をおかずにPCに移植された。PCの長所を生かし,高解像度と多ポリゴンで遊べようになったわけだ。ただしPCとコンシューマを同時に開発する海外メーカーと違って,日本の多くのソフトは,PSのことだけを考えてテクスチャやSEといった素材を作ることが多い。
 この作品も例外ではなく,SEのS/N比が悪い,テロップが過剰にアンチエイリアシングされている,PSから引き継いだ絵素材と新しく作られた絵素材の質感が合わないなど,チグハグな印象が目立つ。一番気になるのはテクスチャが歪むことで,フラットであるはずの壁がボコボコ波打って見えてしまう。走っているときに周囲の壁がブレたりするのはツラい。海外のPCゲームが普通にできることは,ディノクライシスでもできてほしい。
 その代償として移植のタイムラグが短くて済んでいるのだが,「PCの高スペックで美しく生まれ変わった」とあらば,手を伸ばす人はもっと増えると思うのだが。

コンテンツ内容は文句ナシ
クリックすると拡大します クリックすると拡大します  といっても,これだけ要望を並べられるのも,内容が良ければこそ。原稿を書くのも忘れて楽しめた。
 海外製の多くのPCゲームと比べて際立つのがサービスの良さ。マップには今まで行った場所,これから向かう目的地などがきれいに出るし,ヒントも明確で迷うことがない。次々進んでいくストーリーと,意表をついた演出で飽きずに楽しめる。また,バイオハザードに比べて進化している点も多い。背景が固定でなく,プレイヤーの位置や進路に応じてカメラが移動する。これがプレイヤーを驚かすいろんな演出となっているわけだ。
 PC版ならではのオマケ要素も多い。一つは「OPERATION "WIPEOUT" internet」モード。ストーリーではなくスコアを追求し,インターネットランキングで競えるようになっている。また,ストーリーモードでは海外版バージョンも収録し,隠し要素を最初から使うこともできる。
クリックすると拡大します  海外の一流PCソフトと見た目で比べてしまうとナニだが,コンテンツは間違いなく一流だ。PS版より悪い点はないし,ディノクライスシスを知らなかった人,知っているけど買ってないという人にはお勧めしたいソフトである。
クリックすると拡大します
■発売元:メディアカイト
■価格: 5800円
■問い合わせ先:メディアカイト
  TEL 03-5449-2581
■動作環境:Windows 95/98,Pentium/200MHz以上(PentiumII以上推奨),メモリ32MB(64MB以上推奨)
■英語版デモ(48.2MB):http://www.3dfiles.com/games/dinocrisis.shtml
CAPCOM CO.,LTD.1999.2000 ALL RIGHTS RESERVED.