"育てる"要素がかなりハマる
　プレイヤーは，一人の英雄として部隊を作り上げ，敵対するほかの種族と戦い，帝国を築いていくのだが，主人公となる英雄は個性溢れる8種類の種族から選択できる（率いることができる軍団の種類は9種類まで選べる）。各陣営の建築物やユニットはそれぞれ一長一短があり，リーダーとなる英雄の能力や特性との組み合わせが，ゲームの展開を有利に運ぶうえで欠かせないところなのだ。
　ほかの同タイプのゲームと比べると，バトルクライの見た目から来る期待感は，正直な話お世辞にも高いものとはいえなかった。呪文80種類以上，気象や時間経過で背景グラフィックスがダイナミックに変化，などのさまざまな特徴を備えてはいるものの，RTSと言うジャンルにはミリオンセラーを誇るビッグゲームが数多く存在し，どう考えてもその影に隠れてしまいそうな印象を受けるのだ。
　しかしこのような全ての印象を覆し，バトルクライは確実に面白いのである。確かに，表面的な部分は数多くある同タイプのゲームとほとんど変わらない。だが，前述の"ロールプレイングゲーム的な要素"が，このバトルクライを決定的に差別化している部分なのである。

この特徴はなかなかお勧め
　では"ロールプレイングゲーム的な要素"とは何か？ パッと連想するのは，ユニットを成長させるシステムの類であろう。しかし，バトルクライの特徴はそんなありきたりなものではないのだ。
　バトルクライにおけるロールプレイングゲーム的な要素とは，主人公である英雄を育てていくことなのだ。英雄を育てていくという意味は，単にゲーム中に登場する英雄ユニットのステータス的な強さを変化させていくだけではない。英雄が「軍団を率いる能力」それ自体を，プレイヤーが自由に伸ばしていくことができるのだ。
　例えば英雄のカリスマ性を高めてやれば，建築物やユニットをいくらか安く手に入れられるようになり，訓練の能力が高ければ，ユニットが生産されたばかりの初期の段階から高い経験値を獲得していたりするなど，自分の陣営全体の特色を自分なりにアレンジして育てていけるのである。
　ほかのゲームを例に挙げて説明するならば，メガヒットシリーズAge Of Empiresの特徴であった「文明特性」にあたるものをプレイヤー自身の手で作り上げていくことができる，そんな一風変わったシステムが，バトルクライの持つ最大のウリ"ロールプレイングゲーム的"なところなのだ。

キャンペーンモードがイチオシ？
　本作にはシングルプレイ専用のキャンペーンモードのほかに，最大6人までの対戦をサポートするマルチプレイモード，そしてマルチプレイ練習用のSkirmishモードがあり，いずれのモードでも育てる要素がしっかりと織り込まれている。
　特にキャンペーンモードの面白さは，ほかのRTSと比べてもかなり高いレベルであり，RTSは嫌いじゃないんだけど対戦は苦手，というプレイヤーには自信を持ってお勧めできる良作である。
　最後に，一部のユーザーは気になるであろう吹き替えについて。バトルクライのそれは，世界観を壊さない十分納得のできるものとなっているので安心してほしい。

■発売元：メディアクエスト ■価格： 8800円 ■問い合わせ先：メディアクエスト 　　TEL 03-5805-3629 ■動作環境：Windows 95/98，PentiumII/300MHz以上，メモリ64MB以上（128MB以上推奨），空きHDD容量600MB以上 ■英語版デモ（89.7MB）：ftp://ftp.ssionline.com/pub/updates/battlecry/WarlordsBattlecryDemo.exe © 2000 Mattel, Inc. and its licensors. C 2000 Strategic Studies Group. All rights reserved. The SSI logo is a registered trademark and 　Mattel Inc. Warlords Battlecry is a trademark of Strategic Studies Group. Mplayer is a registered trademark and the Mplayer logo is a trademark of Mpath Interactive, Inc. All other trademarks are the property of their respective owners.For Sale in Japan Only.