プチコプター with Compact Flight Controller for USB

Text by UHAUHA
4th Jun. 2002

プロポ型ジョイスティックで家の中を飛び回れ!!

 「GIN-YOKU -銀翼-」「エクストリーム エアレーシング」など,フライトシミュレータでも定評のあるアクアシステムが放つ「プチコプター」。卓上ラジコンヘリを使い,さまざまな課題に挑戦する本作は,どちらかといえば「エアフィックス ドッグファイター」のようなシミュレータ+アクションゲームに仕上がっている。実はプチコプターは2001年5月に発売されていて,ソフトやプロポ型ジョイスティックが同梱されたパックを店頭で見かけたことのある人も多いと思う。ゆえに「何を今更……」と思われてしまうかもしれないが,先日新型ラジコンプロポ型ジョイスティック"Compact Flight Controller for USB"(以下,CFC)が発売になり,プチコプターとCFCの同梱パックも発売になった。というわけで,このレビューでは室内を卓上小型ラジコンヘリで飛び回るという,一風変わったアイデア満載のプチコプターと,新型CFCの使用感など紹介していこう。

ちょっとサービスショットで,海上自衛隊の掃海ヘリコプター「MH-53E」。エンジンを三つも積んでいるこの巨体は,プチコプターでも健在だ。この迫力の機体を使うには,チャレンジモードを必死にやるべし チャレンジモードの"ターゲットをすべて破壊して着陸する"という課題。無駄のないヘリコントロール,射撃など,すべてをうまく纏めないとPerfectは取れない 知っている人も多いであろう世界最強の攻撃ヘリ「ボーイングAH-64アパッチ」。こんなヘリコプターを操れるのもプチコプターの魅力だ おまけゲームの"井戸の中"。回転する障害物をかわしながら,天井にあるゴールエリアボックスを目指す。タイミングを間違えば障害物の餌食になる。できるだけ機動性の高いヘリコプターを使おう

熱くなれるミニゲームと家探索モード

世界中で活躍している救助ヘリ「アグスタA-109 K2」。登場ヘリのすべてにいえることだが,特徴を捉えたモデリングが素晴らしい。バックが部屋というのは何とも不思議な感じだが

 プチコプターには,"チャレンジモード"と"アドベンチャーモード"の二つのゲームモードが用意されている。
 チャレンジモードは,決められたヘリコプターを使い,さまざまな課題に挑戦するゲームモードだ。課題はミニゲーム形式になっていて,手軽に楽しむことができ,練習モードといえる。このモードは全部で5レベルに分かれていて,1レベルごとに四つある課題をすべてクリアしなければ,次のレベルに挑戦することはできない。つまり,合計20種類の課題に挑戦することになるわけだ。課題のクリアの判断は点数制になっていて,着地までの時間,着地位置,着地の衝撃で点数が評価され,合計で70点以上でクリアとなる。ちなみに点数により「Good!」(70点以上),「Very Good!」(90点以上),「Perfect!!!」(100点)がある。課題には着地地点に着地するだけ,浮いている風船を割る,ターゲットボックスを破壊するなど,簡単なものから意外なものまで用意され,すべて短時間(数10秒〜3分程度)でプレイできるせいか,「Perfect!!!」が出るまで何度もプレイしてしまうという中毒性もある

 アドベンチャーモードでは,好きなヘリコプターを使い,一軒家のいろいろな部屋の中にある「☆」をすべて(合計100個)集めるのが目的だ。☆は部屋の中に浮いているだけではなく,椅子とテーブルの隙間,壁際,コップとコップの間など,かなり意地の悪いところにも配置されている。また,隠されているものも多数あり,ステレオの電源を入れる,パソコンの電源を入れる,エアコンを作動させる(風に注意!!)など,アクションボタンを使うことで出現する☆もある。
 最初は「子供部屋A」から始まるが,ある個数の☆を集めると,次の部屋に進めるようになる。そのときの移動もアクションボタンでドアを開けて,廊下を移動するという凝りようだ。当然,2階から1階への移動も,階段を慎重に移動しなくてはならず,廊下や階段など,とくに狭い空間ではヘリコプターをうまくコントロールする必要がある。視点切替などをうまく使って,家の中をじっくり飛び回り,すべての☆を回収してほしい。

 どちらのゲームモードも,進行状況によりおまけゲームやヘリコプターが追加されるので,気合を入れて挑戦したいところだ。

画面から伝わる見事な浮遊感,操作も本物同様だ

 プチコプターの要でもあるラジコンヘリの挙動に関しては,画面上から伝わってくる浮遊感が素晴らしく,あたかも本当にラジコンヘリを操作しているような錯覚に陥る。決して大袈裟にいっているのではなく"マジ"だ(笑)。さすがフライトシミュレータで定評のあるアクアシステム。実際にラジコンヘリを飛ばす者から見ると気になる部分もあるが,挙動などについては十分リアルといってもいい。申し分ないデキだといえるだろう。

 操作は本物同様にエレベータ(機体を前後に傾ける),ラダー(機体を左右に向ける),スロットル(上昇/下降),エルロン(機体を左右に傾ける)を操作して行う。実物のラジコンヘリの経験者でないと想像できない部分でもあるが,ヘリコプター特有のメインローターが回転すると,機体が反対方向に回ろうとする"反動トルク"の再現など,しっかり再現されている。挙動はオプションでEASY,REAL,RCと3種類に変更できるが,EASYでは反動トルクは殆ど(まったく?)なく,比較的簡単にコントロールできるのに対し,REALでは本物のヘリコプターを,RCではラジコンヘリの挙動に近くなり,更に反動トルクの影響も大きくなるので,エルロンやラダーなどを同時に操作して機体バランスを保つ必要がある。また,使用するヘリコプターによって挙動特性の違いも再現されているので,ヘリコプターを選択できるアドベンチャーモードでは,練習面などで自分にあったヘリコプターを見付けておくことも重要だ。

 操作のコツとしては,スティックの扱いは,ゆっくり丁寧に行うこと。パニックになってしまったら,オートホバリング(姿勢安定)機能を使い,体勢を立て直すこと。オートホバリングは狭い隙間などに入っていくときにも役に立つぞ。活用すべし。

階段の上り下りのある場所では,ヘリを見下ろす視点に切り替えるとプレイしやすい。階段や廊下などはかなり狭いので,すべての方向に注意して動くこと リアルに再現された新鋭観測ヘリコプター「川崎OH-1」。整備用パネル,ボルト,フックなど,細かいところまで再現されているところに注目 アドベンチャーモードでは昼間,夕方,夜と時間帯を変更してプレイすることも可能だ。ちなみに場所は台所。☆が隠されていそうなところでは,必ずアクションボタンを押そう 課題は好きな順番でプレイできるが,すべて「Good!」(70点以上)でクリアしなければ,次のレベルをプレイすることはできない。中には,かなり難易度の高い課題もあるので,心して挑戦しよう

プロポ型ジョイスティックは必須だ

アドベンチャーモードで時間帯を夜にした場合,物陰に隠れている☆は光って目立つが,蛍光灯の近くなどでは,眩しさで画面が真っ白になるので注意すること。各オブジェクトの床への映り込みにも注目

 プチコプターはキーボードやジョイスティックでもプレイできるように作られているが,微妙な操作に加え,同時に複数の操作を行う必要があるため,一番操作しやすいのはやはりCFCだった。ラジコンプロポ用の高性能ボリュームを使った左右の4方向スティックで,右スティックではスロットル,エルロン,左スティックではエレベータとラダーを操作する。実際にラジコンヘリやラジコン飛行機で遊んだことがない人は,複雑な操作方法に少々戸惑うかもしれない。しかし少しプレイしてみれば,次第に考えなくても操作できるようになるはずだ。スティックのほかに上部に四つのボタンが付いているが,一番右側のボタンは4方向ハットスイッチも兼ねていて,視点切替などに便利だ。すべての軸にスライダートリムを装備し中心軸のズレの微調整なども可能で,正にPCに接続できる本物のプロポである。なおUSB接続になった新型CFCでは,スティックの反応を「リニア」「非線型」と切り替えることができる。持った感じはちょっと大きくて。慣れるまでは手が痛くなったが(笑),プチコプターをプレイするには,ぜひCFCでプレイしていただきたいところだ。
 ちなみにCFCは,Windows上からは「4軸4ボタンジョイスティック ハットスイッチ付き」と認識されるため,当然,ほかのゲームでも使用が可能だ。ひょっとしたら面白い使い方が出来るかも知れない。

やればやるほど追加ゲームがほしくなるゲーム性

 小型卓上ヘリコプターとはいえ,ラジコンヘリというものを画面上で再現し,特有の浮遊感,操作感が見事に再現されている。シミュレーション性を重視しがちなジャンル(?)だが,あえてゲーム性も重視したことで,誰にでも手軽にプレイでき,さらに操作するラジコンプロポデバイスまで用意してくれたのは非常に嬉しいところ。不満な点があるとすれば,2種類あるゲームモードに,もうちょっとバラエティを持たせてほしかったところか。どうしても何度もプレイしていると単調な展開になってしまうので,チャレンジモードではミニゲームを,アドベンチャーモードでは別の家などをプレイしたくなってしまう。何度もプレイしたくなるゲームだけに,追加マップは強くお願いしたいところだ。 実際に本物のラジコンヘリをやっている人がプレイすると,挙動などに気になる部分があるかもしれないが,ゲームとして楽しみながらラジコンヘリというものをカジれる,そんなプチコプター。一人で楽しむもよし,大勢でワイワイと騒ぎながらやるもよし,ラジコンヘリに興味がある,ないを問わず,いろいろな人にプレイしてもらいたい1本だ。

棚の中や壁際にある☆を回収する場合は,慎重に機体をコントロールしよう。メインローターを破損すると,その部屋はやり直しになってしまう。ちなみにテールローターを破損すると,ラダーが利かなくなる チャレンジモードの"風船を避けてヘリポートに着陸する"という課題。ヘリは「川崎(ボーイング)KV-107バートル」。ほかのヘリに比べて動きが遅いので,着陸までの時間に注意すること。できる限り機首を前に傾け,速度を上げよう 洗面台の中や,コップとコップの間に☆がある場合も。ローターに注意しながら,ゆっくりと下降してゲットすべし。コップなどはアクションボタンを使うと動かせるぞ CFCは,本物のラジコン用プロポの筐体,高性能ボリューム,トリム調整などが使われ,プチコプターをプレイするうえで必要不可欠といってもよいデバイスだ CFC上面には,四つのボタンを装備している。一番右のボタンは4方向ハットスイッチとしても機能する。左右のスティックは6角レンチを用意すれば,長さなどの調整も可能だ

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■発売元:アクアシステム
■価格:1万2800円
■問い合わせ先:アクアシステム TEL 096-379-5418
■動作環境:Windows 98/Me/2000 Celeron 300MHz以上(PentiumIII/500MHz以上推奨),メモリ64MB(128MB以上推奨),空きHDD容量200MB以上
■体験版(9.27MB):http://www.4gamer.net/patch/demo/data/petit.html

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