コマンドス2 #2

Text by Seal
13th Nov.2001

特殊技能を持つコマンドたちを操って使命を果たせ

 本作では,前作に登場した6人のコマンドのほかに新たに二人のニューフェイスが追加され,総勢8人チームとなった。ウィスキーという犬もメンバーの一員(?)として活躍できるのが面白い部分だ
 一つのステージですべてのコマンドが集結することはなく,各ミッションに合わせて適切なコマンドが登場するようになっている。必然的にコマンドが増えれば可能な戦術も多くなるが,やはりそこは特殊部隊。最低可能人数のみでミッションを完遂しなければならないのだ。
 ここでは,それらのコマンドの特徴を紹介しよう。

・ジャック「ブッチャー」オハラ(グリーンベレー)
 コマンドの中でもひときわ巨大な体格で,その怪力を生かした格闘戦を得意としている。木箱を持ち上げて障害物としたりドアを破壊したりと,活躍の場面は少なくない。にもかかわらず,シーフに次いで足が速く,土の中に隠れるといった技能と合わせて,単独行動が可能な使いやすいコマンドとなっている。

・ルネ「フランス野郎」デュシャン(スパイ)
 人まねと語学の天才という特殊な技能を生かした諜報活動が持ち味。敵軍の軍服をきて成りすましてみたり,偽の命令を与えてだまして内部からかく乱させたりすることを得意とする。逆に兵器を扱うことは苦手で,毒薬が注入された注射器でしばらく行動不能にさせることと,一般的なピストルくらいしか扱えない。
 潜入ミッションでは非常に役立つコマンドで,敵を内部からかく乱させていくのが面白いだろう。

・トマス「消防士」ハンコック(工兵)
 武器や爆薬を扱うスペシャリストで,ほとんどのステージに登場するコマンドスの中心的な人物。手榴弾の投擲や時限爆弾のセットだけでなく,火炎放射器や地雷探知機を扱えるのは彼だけだ。ゲーム中盤以降の重要なポイントを力技で抜けたい場面では非常に役立つものの,序盤の敵兵がたくさん配置されている場面ではあまり活躍を期待できないだろう。また,本作で追加された戦車や装甲車を破壊するためには彼を使うのがいい。

・ジェームス「半魚人」ブラックウッド(マリーン)
 水中での工作が必須なミッションを遂行するために訓練されたコマンド。水中銃や潜水用のボンベなどを常に持ち運んでおり,注意があまり向けられない河川などからの侵入を得意としている。コマンド中もっとも早く泳げ,また水中での作業も彼しか行えない
 地上では,鉤爪を使っての登坂や投げナイフを得意とし,サイレントアサシンの名がピッタリのコマンドといえるだろう。

・サミュエル「ブルックリン」(ドライバー)
 あらゆる乗り物の運転とブービートラップを仕掛けるのに精通しているコマンド。常にトラップ用のロープやスコップなどの道具を持ち運んでおり,いつどこにでもトラップを仕掛けられられる。銃器の扱いが苦手ということもなく,通常のマシンガンやライフル,ピストル程度であれば難なく使えるため,いろいろな場面で活躍できるだろう。

・フランシスT.「公爵」ウールリッジ(スナイパー)
 冷静沈着で,コマンドの進攻上障害となる敵の排除を主な任務としているスナイパー。高台から広範囲を受け持ち,潜んでいる敵や見張りをこちらの場所を悟られずに倒していけるが,後始末ができないために敵に察知されてしまうのが難点。しかし,ほかのコマンドが切り抜けられそうもない場所を難なくクリアにできるのは彼だけだ。
 あまり登場しないのが残念なところだが,登場するステージでは一種の安心感があるのが不思議だ。

・ナターシャ「毒婦」ニコチェフスキー
 コマンドス2からチームに加わったメンバー。語学の天才に加えて,魅力的な外見ということをフルに活用して,その場の注目を一身に受けて敵をかく乱することを得意とする女性。武器に関しては,ビンを使って殴りかかり気絶させることくらいしかできない。
 ただしただ一点,彼女は超一流のスナイパーなのである。敵の中を魅力的な外見で通り抜け,安全な位置から目標をスナイプするといった恐ろしい役目を担うこともある。

・ポール「ルパン」トレド(シーフ)
 コマンドス2からチームに加わったもう一人のニューフェイスは,体の小ささを生かした素早い移動が特徴。壁をよじ登って高い位置にある窓から侵入したり,ベッドの下などの狭い空間に身を潜めたり,ほかのコマンドたちには不可能な特殊能力を持ち合わせている。
 また,移動スピードがコマンドの中で最速で,ほふく前進時でさえほかのコマンドの走る速度と同じくらいだ。
 最大の能力は,気付かれずにカギなどの小物を盗み取ること,ピッキングツールを使って簡単なカギを開けてしまうことだ。背後から素早く近づいてくるポールに気付く者は少ないだろう。ちなみに,スパイクという小さなねずみをペットとして飼っている。

・ウィスキー
 ウィスキーもまた,コマンドス2から加わることになる(というよりも本編中に加わる)メンバーで,命令を忠実に実行する賢い犬だ。その外見的特長を生かして,敵兵に怪しまれずに行動できるのが特徴だ。また吠えることによって注意を集めることや,小さなアイテムをほかのコマンドに渡すこと,鋭い嗅覚を生かして地雷を発見することができる。普段はコマンドのリュックの中に入って移動も可能だ。

おまけ要素満載のボーナスステージ

 本編中そこかしこに散らばっているスナップ写真のピースを集めると,ボーナスステージがステージ選択リストに表示されてプレイできるようになる。マップのあちらこちらにある棚や箱には,スナップ写真の切れ端が入っていることがあり,それらを集めて写真を完成させるのだ。ピース数は比較的多めで,ステージごとにばらつきはあるもののおおよそ10枚程度となっている。敵兵が集まっている地点にある小箱に入っていることもあり,すべてのステージでスナップ写真を完成させることはかなりの苦労が伴うだろう。
 ボーナスステージの内容は,レースゲームのような簡単なものから,小マップでミッションを攻略していく本格的なものまでバラエティに富んでいる。本編は10ステージが用意されているので,すべてのステージでスナップ写真を集めれば,同数のボーナスステージが現れることになる。
 ゲームをクリアするとミッションの達成度やマップの完成度といった項目が,5段階で評価される。セーブ/ロードを繰り返して最善の手で進めようとしても,それらの回数で評価が変わってくるのも本作の面白い部分だ。ミスをしないように,素早くミッションを完遂しなければならないのである。
 マルチプレイは,TCP/IPを使用して4人まで対応している。マルチプレイモードでは,プレイヤーがコマンドの一人を担当してそれぞれ移動させていくプレイスタイルとなる。シングルプレイと大きく異なるのは,コマンドたちの間でアイテムの受け渡しをしているときや,倒した敵兵からアイテムを奪っているときにゲームが一時停止状態とならないことだ。これはゲームの展開に大きな影響を与えることになり,現実に近い状況とシビアさを感じられるのだ。
 チャットを行うときも,互いのプレイヤー操るコマンドを近くまで移動させ,さらにチャットウィンドウを開く手順を踏まなくてはならない。敵が占拠する危険なエリアでの耳打ちという状況が目に浮かぶようなシステムで,ゲームの緊張感をいやがおうにも盛り上げてくれるのだ。

 本作の特徴は,文句なしに"敵地での緊張感溢れる状況を表現"していることだ。前作と比較しても操作性面での改善やより高度な戦略が求められる点で,非常に高いレベルで仕上がっているといえるだろう。完全日本語版で,シチュエーションを把握しやすいのもポイントの一つだ。
 クリアにはかなりの時間を要してしまうかもしれないが,プレイ時間を感じさせない面白さが本作にはある。ほかのゲームにはない特殊部隊の緊張感を,ぜひプレイして味わってほしい。

 

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■発売元:アイドス・インタラクティブ
■価格:2001年11月30日(2001年冬発売予定)
■問い合わせ先:アイドス・インタラクティブ TEL 052-775-8380
■動作環境:Windows 95/98/Me,PentiumII/300MHz以上(PentiumIII/450MHz以上推奨),メモリ32MB以上(128MB推奨)
■ムービー(13.4MB):http://www.4gamer.net/files/movies/commandos_2.lzh
Screenshots集

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