バトルシップ2 完全日本語版

Text by Iwahama
9th Jan.2002

まったく違う二つのモードが楽しめるお得なゲーム

 PCでゲームを遊ばない人に"PCゲームのイメージ"を聞くと,すべからく「難しそう」という答えが返ってくる。まぁ,確かにPCは眉間にしわが寄っちゃうゲームの比率が高いかもしれないが,PCゲームひとすじ17年の筆者としては「それがいいんじゃないか」と思う。……思うのだが,「それはキミが知らないだけで,ほら,こーんなゲームもあるんだよ」とお手軽なゲームをお勧めしている。
 で,最近勧めているのが,これだ。

 「バトルシップ2 完全日本語版」は,艦隊戦を描いたボードゲームのPC版。といっても,このボードゲームを忠実に再現した"クラシック・バトルシップ"のモードはあくまで"おまけ"で(後述するように十二分におもしろいが),軍艦を操り敵軍と戦うアクションゲームである"アーケード・バトルシップ"がメインとなる。


気分爽快ゲームモード"アーケード・バトルシップ"

 このモードには,一応ストーリーがあるので紹介しよう。
 とある国の王様が病に伏せ,さらにその息子のダッドリー王子が行方不明になってしまう。そのドサクサに紛れてドラッシュという男が国王となり,あろう事か隣国……つまりプレイヤーの国を攻撃してきたのだ。プレイヤーは,ただ一隻だけ無事に残った軍艦でドラッシュ率いる海軍を蹴散らしながら,ダッドリー王子を探すことになる。

 さて肝心のゲーム部分だが,まぁ,画面写真を見てのとおり。簡単にいうと「余計なことを考えずにバンバン砲撃しまくって敵艦を撃沈しつつ建物を破壊しつつ飛行物は撃墜しつつ,ついでに人命を救助しちゃう」という,激しく気持ちいいものになっている。砲撃は前後左右のどの方向にも撃てるし,ついでに"パワーアップ"というアイテムを取ることで,対空ロケットや火炎放射,爆雷なんて攻撃もできる。あと攻撃ではないが,Cキーを押すことでいつでもクジラ(軍艦の炎を消してくれる)を呼ぶことができるのだ。これじゃあ,爽快じゃないわけがない。

 用意されたミッションは全部で20。基本的にはどれも,味方の乗っている救命いかだを救助するか,敵軍の施設を破壊するといったシンプルでわかりやすいものだ。だから,あまり難しいことを考えずにひたすら楽しむことができる(とはいえ,もちろん後半のミッションでは難度が上がってくる)。サクッと遊びたいときは単純に楽しめ,じっくり遊びたいときはいくらでもやり込める。ベタな言い方で申し訳ないが,"お手軽系"という言葉が似合うモードである。


愉快痛快ゲームモード"クラシック・バトルシップ"

 最初にこのモードを"おまけ"と言い切ったのには,ワケがある。いくら最新のCGを使おうが,内容は古典的なボードゲームのまんま。一人で遊んでも,あまり面白くない。でもそれは一人で遊んでいるときだけね。このモードでは,LANやインターネット経由で2〜4人のマルチプレイが可能なのだ。で,もしその環境があるのなら,絶対にマルチプレイをするべきである。ルールが単純なのに,いや,単純だからこそ,対人プレイがとてつもなく面白いのだ

 "クラシック"モードの流れを説明しよう。まず,バトル・グリッドを選ぶ。これは将棋盤に相当するもので,6×6,8×8,10×10の三つのサイズがある。小さいものほど短時間でゲームが終了するので,遊びたい時間に応じて選ぼう。次に一人プレイの場合は難度を選択し,そのあと軍艦の配置に移る。軍艦の大きさは2〜5マス分までとさまざま。この軍艦をグリッド内のどこにどのように配置するかで,勝負の半分は決まるといっていい。
 さて,これでプレイ前の下準備は完了だ。プレイが始まると,自分のグリッドのほかに対戦相手の人数分グリッドが表示される。ただし,軍艦まで表示されているのは自分のグリッドだけ。一人(対コンピュータ)〜二人プレイの場合は交互に,三〜四人プレイの場合は順番に,相手のグリッド内の1マスに向けて砲撃を行うことができる。砲撃をして,初めてそのマスに軍艦がいるかどうか分かるようになっている。で,2マス分の軍艦ならその2マスに,5マス分の軍艦ならその5マス全部に砲撃が当たれば,軍艦を撃沈できるってわけだ。こうやってすべての軍艦を撃沈されたものから"負け"となり,最後まで残ったプレイヤーが勝者となる。

 これがもう,本当に楽しい。気心の知れた友人たちと遊べば,さらに楽しくなる。ただ,残念ながらチャット機能はないので,可能であればLANを使ってみんなでワイワイ騒ぎながらプレイするといいだろう。ちなみにバトルシップ2だけの特殊ルールとして,自軍の残りの軍艦数だけ一度に砲撃できる"一斉砲撃"ミスするまで砲撃を続けることができる"連続砲撃"が追加されている。これだけの違いで大きく戦略が変わるので,いつまでも飽きずにみんなで楽しめるのだ。


たまには頭を使わないゲームもいいんじゃないか?

 とまぁ,このゲームには全然雰囲気の違う二つのモードがある。またまたベタで恐縮だが,一粒で二度おいしい,ってやつだ。一人のときは"アーケード・バトルシップ"で気持ちよくなり,対戦相手がいるときは"クラシック・バトルシップ"で楽しくなる,というのが筆者の考える正しい遊び方である。この二つのモードに共通していえるのは,「あんまり頭を使わなくていい」ってこと。
 もちろんクラシックのほうは,推理力が必要なちょっとした知力ゲームである。でも,うんうん唸って考えるほどのことじゃない。せいぜい,「あいつは端には置かないよな〜」とかいうレベル。それに,案外なにも考えずにバカバカ砲撃してるほうが強かったりするものだ。PCゲーム初心者はもちろん,バリバリの強者(つわもの)も,眉間のしわが本物のしわになりそうになったらこのゲームで息抜きしてみるのもいいんじゃないだろうか?

Cキーでクジラを呼べてしまう! 軍艦についた火を吹き出した水で消してくれるのだ まともに戦ってたらキリがない場所は潜水艦でやり過ごそう。機雷系も潜ればダメージを受けないぞ 対空ロケットで飛行機系も撃ち落すことができる。砲撃と違って弾数に限りがあるので,よ〜く狙おう
コンピュータ相手に一人でも遊べる。難度を3段階に設定できる……けど,やはり人間相手のほうが楽しい インターネット経由で遊ぶ場合は,あらかじめホストになるPCのIPアドレスを調べておこう 1台のPCでもマルチプレイは可能だ。もちろん,友人が軍艦を配置するときは見ないように

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■発売元:メディアクエスト
■価格:6800円
■問い合わせ先:株式会社マイピック ユーザーサポート TEL 03-5805-3629
■動作環境:Windows 9x/Me,PentiumII/233MHz以上,メモリ 48MB,空きHDD容量 75MB以上

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