HOMEWORLD 2 【日本語マニュアル付英語版】

Text by TAITAI
8th Sep. 2003

あの名作が帰ってきた。SFファン必携のタイトルのお通りだ!

 完全3Dで構築された宇宙空間を舞台にした迫力の戦闘描写やド派手なエフェクトの数々,3Dであることをフルに生かした大胆なカメラワークなど,多くのプレイヤーを虜にした名作「HOMEWORLD」の続編が,サイバーフロントより2003年9月26日に発売される

 軽く紹介しておこう。HOMEWORLDとは,その高い完成度によって1999年の「Game of the Year」および「the Best 3D Space Game」を受賞し,スペースオペラRTSの金字塔的作品として,PCゲーム史上にその名を燦然と輝かせる傑作ストラテジーゲーム。美しいグラフィックスはもちろんのこと,考え抜かれたインタフェースも非常に秀逸であり,360度自由に視点を移動させながらも過不足なく(操作が混乱することなく)遊べてしまう点は,当時の常識(RTSの3D化は厳しい)を打ち破る快挙であったといえるだろう。

 そんな名作の続編となる「HOMEWORLD 2」では,本作のために新たに作り起こされた最新の3Dエンジンが搭載され,まるでSF映画のような大迫力のビジュアルを実現。細部まで詳細に描き込まれたスターシップの数々が繰り広げる壮絶な闘いが,圧倒的なクオリティのグラフィックスで表現されている。前作で絶賛されたインタフェースやユニットのAI機能もさらに洗練されており,3D RTSの中でも群を抜く遊びやすさを損なっていないのは,さすがの一言だといえよう。
 また壮大なストーリーで展開されるシングルキャンペーンモードは,本作の大きな売りの一つで,Hiigan(人類)が母なる星への帰還を果たした100年後の世界が,物語の舞台。人類は「誰が何の目的で自分たちをこの星から追放させたのか?」という大いなる謎を探るため,自らの運命を賭けた壮大な冒険へと乗り出すことになる。

まさに「百聞は一見に如かず」 とにかく見ろ,とにかく遊べ!

 さて,今回このHOMEWORLD 2のレビューを書くにあたって,筆者がまず最初に考えたのが「この作品の凄さをどう伝えればいいのか?」という点だ。システムもいい,ストーリー&世界観もいい,前作の実績も素晴らしいものがある。しかしながら,どれも本作の魅力を端的に伝えるには不適切な要素ではないかという気がするのだ。なぜなら,本作の凄さはもっと単純なところ……つまり,圧倒的な迫力の"見た目"的な部分にある,そう感じたのである。
 そもそも本作が面白いか?と聞かれれば,答えは当然「Yes」である。ただ「どう面白いのか?」と聞かれた場合,それを文章や言葉で表現するという行為に,筆者は"もったいなさ"を感じてしまう。つまり―――

「とにかく見ろ,とにかく遊べ!」

 と,そう言いたいのである。実際に画面を見たり,遊んでみたりしたほうが,何千語の言葉を並べるよりもHOMEWORLD 2の面白さを即座に理解することができるし,何よりもHOMEWORLD 2が"見ているだけでも楽しい"ゲームだと感じられるはずなのだ
 戦艦のディテールの細やかさ/重厚感は,スクリーンショットを見れば一目瞭然。スターシップのモデル自体の格好良さもさることながら,戦闘時には,砲台がそれぞれちゃんと敵の方向へ狙いを付けたり,またミサイルが被弾するとそこから炎を吹き上げたりと,細かいエフェクトの数々も非常に良く作り込まれている。
 そもそも筆者などは,激しい艦隊戦ともなると,ユニットの操作もせずにグルグルとアングルを変えては鑑賞を楽しむ始末。……というか,これがある意味このゲーム正しい楽しみ方だと,筆者は信じて疑わないのだが。
 ともかく,オペレーションの音声や効果音も含めて,雰囲気作りもクールかつハイセンスであり,やはり「とにかく遊んで見て!」というほかない印象。当サイトの「ここ」に体験版があるので,興味が沸いた人はすぐにでもダウンロードしてみてほしい。ぶっちゃけこのレビューを読んでいる暇があったら,そこの体験版を遊んでみたほうが数段話が早いし,テキストベースのレビューを読む時間はもったいない
 それに今回のレビュー自体,「とにかく見るべし」という思いからスクリーンショットを多めに用意させてもらっている。文章を読むのもいいが,とにかく本作の格好良さ,グラフィックスのレベルの高さを,まず見てほしいと思うのだ。

戦術的要素を重視した戦闘系のゲームシステムと細かい演出の融合形

 ゲームシステムの解説もしておこう。HOMEWORLD 2のゲームシステムは,マップが縦軸/横軸のある完全3Dの空間であることと,それに伴う特殊な操作部分以外は,極めてオースドックスだといえる。要するに,資源を集めて技術の開発やユニットの生産を行いながら,敵対する勢力の撃破を目指していくのである
 資源となるのは,宇宙空間にある隕石群から採取できる特殊な鉱物。隕石群は,マップごとに決まったポイントに配置されており,資源の奪取と敵艦の撃破を絡めた駆け引きが,本作における戦いの肝となる。
 序盤に資源収集ユニットを増産しながら徐々に軍備を拡張していくのは,いわばRTSの定番的作業なわけだが,本作における内政的要素は,テクノロジーの研究と造船能力を持つ艦船の機能拡張である。つまり,全般的なテクノロジーの向上(これは勢力ごとに一括管理)と,主要艦艇(旗艦,空母,機動造船所)個々の強化が,本作におけるマネジメント部分。本作には,いわゆる造船所的な"建物"はなく,すべてがなんらかの"ユニット"として登場し(長い遠征をしているという設定のためだろう),代わりに旗艦や空母といった大型のスターシップに,いろいろな造船能力が設けられている
 ただ例えば,内部にフリゲート艦のドックを増設しなければフリゲート級のユニットが生産できないなど,より強力な兵器を用意するためには,ある程度の時間と資源が必要。序盤は戦闘機など小型のユニットで小競り合いをしながら,徐々に大型のスターシップが登場し,最後には対戦艦用のレーザー兵器を装備した「Battlecruiser」を生産するというのが,一般的なゲームの流れになるわけだ。

 本作で登場するユニットは,ファイター級,コルベット級,フリゲート級,キャピタル級,マザーシップ級がそれぞれ3〜6種類ずつに,偵察プローブや浮遊砲台などを加えた約50種類。前作に比べると今回は,ユニットごとの得手不得手が非常に細かく設定されており,例えば最強の攻撃力を誇るキャピタル級のBattlecruiserなどは,対艦船には大きな効果を発揮するものの,小回りの聞くファイター級のBomber(爆撃機)編隊には苦戦してしまうなど,状況によって編成を考えていかなければならなくなっている
 またHOMEWORLD 2では,ユニット(大型船に限るが)にモジュールを追加していくという概念があり,戦艦のスラスターを強化したり,あるいは対空防衛用のタレットを追加したりと,同じスターシップでも状況や目的に応じて若干カスタマイズできるようになっている点が面白いところ。基本は長距離ワープが可能になる「Hyper Drive System」になる(大型船の移動速度はとんでもなく遅いため,長距離移動には欠かせない)だろうが,砲台やワープ探知モジュールなど,いろいろな組み合わせを考えることができるのは,戦術に大きな幅を持たせてくれることだろう。

 戦術で思い出したが,本作では大型スターシップを攻撃する場合に,砲台や造船システム,エンジンなどの細かい部位を集中的に狙えるようになっている。例えば,先に砲台を破壊して戦闘力をなくす,造船システムを破壊して敵の生産を止めるなど,非常に細かい戦い方ができるようになっているのだ。戦闘機で敵を撹乱させながら,後方からミサイル艦,レーザー艦でピンポイント攻撃を行うなど,戦闘時におけるユニット操作の重要度は,人気RTS「Warcraft III」に通じるものを感じるほど。コルベット級やフリゲート級などの中型艦は,止まっているより動き回って攻撃したほうが,敵のミサイルなどを回避しやすいなど,こと戦術面に関しては相当奥が深そうな雰囲気だ。

まず遊び,あとは自分のフィーリングに従うべし

 ともあれ,ここまで読んでくれた読者のみなさんは,本作の体験版を遊んでみただろうか? それを遊んでみて少しでも「格好いい」と思わないようであれば,きっとその人に本作は向いていない。が,逆に少しでも「格好いい,イカス!」と感じた人は,絶対にこのHOMEWORLD 2の購入を検討したほうがよいだろう。
 なぜなら,これほど質の高いSF RTSはこれまで存在しなかったし,今後もそう簡単には本作を超えるほどの作品は登場しないと思うからだ。日本語マニュアル付英語版だという点が,唯一の(そして最大の)難所ではあると思うが,英語ができなくても楽しいものは楽しいのだから,細かいことは気にせずに購入に踏み切るべきである。操作方法さえ分かってしまえば,ストーリーが分からなくてもきっと楽しめる……と思うのだ。少なくとも筆者は十分に楽しめた。「スター・ウォーズ」や「スタートレック」,ちょっと昔だと「スターシップ・トゥルーパーズ」など,この手のSF映画が好きな人ならば,絶対に面白い!と感じるはずだ

 ちなみにサイバーフロントに伺ったところ,日本語化の予定は現状ではないとキッパリと断言されてしまった。題材がSFで,しかもストラテジーだというのが,恐らくは主な原因だと思われるが,これだけ質の高い作品が埋もれてしまうのは,非常に忍びがたい。
 これは逆説的な話になってしまうのだが,もし日本語マニュアル付英語版が結果を残せば(沢山売れれば),もしかしたらサイバーフロント側にも日本語化(個人的には音声英語,日本語字幕を希望したいが)の動きが出てくるかもしれない。とにかく,今の時点(2003年9月8日)で日本語化の予定は完全にないのである
 つまり,我々(SFファン)に残された選択肢は,日本語マニュアル付英語版以外には,ない。観念して(?)2003年9月26日に発売される本作を買うしかないだろう。

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■発売元:サイバーフロント
■価格:オープンプライス
■問い合わせ先:サイバーフロント TEL 052-779-6549
■動作環境:PentiumIII/833MHz以上(PentiumIV/1.6GHz以上推奨),メモリ 256MB以上(256MB以上推奨),32MB以上搭載のビデオカード(GeForce3/ATI Radeon8500以上推奨),DirectX 9.0以上
■体験版:英語版
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