| |
![]() |
![]() |
KotORでプレイヤーの拠点となるのがエボン・ホーク号で,ここからすべての行動が行えるようになっている。ここの指令部には複数のモニターがあり,スターマップを一つ集めるごとに新しいモニターに惑星の様子が写し出され,その星の様子や遂行可能なミッションの状況が確認できる。プレイヤーの好みでミッション内容や遂行時期を決定でき,直線的なストーリーラインではないのが今風な作りだ。
上に挙げた9人のパーティメンバーが集うラウンジエリアもあって,そこで一人一人と会話してみると,プレイヤーにミッションを提示してきたりもする。一つのミッションに参加できるのはプレイヤーキャラクターも含めて3人で,ほかの二人のキャラクターを選べば,プレイヤーのあとをついて回るようになる。
Dungeons & DragonsというテーブルトークRPGの大御所をコンピュータ上に再現することに成功したBioWare社だけに,フィートシステム(feat
system)による成長の多様化などのゲームバランスが絶妙に仕上がっているのが頼もしい。例えば会話の選択肢で,平和的なセリフを選んで自体を丸く収めようが,暴力的に解決する結果になろうが,経験値の上昇率は変わらないように調整されている。ただし,その結果で光か闇に傾倒するようになっており,プレイヤーの未来から容姿にまで影響していくのである。
基本的には"ジェダイの騎士"になるのがKotORの目的であることもあり,選択できるクラスはファイターやスカウトなどの定番となる。ジェダイなのでファイター以外には意味がないように思えるかもしれないが,スカウトなら戦闘中に敵のドロイドを修理して自分の味方につけたり,コンピュータにハッキングするなどの技も利用できるのがユニーク。
成長するに従ってジェダイの流派も数種類に増えていくが,デュアルクラスにして幅広いスキルを身に付けることもできるのだ。もしレベルアップに伴うスキルポイントの振り分けが面倒臭いなら,クラスの基本型に合わせて自動的に振り分けてくれるモードも選択できる。
戦闘システムは,リアルタイム制とターンベース制をミックスさせたようなものになっている。基本的にはリアルタイムで進行していくが,敵と遭遇すると画面をポーズしてコマンドウインドウへと切り替えることが可能で,キャラクターの武器や装備を変更したり,各キャラクターに複数のコマンドをあらかじめ与えたりできるのである。
さらに,カメラの角度を変えて戦場の様子や敵の種類と数を確認したり,最初に攻撃するターゲットを決めたりしてからポースを解除できるようになっている。敵がザコキャラだったり少数である場合は自動的に攻撃させておいてもいいが,戦略的に戦いたい場合には重宝する仕様だ。
ライトセーバーやブラスターガンなどのアイテムについても詳しく説明しておくと,これらがエボン・ホーク号で細かくチューニングできるようになっているのがKotORの魅力の一つ。ミッションやサブクエストで入手したクリスタルを使って,ライトセーバーの色彩を自由に変更できるのだ。それぞれのクリスタルがブラスターを効率良く反射するなどの効果を持っているので,クリスタルを探し回るのもKotORの楽しみになるだろう。
映画の4000年前という時代設定である割には武器やドロイドの性能にはほとんど差がないものの,アイテムには古風な剣のほか,ウーキーのボウキャスターや手榴弾,火炎弾など30種類の武器や,さまざまなアイテムがバラエティ豊かに用意されている。
パーティメンバーとの会話も合わせて,KotORには1万4000種ものダイアログが用意されているというから,相当なボリュームだ。そのため先々で出会うNPCとの会話も,プレイヤーとの相性や相手の職業によってユニークなものになっている。
例えばタトゥイーンで"ミッション・ヴァオ"の出来の悪い兄貴を救出するミッションでは,サンドピープルとの会話での選択を誤れば,いきなり戦闘に突入してしまったりするのだ。どの会話を選択すればプレイヤーの思惑通りに事が運ぶか分かりにくいが,その分現実味のある展開になっている。
音響効果はスター・ウォーズ系のゲームでは聞き慣れた感じのものだが,BGMは映画シリーズで有名なジョン・ウィリアムス氏の楽譜をそのまま再利用しているのではなく,BioWare社が独自にオーケストラ楽団と協力して制作した新譜であるのも新鮮だ。Xboxからの移植なので,Dolbyの5.1chサラウンドシステムに対応しているのも特筆しておくべきだろう。
KotORのグラフィックスは,「NeverWinter
Nights」(ネヴァーウィンター・ナイツ)のAuroraエンジンとは異なる最新のものを使用し,ライトセーバーでの戦闘を始めとするアニメーションは見応えがある。
個々のキャラクターモデルはさらに細かく,両生類系のエイリアンの肌のぬめりなどもシェーダでうまく表現されている。難点は,クローズアップが多用されているのに,最近のリップシンク技術の向上が生かされていない部分。とくに会話は本作の重要な部分なので,もう少し洗練させてほしいところだ。
とはいえ,全体的にはゲームに慣れるに従ってNeverWinter Nightsの良い所がうまく生かされているのが分かるはずだ。
PC版ではテクスチャも繊細になっており,最大で1600×1200ドットの解像度をサポートしている。テレビ画面に出力する必要もないため,会話の文字やインタフェースも細かく美しく表示されている。とくにインタフェースは何枚ものウインドウやメニューを引き出す必要がなくなったのはありがたい。
ゲームプレイやシステムはXbox版を忠実に再現しているが,惑星ヤヴィンの軌道上を周る宇宙ステーションが追加されており,それに伴うサブクエストが数種類増えた。このほか,エクソスケルトンなどの新アイテムが加わったほか,ムービーの追加やオリジナル版にあったスウォープレース(ポッドレース)やブラックジャック風のカードゲームなどのミニゲームの改良なども行われている。
Xbox版が最低ラインだけあり,必須スペックはPentiumIII/1GHzと32MB以上搭載したビデオカード,そしてHDDの空き容量が4GB必要だ。CD4枚組みとなる予定だが,ライセンスの関係で,MODツールなどは公開される予定はない。ただし,Xbox版ではXbox
Live!に対応させて新しいコンテンツをリリースする企画になっており,PCでもBioWare社側からサブクエストや新アイテムが追加されているのは間違いないだろう。
ゲームプレイ時間は20〜25時間程度となっており,かなり煮詰められた内容を考慮すれば,十分ボリューム感はある。シングルプレイヤー専用RPGとはいえ,プレイヤーの行動によってエンディングが変わってくること,会話が豊富ですべてを聞く(読む)ことが不可能であること,そして各ミッションには二人までの仲間しか伴えないことなどから,
KotORは何度も楽しめるゲームといえる。まったく新しいスター・ウォーズの世界を,十分に堪能できるはずだ。
Star Wars:Knights of the Republicは,映画を意識することなく自由な発想で描かれたストーリーで,プレイヤーを光と闇が激突するジェダイの運命に巻き込んでいく。アメリカでは2003年11月18日のリリースが予定されており,スター・ウォーズファンばかりでなく,RPGの好きなゲーマーにも大いに注目されている。
![]() |
![]() |
![]() |
forGamerの情報一覧は「こちら」
*ゲーム画面はすべて開発中のものです。また,本記事の内容は製品版では変更される可能性もあります。ご了承ください。
LucasArts, the LucasArts logo, Gold Guy, the Human Figure design logo and the LucasArts Twentieth Anniversary logo are all registered trademarks or trademarks of Lucasfilm Ltd. c 2003 Lucasfilm Entertainment Company Ltd. or Lucasfilm Ltd. & R or ? as indicated. All rights reserved
![]()