Zoo Tycoon

●Preview#13:Zoo Tycoon

Text by 奥谷海人

帝王学をZoo Tycoonから学べ!

クリックすると拡大します  “タイクーン”という文字をあしらったシミュレーションゲームは数多く,古いものではシド・マイヤー氏が開発した「Railroad Tycoon」などが思い起こされる。1998年には,Hasbro Interactive社の「Roller Coaster Tycoon」が300万本の売り上げを記録するに至り,欧米の販売会社では低予算でもハマれるゲームが市場戦略のオプションに加わることとなった。「Airport Tycoon」や「Ski Resort Tycoon」から,今後発売される予定の「Casino Tycoon」や「Gadget Tycoon」まで,面白そうな産業なら何でもシミュレートしたさまざまなゲームが考案されているのだ。
 そしてマイクロソフトのこの分野への参入第1弾が,今回紹介する「Zoo Tycoon」だ。効率のよい動物園を製作/管理するシミュレーションゲームで,文字通り動物園経営者として“帝王”になるのが目的だ。プレイヤーは,40種類に及ぶ動物たちはもちろん,60種類のフェンス,樹木,岩場,プール,そしてさらに40種類に及ぶレストランやお土産屋のような建物を組み合わせることによって,来場客に魅力的な動物園に仕上げていく。ゲームプレイ自体は,Roller Coaster TycoonやSim Theme Parkのような感覚で,係員や清掃員を雇用し,来場客に満足してもらえるような場所を提供していかなければならない。

遊びながら動物の生態を学習できる

クリックすると拡大します  現代の動物園管理は,訪れる人間たち以上に動物たちに対して気配りすることが重要だ。Zoo Tycoonではアフリカンサファリやアマゾン,さらには日本風の設定に仕立てることもできるのだが,そこに入居する動物たちにとって心地よい設計でなければならない。例えばパンダを砂地をベースにしたサバンナ風のオリに入れても喜ばず,活気のない様子はかえって観客側をも失望させてしまう。動物園のアトラクションがつまらないと,観客も不満を持ってしまうようで,飲食などに金を落とすことなく帰ってしまったりするようだ。テストプレイした限りでは,ヒマを持て余した子供たちが動物のオリに石を投げつけているようなしぐさも見えた。
 開発者によると,食べかけのハンバーガーやソーダを投げ入れようとする迷惑な客も登場し,それを食べた動物が病気になってしまうこともあり得るという。ただし生態や行動パターンに関する個々の動物の情報は,ヘルプメニューで詳しく説明されているため,”夜行性の動物を日中野放しにしてしまう”といった間違いを犯すことはないだろう。実際,動物によっては繁殖行動を取りやすいオスとメスの比率などもあり,このゲームをプレイしていくことで,学べることも少なくないはずだ。

初心者から熟練のプレイヤーまでが楽しめるゲームシステム

クリックすると拡大します  ほかのタイクーン系シミュレーションゲームと同じように,Zoo Tycoonでも施設のレイアウトが楽しみの一つで,建物やオブジェクトのバリエーションが多いためにプレイヤーによってはまったく異なる動物園に仕上がるだろう。デザインがよいほど,動物園の人気度が向上するようにもなっている。
 4方向に転換することができるオブジェクトによって,客の流れを効率よくすることができる。またオリは老朽化すると破損することがあるので,動物が逃げ出さないよう注意を払う必要もある。もっともプレイヤーが細部にまでマネージメントすることはなく,園内にある特定のゴミをクリックし,ある清掃員に拾わせるというようなコントロールはできないようだ。オリの場合なら充分な作業員を雇っていれば壊れることはないし,個々の動物の食事や健康管理も,それぞれの係員が自動的に担当してくれるのだ。

 インタフェースは初心者にも馴染めるように大きめのボタンで構成され,見やすくシンプルながらも洗練されたデザインとなっている。解像度は1024x768までをサポートしているので,表示範囲も広々としているのは嬉しいところ。ズーム機能も用意されているが,2Dグラフィックスであるため,近付くほどピクセルが荒れて見えてしまうのは仕方がない部分だろう。
 シナリオモードも用意されており,コンクリートだらけのオリを整備して動物に住みやすい環境を与えたり,希少動物を繁殖させるなどといった15種類のミッションをこなしていく。目的を達成すれば,ボーナスとして新しい動物やオブジェクトが追加されることもあるという。アメリカでは2001年の第3四半期にはリリースされる予定だ。

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