Empire Earth

●Preview#21:Empire Earth =page 1=

Text by TAITAI

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ついにベールを脱いだEmpire Earth

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  「Age of Empires」の生みの親であるRick Goodmanが製作を手掛け,ポストAoEとしての呼び声の高い「Empire Earth」(以下,EE)は,人類が火を発見して間もない石器時代から始まり,古代都市文明,中世,近代など数多の時代を経て,ナノテクノロジーを持つ近未来に至るまでを描き切る壮大なリアルタイムストラテジーゲーム(以下,RTS)だ。
 そのやたらに大きすぎるゲームスケールから,ゲームバランスやゲームテンポに一抹の不安を叫ばれていたこの作品だが,今回プレイできたβ版から判断をする限りでは,どうやらその不安は杞憂のものとなりそうだ。そればかりか,自分独自の文明で戦える「Custom Civs」モードの存在など,ネットワーク対戦に焦点を合わせた面白い試みがいくつか発見できた。他にも,想像以上に軽快なゲームテンポで戦闘を重視したゲームデザインが施されているなど,開発者自らが「ゲームテンポには最大限の注意を払っている」と言った言葉通りの高いプレイアビリティを誇るタイトルとなっているようだ。
 以下,今回のβ版で明らかになった内容を順を追って紹介していくので,RTSファンならば刮目して読んでいただきたい。

オーソドックスなシステムでAoEファンも安心の設計

クリックすると拡大します  製作者が製作者なだけあり,大まかなシステムはほとんどAoEのそれを踏襲している。AoEのゲームシステムを正統に進化させたものを想像してもらえればよいだろう。懸念された3D化による視認性の問題もなく,またインタフェース周りは相当練りこまれている印象で,EEは近年のRTSの中でも屈指の操作性を誇る作品として仕上がっている様子だ。

 内政のシステムは,資源を採集しながら施設を建設してユニットを生産するオーソドックスなスタイルを保持しており,一定の資源を集めて次の"時代"へと進化していくなど,AoEの基本概念を完全に受け継いでいる。ただ,多くの"時代"を経て戦わなければならないシステムを考慮してか,建築物や技術といった要素はスリム化が図られている。誤解しないで頂きたいが,技術やユニットの種類が少ないということではない。技術で言えば研究する場所が,ユニットで言えば歩兵や騎兵などの系統が分かりやすく統一されており,プレイヤーが戸惑うことのないような配慮がなされているという意味なのだ。壮大なゲームスケールを破綻することなく表現するために必要な適切なゲームデザインというべきであろう。
 また,食料として大切な資源の一つとなる"動物"が時間の経過と共に繁殖して数が増えていく点は,細かいところながら非常に興味をそそられる要素だった。ここが実際のゲームプレイにどこまで影響するのかまでは検証不十分だが,絶滅させない程度に狩りをして定期的な食料源として確保しておくことが,素早い進化をするための重要なポイントになるかもしれない。

登場する"時代"は全部で14種類

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 EEは,約50万年にも及ぶ人類の歴史を駆け抜けて戦うところが大きなセールスポイント。そのため,文明の技術レベルを表す"時代"は全部で14種類も用意されており,忙しくも奥の深いゲーム性が表現されている。ちなみにあの古代文明と題材にしたAoEには全部で四つの"時代"しかないところを見ても,EEの壮大さが分かるというものだろう。

 β版では,プレイ可能な"時代"が「Imperial Age」「Industrial Age」「Atomic Age - WW1」の三つに制限されていたので,そのほかの時代についての詳しいことは分からなかったが,登場するユニットや開発可能なテクノロジーはその時代の特徴に則ったものとなっているようだ。例えば,Imperial Ageでは,銃剣を構えた歩兵隊を主力として,ナポレオン時代よろしく煌びやかな竜騎兵が駆け回るなど,未だ刀による白兵戦も行なうユニットが登場している。しかし,それがAtomic Ageに入ると火器を中心した飛び道具主体の軍隊編成へと変わり,史実を表すように騎兵隊が生産不可能になっている。代わって分厚い装甲で覆われた戦車や,海戦模様を一変させる潜水艦が登場してくるなど,時代が進むごとにその時代特有の目新しい兵器が続々と現れてくる。また,Atomic Age - WW1からは,いままで戦いの舞台であった陸と海に加えて"空"が戦場として加わり,戦闘がより一層賑やかな,それでいて複雑なものへと変容している。時代毎,兵器毎に柔軟な戦術が要求されてくるようなので,いまから製品版が非常に楽しみである。

      Empire Earthに登場する"時代"
  • Prehistoric Age (有史以前)
  • Stone Age (石器時代)
  • Copper Age (銅の時代)
  • Bronze Age (青銅の時代)
  • Dark Age (暗黒の時代)
  • Middle Age (中世)
  • Renaissance (ルネッサンス期)
  • Imperial Age (帝国の時代)
  • Industrial Age (産業の時代)
  • Atomic Age - WW1 (原子力の時代 - 第一次世界大戦)
  • Atomic Age - WW2 (原子力の時代 - 第二次世界大戦)
  • Atomic Age - Modern (原子力の時代 - 現代)
  • Digital Age (デジタル技術の時代)  
  • Nano Age (分子技術の時代)

オリジナル仕様の文明で戦える注目のシステム

クリックすると拡大します クリックすると拡大します  EEでは,古代ではバビロニア,現代ではアメリカ合衆国など一長一短の文明特性を持つさまざまな文明が用意されているだけでなく,プレイヤーが自分独自の文明を使って戦える「Custom Civs」というモードも用意されているようだ。
 このモードは,ユニットの強化から内政面のボーナスなど,ゲーム側で用意されている多種多様な文明特性を自由に組み合わせたオリジナル仕様の文明を作成でき,対戦時などにその"My文明"を使用して戦えるというなんとも画期的なシステム。組み合わせで選べる"特性"は100種類以上にもなり,実用度の高さに応じてそれぞれに"ポイントの消費コスト"が設定されている。プレイヤーは,決められたポイントを使って文明特性を選んでいき,特徴ある一個の文明を作成していく。有効な文明特性ほど高いポイント必要とし,また同じ系統の特性は重ねて組み合わせるほどその消費ポイントは多くなる。つまり,内政系のボーナスを多数組み合わせた圧倒的な内政大国や,なにかのユニットを徹底的に強くしたRush大国などを作るには,他のすべての要素を切り捨てなければならなくなり,汎用性の欠ける文明となってしまう危険があるのだ。
 進化という要素を持ち,新たな時代へと移り変わるタイミングに駆け引きの妙味があるこの作品。より効率的な進化や奇抜な戦術を考え出すに当たり,それらを"文明を作成するところ"から組み立てていける楽しさは,AoEファンのみならずRTSファンならば垂涎モノの要素と言えるだろう。

 操作性や視認性に気を配るなどプレイアビリティを重視し,なおかつネットワーク対戦をも見据えた作りが印象的なEmpire Earth。今年一押しのRTSであることは間違い無さそうだ。

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