エクスパンドラリー [英](マイクロマウス)

 Techland Softwareが開発を手がけ,日本ではマイクロマウスから9月に"日本語版"として発売が決定している「エクスパンドラリー 日本語版」(原題「Xpand Rally」)のマルチプレイデモが登場した。本作は2004年8月現在,北米地域での発売が棚上げとなり,発売が未定となっている非常に残念なタイトルだ。

 エクスパンドラリーはオーソドックスなラリーシムをベースにしたゲーム。プレイヤーは最初に与えられるマシンを元にラリーレースに勝ち抜き,賞金を稼いでチューンナップを行って,より性能の良い車を購入してレースを勝ち抜いていく。
 ゲームモードにはシミュレーションモードとアーケードモードがあり,車の挙動,操作性などプレイヤーの好みの操作感覚で遊ぶことができるという,嬉しい操作設計だ。。で,窓ガラスはもちろんのことバンパー,ウイング,ドアと壊れていき,そして最後には車自体を炎上させ,完膚なきまでに破壊できるのだ。初めのうちは普通にラリーとして走らずに,目に見える障害物にぶつかったり,崖から落ちて楽しんでみるのも面白いかもしれない。また民家の塀や電柱,道端に置かれている岩なども破壊できるし,車同士でぶつけ合うことも可能なので,レースゲーム以外の部分でも楽しく(?)遊べるかもしれない。
 しかしなにより本作の特徴ともいえるのは,車体や水溜まりへの背景の写り込みと光源処理が非常に美しいこと。プレイ中に注意して見ていると,さまざまな箇所に細かい処理がされているのを見ることができる。  実際に自分でレースに参加して,それらの処理を見ることもできるが,第三者からの視点であるSpectateモードを使ってレースを観戦することで,この細かい処理をより堪能することができる。
 Spectateモードでは,前述の光源処理などがすべて反映されるほか,カメラ視点はホイール側面やオート切り替え,ドライバー視点など10種類が用意されている。また,画面のエフェクトとしてモーションブラー,セピア調など多種多様なものが使えるので,今までのレースシムにはない,見ごたえのあるプレイを見られる。  実際のドライビングはどうなのかというと,シミュレーションモード,アーケードモード共に操作感覚がややふわふわした感じがして,車の接地感がやや軽めに感じるのが若干残念なところ。アーケード系レースゲームに慣れ親しんだプレイヤーならそれほど違和感はないと思われるが,ガチガチのシミュレーション系で遊んでいた人からすると,若干の不満が残るかもしれない。しかしこれはデモの起動時にも「This Demo Version does not represent the quiality of the final product」と表示されているように,本デモが開発中のものをプレイアブルにして発表しているからかもしれない。このあたりの不満点が,製品版では解消されていることを望みたい。
 車のセッティングは豊富に揃っており,エンジン,サスペンション,ブレーキ,トランス,ボディ,タイヤ,カラーリングなど数多くのパーツを組み合わせて自分好みのセッティングで走れる。細かくセッティングしたくなるカーマニアには嬉しいだろうし,セッティングは苦手だが走るのは好き,という人は,オートセッティングを使えば難なくレースを開始できる。ちなみに筆者が好んで遊んだモードはアーケードで,こちらはシミュレーションモードほどシビアな操作は必要なく,走っていて気持ちが良かった。

 今回のマルチプレイデモ版は,LANとインターネット接続による対戦が可能だ。インターネット接続は,サーバー接続型で接続時に世界で起動しているゲームサーバーの一覧を見ることができ,パスワードのかかっていない部屋であれば誰でも参加できる。プレイ人数は最大4人までで,観戦者を含めると合計8人までとなる。  ゲームモードは,サーバー側のみシミュレーションとアーケードのいずれかを選択でき,ライバルカーに当たり判定をつけるか,ゴーストにするかなどの設定も可能だ。車種はCenter Cord 1.6RとMonsoon 2000 Evolutionの2台,それぞれ2色を選択でき,コースは,アメリカ,アイルランド,ケニアの各1コースを走ることができる。レースに参加せずとも,Spectateモードで対戦中のプレイヤーの運転を観戦することができ,レースを観戦している感覚で楽しむことができるので,レースゲームファンはもちろん,それなりのビデオカードを持っているPCゲーマーなら,一度はプレイおよび観戦しておくことをオススメしたい。

 余談だが,一時登場したシングルプレイデモだが,開発元であるTechland Softwareの意向により取り下げられた。非常に残念ではあるが,シングルデモのWeb上での正式リリースにも期待したいところだ。(Seirou)

(c) 2004 Techland

 

キー操作

  • ステアリング ←/→
  • アクセル ↑
  • ブレーキ ↓
  • ギアアップ A
  • ギアダウン Z
  • ハンドブレーキ Spaceバー
  • カメラ視点切り替え F1キー
  • Respawn R
  • ライト L
  • Say S
ダウンロード
145MB

動作環境

対応OS:Windows 98/Me/XP
CPU:PentiumIII/1.3GHz以上
メモリ:256MB以上
ビデオ:VRAM64MB以上
DirectX 9.0以降
HDD:500MB以上の空き容量

当サイトの記事一覧はこちら

このページのScreenshotsは,NVIDIAの「GeForce 6800 Ultra」「GeForce 5700」グラフィックスチップ搭載カードを使用して撮影したものです

<<免責事項>> ■本記事の内容および攻略,インストール,操作方法などについての質問は,一切お受けしておりません  ■体験版ファイルを使用したことによる損害やトラブルに関しては,一切責任を負いません。取り扱いは,自己の責任の範囲内で行ってください  ■当サイトに掲載したゲーム画面および文章の,無許諾での転載は固くお断りいたします