この夏(全米では6月30日)に公開される映画「Spider-Man 2」が,前作と同様大ヒットを記録するのはほぼ確実で,これに合わせてゲームも発売しようというのは世の常だ。
「Spider-Man 2」は,よくある映画と同時リリースの版権モノにしてはずいぶんと野心的な意欲作であり,2004年のE3会場でも,いつもの版権モノタイトルに向けられるものとは異なる期待と注目を集めていた。
マンハッタンを丸ごと(全体ではないが)再現したマップ内を,スパイダーマンとなって自由に飛び回れるというのが本作の大きな目玉。ビルからビルへ,ストリートからストリートへ,糸をまき散らしながらビュンビュン飛べるのだ。
またメインストーリーとは関係なく,街中では常にあちこちで犯罪が発生しており,プレイヤー操るスパイダーマンは好き勝手に街を飛び回って好き勝手に犯罪者を退治していいという。付いたあだ名が「Spidey's GTA」というのも頷ける話。
そんな,気になる「Spider-Man 2」のデモ版がリリースされた。E3 2004注目作のデモ一番乗りといったところだろうか。本デモでは,チュートリアルと脱獄ミッション(?)の一部を楽しめる。チュートリアルでスパイダーマンのアクションを一通り身に付けたあと,刑務所の脱獄計画を実行しようとする敵と戦うミッションが始まる。
スパイダーウェブは,壁に向けて発射することでワイヤーとなり,ビルからビルへと飛び移れる。また,街中の空間をよく目を凝らして見てみると,ところどころにウェブ(蜘蛛の巣)ポイントが浮かんでいる。このマークにスパイダーウェブを飛ばすことで,スイングしながら豪快なジャンプが繰り出せる。慣れてくると,ポイントからポイントへスイスイと飛び移れるようになり,実に気持ちいい。これこそスパイダーマンの,そして本作の醍醐味といえるアクションだ。
戦闘は肉弾戦で,敵の顔をウェブで覆い視界を奪ってから攻撃すれば,人間相手なら一方的に殴り倒せる。後半では,そう簡単にはいかない敵も現れるので注意しよう。
残念ながらデモ版では,自由に移動できる範囲は限られており(それでもなかなかの広さ),突発的な事件なども発生しない。E3で見たデモンストレーションでは,街の人々はスパイダーマンの姿を目にすると「スパイダーマンだ!」などと声をあげたり,何かとアクティブに動いていたはずだが,このデモ版の人々は固まったままだ。なお,これはデモ版だからか,あるいは版権元からの「ヒーローのイメージを壊さないように」というお達しのせいかもしれないが,スパイダーマンは街の人々に暴力を振るったりといったワルさは行えない。
またグラフィックスの解像度も640×480ドット固定で,今のところコンシューマレベルのグラフィックスしか楽しめない。何かと制約は多いようだが,すべては製品版に期待したいところ。デモ版では,ストリートをスイングでブンブン飛び回る部分を楽しめるだけで良しとしよう。(Kawamura)
Spider-Man and all related Marvel characters, TM & (c) 2004 Marvel Characters, Inc. Spider-Man 2, the movie, (c) 2004 Columbia Pictures, Inc. All rights reserved. Game code (c) 2004 Activision, Inc. and its affiliates. Published and distributed by Activision Publishing, Inc.

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