Silent Storm[英](メディアクエスト)

 日本国内でも人気が高いカードストラテジー「イーサーロード」でお馴染みの,ロシアの開発元Nival Interactive。本日登場したデモ版は,同社が開発中の"一見コマンドスライク"だが,実はターンベースのストラテジー「Silent Strom」だ。
パッと見の印象は多くの軍事ストラテジーと変わり映えしないが,スキルツリーなどを盛り込んだRPG要素やミッション生成機能,さらには無駄とも思えるキャラ顔テクスチャ生成機能などを詰め込んだ意欲作となっているので,ストラテジーをひととおり遊んで食傷気味なプレイヤーに,ぜひ試してみてほしい一本だ。

 物語の舞台は第二次世界大戦中のヨーロッパ。プレイヤーは連合各国から選りすぐられたエリート部隊を操作し,決して歴史の表舞台には出てこない隠密・破壊ミッションをこなすことになる。
 使用できるクラスはスカウト,アサルト,擲弾兵,スナイパー,メディック,エンジニアの6種類で,それぞれ独自のスキルツリーを持っており,戦闘経験を積むことでRPGのようにスキルを強化したり,新たなスキルを習得したりできる。

 「物陰に隠れてヒタヒタと移動し,敵がこちらに気付いたら戦闘へ」という流れはよくあるパターンだが,本作が面白いのは,すべての行動に"ポイント"が割り振られ,完全にターンベースで時間が経過するところだ。

 この仕組みを簡単に説明しよう。
 登場するキャラクターには,あらかじめ"AP"(アクションポイント?)なる数値が与えられており,移動・発砲・姿勢変更などをする度に数が減少,ポイントを使い切ったところで,敵(または味方キャラクター)のフェーズへ変わる。基本的にキャラクターの視界外の敵はプレイヤーにも見えず,大体の位置しかつかめない。相手もまったく同じ状況なので,お互いにポイント配分を考えつつ,敵が見える場所へ移動,そして銃撃というのが戦闘の流れとなる。
 このポイントシステムのため,「何歩か歩いて,伏せて射撃」「銃は撃てないけど,数歩移動できるから物陰に身を隠す」という,通常のターンべースストラテジーでいう"機動力管理"が必要になる。通常行軍では大局的な戦略を,敵との遭遇後は局地的な戦術を楽しめる作品なのだ。

 ただ,それらの戦いをこなせるだけの高度なAIを採用したためか,CPU側の思考ルーチンが遅く,さらにその遅さがカメラ移動操作にまで及んで,Pentium III程度のCPU塔載マシンでは若干ストレスを感じる(このゲームはDirectX 9対応,Pentium 4推奨だ)。
 とはいえ,被弾したオブジェクトが幾何学的に変形したり,家屋内で階下の爆発が上の階に及んだりという凝った物理処理も本作の見どころなので,ぜひ"それなりのマシン"を用意してプレイしてほしい。

 本デモ版には,簡単なチュートリアル(ロシア語だけど,インタフェースがシンプルなので理解はできる)と,キャンペーン序盤のミッションが収録されている。
 ちなみに本作は,MODをサポートしたり各種エディタを同梱したりする"オープンアーキテクチャー"というコンセプトで作られている。そのため,ミッションの解法などはかなりプレイヤー側で工夫できる。各クラスのキャラクターの配置場所や,戦術フェーズの攻略法を思案しながらプレイすると,かなり楽しめるハズだ。(Gueed)


キー操作

※すべてマウスにより操作可能
公式サイト 211MB
ダウンロード(4Gamer.net)