Rome：Total War[英]（Creative Assembry）

　幾千万（いくせんまん）もの兵士達がぶつかり合う壮麗な"大合戦"をテーマにした「Total War」シリーズ。そのシリーズ最新作「Rome：Total War」（以下，RTW）の体験版が，この度ついに登場した。

　Total Warといえば，なんといっても臨場感溢れる大迫力の戦闘描写が大きな魅力なわけだが，最新作となるRTWでは，新たに作り起こした3Dゲームエンジンを搭載。さらにド迫力の演出を実現している。前作に当たる「Medieval：Total War」の迫力も相当なものだったが，RTWのそれはさらに上。弧を描いて飛ぶ弓矢の飛び交う演出や，騎兵の突撃で突き飛ばされる歩兵など，ビジュアル/サウンド共にまったく不足がないクオリティである。
　ゲームシステムについては，シリーズ当初から受け継がれているシステムを踏襲し，操作部分を若干練り直したものを採用。「孫子の兵法」をモデルに作り込んだと言われるゲームルールの奥深さはそのままに，より遊びやすくなるよう，随所に修正と工夫が施されているようだ。システム部分は，操作性の悪さを除いては，元々かなり優れた出来映えだっただけに，これは歓迎すべき"正当進化"だといえるだろう。まだ若干操作は癖があり，万人が快適に遊べるというレベルではないが，それでも「十分に練り込まれてきたな」という印象だ。
　この体験版では，ゲームの基本的な操作方法やルールを学ぶことのできる「TUTORIAL BATTLE」モードに加え，あのハンニバル将軍が活躍した「THE BATTLE OF TREBIA（トレビアの戦い）」を収録。大規模な包囲殲滅戦というと，トレビアの戦い以後に行われた「カンナエの戦い」が有名（なんと2倍近い敵軍を包囲して撃破。現在でも，包囲戦のもっとも素晴らしいお手本とされている戦い）だが，このトレビアの戦いでも，用兵の妙を十二分に味わうことができる。ゲーム自体も既に敵軍を包囲した状態からスタートするため難易度はかなり低め。初めて本シリーズを遊ぶ人にとっては，うってつけのミッションだろう。

　ともあれ，一作めとなる「Shogun：Total War」の登場以来，歴史ゲームファンを虜にしてきた本シリーズだが，その魅力の根源たる"合戦の臨場感"にさらに磨きがかけられているのには脱帽。プレイヤーの指揮の下，整然と隊形を組み戦う兵士達の重厚さ，気分を高揚させてくれる音楽，大軍団の轟く鬨の声などなど，長い間期待していたファンを裏切らない素晴らしい出来映えだ。いわゆるスペクタクル映画さながらの光景を，指揮官の立場になって"体験"できるのは，世界広しといえども本作を置いて他にないだろう。あらゆる人にぜひ遊んで欲しいタイトルだ。（TAITAI）

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