発売されるやいなや,お約束通り世界各地で発禁騒ぎを起こし,元々あった話題性をより一層高めたアブノーマルFPS「Postal 2」。その最新拡張パックであり,ゲーム本体にファン待望のマルチプレイモードを実装する「Postal 2:Share The Pain」のデモ版が登場した。
Postal 2のマルチプレイ用パッチは元々無料で配布される予定だったが,本家Running with Scissors社が無料配布を中止したため,やむなく国内代理店のマイクロマウスも中止をアナウンスせざるを得ないというゴタゴタもあった。
しかし日本国内では,12月5日に本作を包含した日本語対応パッチ付きパワーアップキットが発売済み。現時点ですでに多くのプレイヤーがマルチプレイを楽しんでいるようで,Postal未体験の人は,製品版の評価用としても,また刹那的に遊ぶおバカFPSとしてもすこぶる楽しめる本デモ版を,ぜひチェックしてみてほしい。
さて,本デモ版に収録されているのは,以前「こちら」で紹介したPostal 2本体のデモのシングルプレイモードおよび,"DeathMatch" "Team DeathMatch" "SNATCH" "Grab"が楽しめるマルチプレイモード,マップは対応モード別に3種類用意されている。
Grabは"ひたすらお金を拾い集める"というモード,そしてSNATCHモードは"両陣営にいる素敵なベイブ(特別コスチュームの美女)を奪い合う"(いわゆるCTF)という,いずれも至ってバカバカしいコンセプトである。プレイヤースキンは,本作の主人公Postal Dude,およびGary Coleman,Redneckの3種類から選ぶことができる。
実際にプレイしてみると,ベースがUnreal Warfareエンジンということもあり,思ったよりもFPS作品としてシューティング部分がしっかり遊べるという印象だ。というのも,"残虐ぶり"をウリにしていた本作なのに,一方的な殺戮はできないし,頭を使って敵の料理方法を考えるよりも,1対1のシューティングスキルに物をいわせるような作りになっているのだ。
これは本作に限ってはマイナスの印象ともいえ,多対多の乱戦で阿鼻叫喚の地獄絵図を期待していたファンは,ちょっと残念に感じられるかもしれない。
ただ相手が人間になった分,当然マヌケ&シュールなシチュエーションが頻発するようになっており,随所で見られるプレイヤーの奇行を横目にプレイしていると,だんだん口元がゆるんでくる。ジッパーを下ろし,天に向かって用を足している間にバズーカ砲でふっ飛ばされる者がいたり,マシンガンに対してはさみ(結構戦えるんだけど)で果敢に応戦する者がいたりと,とてもプログラムされたAIとは出来そうもない戦闘が楽しめる。また,一旦自分が死んでしまってもリスポーンまでの時間がほぼ0と,ゲームがテンポ良くサクサク進むのも非常に好印象だ。
もちろんデモ版には,サーバーブラウザやロビープログラムとなるGameSpyも同梱されており,初心者でも問題なくマルチプレイに参加できる。未体験の人は,一刻も早くベイブ達をSNATCHしてやるべし。(Gueed)
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