つい先日，「Rugby 2004」のデモ（詳細は「こちら」を参照）をリリースしたEA SPORTSが，今度はアメリカンフットボールゲーム「Madden NFL 2004」のデモを発表。
　アメフトというのは，アメリカでは四大娯楽スポーツ（ほかの三つは野球，バスケットボール，アイスホッケー）の一つとして熱狂的に愛されている国民的競技である。が，日本人には馴染みが薄い。最近は日本人のファンも増えてきてはいるが，ほとんどの人はルールすらよくわからず，「ラグビーと似ている」程度の認識しかないだろう（そしてラグビーのルールも良く分かっていないという人も結構多いだろう）。
　たしかに形式はラグビーと似ているが，基本的には異なるスポーツであると認識しよう。アメフトのプロリーグは「NFL」がほぼ独壇場の人気を誇っており，たまに新リーグが生まれては，すぐに消えていくのが現状だ。
　タイトルのMaddenというのは，名コーチにしてNFLの名物解説者でもあるJohn Madden氏のこと。本作品はNFL公認にしてJohn Madden監修という，EA SPORTSならではの贅沢極まりない作品なのだ。
　デモ版ではOakland Raiders（オークランド・レイダーズ）とTampaBay Buccaneers（タンパベイ・バッカニアーズ）の試合をプレイできる。今年の1月に行われた第37回スーパーボウルで頂上を競った両チームである。バッカニアーズは，大人気のレイダーズを破ってチーム史上初の制覇を飾った。
　なおデモ版では"Play Now"のみ選択可能で，キーボードまたはゲームデバイスを使用したシングルプレイかマルチプレイ，またはCPU vs.CPUの試合観戦のみ楽しめる。ほかのゲームモードやオプション設定などは一切変更できない。

　このゲーム，正直に言うとアメフトを知らない人にはほとんど楽しめないだろうが，なんとか遊んでみたいという頑張り屋さんのために，非常にザックリとゲームの概要を解説してみよう。ルールまで細かく説明するつもりはないので，興味を持ったら，あとは各自調べてほしい。
　アメフトとは，ボールを手に持って，地面に落とさないよう前進することを目的としたスポーツだ。フィールドの最果て（相手チームの背後）にはエンドゾーンがあり，ここまで見事ボールを運べば"タッチダウン"となり得点が加算される。守備側はこれを阻止するため，なんとかしてボールを持った人（ボールキャリア）を倒さなければならない。このとき，ラグビーではボールキャリア以外へのタックルは禁止されているのだが，アメフトではボールを持っていない選手同士の激突も許されているのが特徴であり，エキサイティングな要素の一つとなっているのだ。
　アメフトの試合は15分ずつ，4回に分けて行われる。まずはスクラムという，攻撃側のチームと守備側のチームがボールをはさんで向かい合った状態から始まる（これは見覚えがあるだろう）。攻撃権を持ったチームのセンターがボールをスナップさせてスクラムブレイクする（スクラムが解かれる）と，ボールをめぐる攻防が始まる。スナップされたボールを最初に受け取るのが，チームの花形であるクォーターバックだ。なお，スクラムの状態で守備側が押し込む場合もあるが，ここでは割愛。
　"ボールを前にパスしてはいけない"というのがラグビーの基本ルールだが，アメフトには"クォーターバックは一度だけフォワードパスが可能"というルールがあり，スナップされたボールは最初に前方へ思いっきりパスされることも多い。このためラグビーにはない，華麗な"空中戦"の要素が生まれ，よりハデな試合展開となるのである。
　ボールキャリアが倒されるか，ボールがサイドラインを越えると一つのプレイは終わり，スクラムからやり直しとなる。このスクラムからの攻撃権は4回までチャンスが与えられ，4回のうちになんとかボールを10ヤード前に進めなければ攻撃は失敗とみなされ，ボールの権利は相手チームに移行する。この10ヤード（約9m）という短い区間をめぐり，頭脳とパワーを駆使した攻防が1試合に何度も行われるのがアメフトというゲームの醍醐味だ。
　とまあ，はっきりいってアメフトを余すところなく説明したとはおおよそ言いがたいが（"フィールドゴール"や"ファンブル"など，ほかにも覚えなければならない基本要素は山ほどある），ゲームの概要を理解するヒントにはなったのではなかろうか。あとはさっそくデモをダウンロードして，アメフトにチャレンジしてみよう。（Kawamura）

※2003年8月18日16時30分，ルール解説を一部修正いたしました。

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