人類とエイリアンが共存する遠い未来，囚人達を特別なエリアに隔離し，そこで互いに戦わせるという娯楽が人気となっていた。最終的な勝者には自由が与えられるという，この競技。そんなバトル名人の元犯罪者に自由を与えてしまうとは太っ腹すぎる気もするが，まぁ未来の人のすることにケチつけても仕方がない。プレイヤーもまた，自由を求めて大観衆の熱狂の中で命がけの戦いに身を投じることになる。
　この競技は奴隷闘士達を雇ってのチーム対抗戦として行われ，ただの殺し合いではなく，相手チームの陣地を攻め落としたほうが勝利といったルールに則っている。ゲームシステムはちょっぴり独特なテンポのリアルタイムストラテジーで，プレイヤーはチームメイト全員を管理して自陣を守りつつ敵陣を攻略していく。勝利チームには賞金が与えられ，陣地の防衛施設やチームメイトの増強を図りつつ，さらなる強敵に挑んでいくことになる。
　本作でユニークなのがカメラ視点。テレビ中継されているという設定を生かし，ステージを見渡しやすい俯瞰視点から，激突する闘士をギリギリまで近づいて眺められるクローズアップ画面まで，実にいいアングルを維持したカメラ操作が可能となっている。この闘士達の勇ましい容姿や戦いっぷりが実にカッコよく，人気娯楽と化しているというのもうなずける。
　デモ版では，インスタントバトルかマルチプレイ（LANまたはインターネット）を楽しめる。プレイヤーは最初にTekhanかGhandrosというチームを選択可能で，それぞれチームメイトの陣容が違ってくる。Tekhanはミュータントタイプで，Ghandrosはアンドロイドタイプだ。3チーム用意されている敵は，それぞれ手強さが異なり，これがゲームの難度となっている。最初はEasyのNewbiesがいいだろう。アリーナ（マップ）は二つ収録され，これまた難度が異なる。
　まずはアリーナと対戦チームを選択し，資金でThralls（奴隷闘士）を雇い入れ，Modify Sanctumモードで自陣のリフォームや罠の設置を行う。競技の目的は，相手チームの"Nexus"という半透明の球を破壊すること。Nexusは自分の陣地にもあり，これを敵の攻撃から守らねばならない。またアリーナの特定の位置に配置されたGrabを入手すると，ボーナスマネーを獲得できる。なんともテレビ番組的だ。
　リアルタイムストラテジーではあるが，もっさりとした動きに最初は戸惑うかもしれない。序盤はゴーレムタイプのユニットによる力押しでも勝てるので，まずはゲームの感覚をつかむところから始めよう。傷ついたユニットは自陣営のNexusに隣接させることで回復させられる。
　本当にカッコよさそうな闘士達は，どうやら製品版にしか登場しなさそうなのが残念ではあるが，この独特のゲームシステムは十分に堪能できるのでぜひダウンロードしてみよう。（Kawamura）

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