現在コミュニティーエンジンがクローズドβテスト中のオンラインゲーム「gumonji」(グモンジ)のオープンβテストが,2004年3月18日から始まる。
本作は"おもちゃ世界の自然で遊ぶオンラインゲーム"をコンセプトに,複数のプレイヤーが共有する"土地"だけが用意され,地球と同じような食物連鎖や物質循環を再現した世界で遊ぶ"環境シミュレータ+箱庭"といった感じのタイトル。
3月15日現在はクローズドβテスト中とのことだが,実質(?)オープンβのような形式で運営されているので,「こちら」でメールアドレスを登録すれば,誰でも無料ですぐに始められる。
ちなみに本作の開発元コミュニティーエンジンは,スクウェア・エニックスの80%出資会社であり,公式サイトを見る限り,現在のスタッフは10名ほど。メインの業務はMMORPGのベースフレームワーク作りやスクリプトエンジン開発など,主にデベロッパ向けのソリューション提供だ。CEOの中嶋氏が"プログラム担当"となっている点から見ても,軽いフットワークを生かして成功を狙う頭脳集団的ベンチャー企業だと分かる。
gumonjiの無料クライアントをインストールして起動すると,まずは簡単なキャラクターメイキングから。といっても通常のRPG作品ほど多くのカスタマイズ項目はなく,立方体のブロックを積んだだけといった具合のシンプルなキャラクターに,好きな色や,複数用意された目のグラフィックスを当てはめていくだけだ。
そしていざゲームの世界へという手順だが,このゲーム,初心者には"MMORPG並"といっていいほど,右も左も分からず戸惑う。
基本は,画面右下に表示されるエネルギーを貯め,そのエネルギーを消費して,穴を掘ったり木を切り倒したりして"木の種"や"水",さらには"う○こ"といったアイテムを集めていく。エネルギーは,立ち止まっている間だけ,どこからともなく飛んでくる光る物体により蓄積されていくという仕組みだ。
ただこのエネルギーの"源"は,木や草などの植物。つまり,エネルギーは無限に得られるものではなく,プレイヤーの植林などでうまく連鎖のバランスをとってやらないと次第に枯渇していく有限なものだ。
筆者は長時間プレイしていないため未体験だが,ゲームを進めていくうちにプレイヤーはに,商売人,詩人,また"ロボットを操るプログラマー"といった複雑な職種を体験できるようになるという。
本作は,"プレイヤーのプレイヤーによる"というコンセプトを全面に押し出しており,ゲーム内ではとくにキャラクター対して「〜をしろ」などという指令(指示)はない。プレイヤー同士で連絡を取り合ったり,公式サイト内にある会議室(掲示板)を利用したりして,農園を作るなり大きな水路を作ったりして,少しずつ自らのプロジェクトを拡張していくわけだ。ほんわかとしたグラフィックスを含め,このあたりは自ら土地を開拓して友達を増やしながら共同作業を行うスクウェア・エニックスの「コスモぐらし 〜オンライン的野菜生活〜」に近いプレイ感覚だ。
またgumonjiにおいて,プレイヤーの創作活動はすべて"歴史"として記録されていき,新しい住人はそれらの集積された知識を利用して,さらにゲームの遊び方を広げていくことができる。コミュニティ,ルール,共同作業のすべてをプレイヤーが管理するという,ネットコミュニティ運営の実験的なタイトルである。
本作は今後正式課金が行われる見通しで,日本語Windows版リリース後は英語版や中国後版といったローカライズ版を用意,またMacintoshやLinuxにも移植される予定だ。
正式なオープンβテスト開始は目前だが,興味の沸いた人は今すぐ始めてみるといいだろう。(Gueed)
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