ファークライ(FarCry)[英](メディアクエスト)

 ドイツのCryTek社が開発を手がける,"Cryエンジン"を搭載したFPS「FarCry」。FPS界ではこの冬の大本命と思われた「Half-Life2」や「DOOM III」の発売が遅れ,下手すりゃ"密かな名作"扱いをされそうだった「FarCry」も,これで堂々と陽の目を浴びるチャンスを得た。

 一見するとよくあるFPS以外の何者でもないが,実際にプレイしてみれば従来のFPSより一歩抜きん出た作品だということが分かる。業界をひっくり返すほどの奇抜なタイトルではないものの,順当な技術の進化を遂げた2004年の最新FPSを見せてくれるだろう。
 このジャンルをリアルFPSと非リアルFPSとに分けて考えるとするなら,本作はプレイ感覚が限りなくリアル系に近い非リアル系といったところだろうか。過去にも,この"リアル系に近い非リアル系"を目指した作品はいくつかあったが,「FarCry」は今のところ最も理想に近づいたタイトルになったといえるだろう。

 デモ版では,ゴムボートで島に上陸し,高地に見える巨大なアンテナを破壊するというミッションをプレイ可能。本作の魅力である1km四方マップを,いきなり思う存分に味わえる。
 「ジャングルが舞台といっても,結局は細長い通路の壁にジャングル風のテクスチャを貼り付けただけじゃないか!」という,従来の非リアル系独特のステージ構成がそろそろウンザリという人は,本作の広々とした空間にはきっとウキウキできるだろう。

 舞台となるのは南太平洋の旧日本軍基地があった島で,広大な四方形マップということもあり,意外な場所に抜け道などが用意されている。鬱蒼としたジャングルで視界は悪く,敵の声が聞こえるたびに恐怖で泣きたくなるが,くじけずぜひ散策してもらいたい。

 ゲームは,拳銃片手にゴムボートという出で立ちで始まる。接岸してみれば分かるが,島にはアサルトライフルなどで武装した屈強な敵集団が待ち構えている。正気とは思えないほどの準備不足なので,最初はとくに慎重に進まねばならない。
 まぁ結局のところ,正面に見える海岸の小屋のあたりに向かうしかないのだが,せっかく広々としたステージ構成なのだから,島を迂回するなり,回れ右して大海原に漕ぎ出すなり,まずはいろいろなルートを試してみてはいかがだろうか。それぞれのルートに,それなりの結末(?)が用意されている。
 必ずしも上陸方法は一つと決まっているわけではないのだが,とりあえず敵のモーターボートを奪って,設置機銃で敵を一掃するというのが最も簡単な手段と思われる。ゴムボートを降りて小屋の下をくぐれば,敵と交戦せずにモーターボートを奪えるのでお試しあれ。

 銃撃に関しては非常にシビア。100%の体力&アーマーという定番の方式だが,難度EASYでも数発喰らえば簡単に死ぬ。敵AIがまた憎らしく,フルオートのアサルトライフルを持っているクセに遠くからじっくり狙って頭を撃ってきたり(現実では普通といえば普通なのだが),なっかなか木の陰から姿を現わそうとしなかったりと,割と独特の賢さを見せてくれるのだ。

 登場する銃器は,最初から持っている拳銃とナイフ(現代風ククリ?)のほか,やたら拾えるP90とM4,さらに後半はスナイパーライフルやロケットランチャーなども登場。しかし武器は四つまでしか持ち歩けないので,頻繁に持ち替えるハメになる。最終的には,アンテナを破壊する爆破装置まで現地調達することになるのだ。
 前半は美しい海と島の景観を楽しみ,後半は複数の敵ヘリやら何やらとのハデな激闘,さらにラストは映画のお約束的な仕掛けもあり,サービス精神旺盛な本作の展開を思う存分楽しめるだろう。

 FPSファンならきっと誰もが手を叩いて喜ぶであろう内容に加え,コツコツとパーツを買い足してマシンパワーをいつも高めに維持している人なら「高スペックばんざーい!」と思える品質になっている。ちなみにPentium4/2.5GHz+GeForceFX5950というスペックで"Very High"のセッティングにしたところ,たまに恐ろしくカクカクすることもあったものの,だいたいのシーンにおいてスムースに動作したのでご参考に。(Kawamura)

■Research デモ 2004.3.8 追記

 3月の初めころ,「FarCry」ファンの間で話題となったのが,Bonus Level Patchとして流出したファイル。これは最初にリリースされたデモのファイルに一部上書きすることで,新たなステージ「Research」がプレイできるようになるという(ちょっぴり怪しい)代物だ。途中で挿入されるムービーのモーションが一部未完成だったりしたものの,しっかり新ステージが遊べてしまう内容となっていた。

 そしてこのたび登場したのが,同様の「Research」ステージを収録したセカンドデモ。こちらはインストーラー同梱で,正規のデモとして安心して楽しめる。途中のイベントムービーも改善され,不完全な挙動は見せなくなった。

 今回は夕暮れに赤く染まりかけた島が舞台で,やはりムキムキの肉体美鮮やかな傭兵達の支配下にある。
 リサーチとはいっても,結局は武器を頼りに敵を皆殺しにしていく内容だ。プレイの仕方にもよるだろうが,いきなり敵集団を一挙に相手にすることになるため最初から難度が高く,逆に敵を始末しきった後半は穏やかな内容となっている。
 後半,洞窟に入ってから事態が急展開。というのも,武装テロリストを超える"新たな敵"を予感させるムービーが挿入されるからだ。こういった展開を好むか好まざるかは,まぁ人それぞれだろう。
 気前が良すぎた前のデモと比べると,今回のデモはボリューム的にそれほどの遊び応えはないかもしれない。だが本作は単純に敵との撃ち合いが楽しいので,序盤の銃撃戦だけでも何度も遊べるのではなかろうか。
 次は島を舞台としたマルチプレイデモの登場に期待したいところだ。(Kawamura)

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キー操作

  • ゲームメニュー Escキー
  • 前後左右移動 W/S/A/D
  • しゃがみ 左Ctrlキー
  • ジャンプ Spaceバー
  • 歩く 左Shiftキー
  • 武器使用 左クリック
  • 照準合わせ 右クリック
  • 武器選択 1〜4
  • 武器変更 マウスホイールUp/Down
  • ブリーフィング表示 Tabキー
  • 手榴弾投擲 G
  • 手榴弾選択 H
  • 武器を捨てる J
  • ライト L
  • リロード R
  • ゴーグル T
  • アクション F
  • ダッシュ Z
  • 発射モード切替 X
  • 伏せる,立つ V
  • 双眼鏡 B
セカンドデモ (518MB)
ファーストデモ(496MB)

動作環境

対応OS:Windows 98/Me/2000/XP
CPU:PentiumIII/1GHz以上(Pentium4/2GHz以上推奨)
メモリ:256MB以上(512MB以上推奨)
ビデオ:GeForce 3,GeForce4MX以降のビデオカード
DirectX 9.0b以降

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