「Desert Rats vs. Afrika Korps」は,第二次世界大戦時の北アフリカを舞台としたRTS。さほど珍しいジャンルでもないが,北アフリカが舞台ということで戦車戦が中心となっているようだ。
製品版では連合軍とドイツ軍の両キャンペーンを収録しているほか,最大4人でのマルチプレイを楽しめる。
グラフィックスはフル3Dで,車両ユニットがデコボコした道をギッコンバッタンと走る姿や,無理やりUターンさせたときなどのキュッと締まった挙動は,実写動画を思わせる自然さと美しさがある。また勝敗を決するユニットが破壊されたときなど,爆発する瞬間の映像がクルクル回りながら表示されるといった遊びの要素も,なんとなく面白い。
そもそもなんで北アフリカ? という話なのだが,北アフリカ戦線を戦ったのは主にイギリス軍とドイツ,イタリア軍。石油資源やスエズ運河といった戦略的な理由もあったのかもしれないが,簡単に言うと,イタリアのムッソリーニが領土拡大を目的にエジプトへ侵攻したのが直接の原因だ。
このときエジプトを防衛していたのはイギリス軍で,なんといっても戦争に弱いイタリアはみるみる劣勢に。同盟国ということで,ヒトラーは嫌々ながらも精鋭のロンメル師団を北アフリカに派遣する。イギリスもドイツも一番の関心事は当然ヨーロッパだというのに,このロンメル将軍という人がヒトラーの期待に反して奮闘したことから,北アフリカ戦線は引くに引けない大激戦となっていくのである。
実際,北アフリカなんて無視して,その戦力や兵站を東部戦線に注いでさえいれば……といった話は,関係ないのでやめておこう。
さて,デモ版ではドイツ側のシングルシナリオの一つ"Desert Spirit"を収録している。ミッション自体は,まずは攻めてくる敵を撃退し,続いてこちらから攻めて敵を全滅させれば終了というシンプルなもの。ただしErich von Hartmannなる,ドイツの撃墜王に名がソックリな人物(当人?)の命を守らなければならない。初期設定のままでは戦車に乗っているが,頭上に鷲のマークが回転しているユニットがそれなので見逃さないように。
難度はさほど高くなく,設定を"EASY"にすれば,初心者でもほとんどユニットを失わずに勝利できるだろう。Spaceバーでポーズできるなど,何かと操作しやすいのも有難い。要するに簡単かつ快適に楽しめるRTSなのである。RTSはもうコリゴリと思っている人にも,ぜひ遊んでもらいたい作品だ。(Kawamura)
■英語版マルチプレイデモ 2004.3.5 追記
第二次世界大戦RTS「Desert Rats vs. Afrika Korps」のシングルデモに続き,このたびマルチプレイデモがリリースされた。
マルチプレイデモでは,2〜4人同時対戦が可能な一つのマップ"Conquer 1"を収録しており,4種類のゲームモード(kill all enemies,Occupy all HQs,Occupy 5 HQs,Occupy most HQs in 15 minutes)が楽しめる。選択できる陣営(ユニットの種類)は,連合か枢軸かのどちらか。なお,このマップは3分ごとに増援が出現する仕組みとなっている。
本デモ版ではLANまたはIPの直打ちしかサポートしておらず,不特定の対戦相手をインターネット上で探すには,GameSpyなどを使用する必要がある。遊ぶなら友達を誘うのが良さそうだ。(Kawamura)
(C)2003 Monte Cristo. Monte Cristo and its logo are registered trademarks of Monte Cristo. All other trademarks and logos are property of their respective owners. Developed by Digital Reality. Orchestral samples included in this recording from the Vienna Symphonic Orchestra
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