ファンにとっては実に長〜いこと待たされた「Delta
Force:Black Hawk Down」のシングルデモが,ようやく姿を見せた(2003年1月9日時点,公式デモではない模様)。米特殊部隊デルタフォースの軍事活動をディテール細かに再現するのはもちろん,大自然の描写も同時に徹底的にこだわるという,リアル系FPSの中でも独自の方向性を示し続ける本シリーズ。今回,最新鋭のランドウォーリア構想を採用した前作「Delta
Force Land Warrior」から舞台を1993年に戻したのは,言うまでもなく大ヒット映画「ブラックホークダウン」に強力にインスパイアされたからに他ならない。1993年のソマリア紛争介入にまつわるデルタフォースとレンジャー部隊の戦いを,映画会社からの非難もモノともせずにゲーム化した非常に挑戦的な作品である。
デモ版では,全作戦の序盤にあたるビルからの人質救出ステージが収録されている。デルタのチーム2とチーム5がヘリで目標のビルを強襲。NPCのチーム2が人質の救出と誘導を担当し,プレイヤー率いるチーム5はビル内外の敵兵排除を担当する。
最初に目標のビル周辺を低空飛行で2周してから着陸するのだが,この2周のうちにRPG(ロケットランチャー)兵を確実に仕留めなければヘリは撃墜される。これが結構難しく,とくにマシンスペックが重要になってくる。最低でもGeForce4
Ti4200相当のVGAがなければ,カクカクして弾がなかなか当たらない。
またここのシーンに限らず全体を通していえるのだが,味方は揃いも揃って射撃の腕が絶望的なほどデルタ隊員とは思えない(ソマリア市民兵にも劣る!)ので,基本的にプレイヤーがすべての敵を排除しなければならないと考えたほうがいい。
2機のヘリが地上に降りるとチーム2はただちにビルに突入,チーム5は外を制圧してからビル内へ移動する。チーム2は人質を確保したまま動かないので,ビル内の制圧もチーム5の仕事だ。"BackSpaceキー"で,味方に屋内への突入を指示することもできる。ビル制圧後は事態が一転し,敵が外からどっと押し寄せてくる。車両が何台も現れるが,それよりもRPG兵に気をつけたい。ベランダに設置された.50
calが実に有効だ。この攻撃も退ぞけたら,あとは人質を引き連れて市街を脱出。ここでも恐いのはRPG兵。現実と同様,とにかくRPGに泣かされるだろう。
ステージの特定の位置には体力回復と銃弾補給アイテムが設置されている。リアル志向の人には目クジラものかもしれないけど,ゲーム攻略には大助かりなのでガンガン拾っていきたい。回復アイテムは一度拾っても時間経過と共に復活する。またクイックセーブが3回まで使用可能なので,カッコつけず有効に使わせてもらおう。
リアルとデフォルメの線引きがかなり大胆なのは「デルタフォース」シリーズの特徴だが,今回はさまざまな部分で大雑把なイメージを受けたのは,デモ版だからだろうか(そう信じたい……)。方々から迫り来る敵は興奮だが,NPCのアルゴリズムは正直いうと製品版に期待したいところ。(Kawamura)
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