ついに登場した本デモ版(英語版)では,BlizzardのWarcraftシリーズ期待の最新作「ウォ−クラフト III」のシングル/マルチプレイの両方を楽しめる。
シングルプレイでは,選択できる種族がOrcのみではあるものの,1キャンペーン全5マップが収録されている。それでさえ結構豪華な仕様だが,実はこのキャンペーン,前半二つは製品版と同じものだが,後半三つは"デモ版オリジナル"のミッションなのだ。しかも,製品版キャンペーン以前のストーリー(あえていうなら製品版の"序章"だろうか)となっている。製品版をプレイした人なら知っているだろうが,製品版のOrcキャンペーンは「カリムドール(場所の名前)に難破したところから」なのだが,このデモ版ではその前の話「故郷を出てカリムドールに向かうまで」が収められている。すでに製品版を購入してクリアしてしまった人でも,十二分に楽しめることだろう。単なるデモ版に収まらない,非常に豪華なデキだ。
シングルキャンペーンでは,Orcのリーダ Thrallが主人公となり,Human族と戦いながら カリムドール(Kalimdor)を目指すというメインストーリーに,Troll族や海底を住処とする魚人族がからんでくる面白いストーリーを楽しめる。
最初の二つのマップ「Chasing Visions」「Departures」はチュートリアルを兼ねており,移動の仕方や,建物の建て方,戦闘の方法などを教えてくれる。その説明はすべて英語音声で行われるので,それなりの英語力がないと理解するのは難しいが,RTSゲームをプレイしたことのある人なら,英語を理解できなくともなんとなく分かるだろう。上でも述べたが,ここでは主人公ThrallがHuman族と戦い,彼らの船を奪って新天地カリムドールを目指して船出するまでが描かれている。
続く「Riders on the Strorm」「The Fires Down Below」では,嵐に遭ったThrall達一行がたどり着いた小島での冒険となる。そこでHuman族の侵略にさらされているTroll達を助けて戦うのだが,その途中,海底に住む魚人族によって囚われてしまい,監獄からの決死の脱出劇を繰り広げることとなる。
デモ版最後のシングルマップ「Countdown To Extinction」では,無事生還したThrall達とHuman族の死闘が再び再開され……。そしてこの続きは製品版でどうぞ,となるわけだ。
以上,シングルプレイに関しては,波乱万丈のストーリー展開が実に楽しい。とても"デモ版"と片付けられるモノではないだろう。会話などがすべて英語で表示されはするものの,マップをクリアするための条件は,なんとなく分かるのではないかと思う。
一方マルチプレイでは,Batlle.netに接続してのプレイができるようになっている。選択できる種族がOrcのみ,マップも一つしか選べないものの,このマルチプレイ用マップもデモ版オリジナルということなので,これまた製品版でマルチプレイをガンガン楽しんでいるような人にも楽しめることは請け合いだ。
デモ版とはいえ,オリジナルの要素がかなりふんだんに取り入れられていることからも,Blizzardがいかに「ウォークラフト III」に力を入れているかが分かろうというもの。
Warcraftファンのみならず,すべてのRTSファンに,そしてRTSをまだやったことがないという人にも,ぜひともプレイしてもらいたい良質なデモ版といえるだろう。(Asakura)
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