本作は,2Dグラフィックスのクォータービュー視点で,3等身ほどのキャラクターを操ってストーリーを進めていく,古き良きアクションRPGの雰囲気を残すタイトル。開発/発売を手掛けるエグゼクリエイトの3作めとなるタイトルで,シナリオ重視のゲームと,ゲーム中に挿入される人気イラストレーター夢路キリコ氏の美しいゲームイラストが魅力のゲームだ。
物語の舞台は,人間と闇人(ヴァンパイア)が共存するパラレルワールド。主人公のトウマ・アマブキがキャスケットの街へ辿り着くところから冒険が始まる。 なぜ,この街では人間と闇人が共存しているのか? その原因は,砂漠化が進む地球にある。闇人は,生きる糧として人間の血を必要とする代わりに,寿命をまっとうすると樹木となり,砂漠化の進行にストップをかける。このようにお互いの利害を尊重して協定を結び,共存しているわけだ。そんな状況の中トウマは,ひょんなことから闇人と接触(血液による)してしまい,お互いの血を元に戻すべく冒険へと繰り出すことになるのだ。
ゲーム開始から最初の15分ほどは,延々と時代背景や設定の説明に費やされる。今となっては当たり前だが,ストーリーの説明部分はすべて声優による音声と共に,キリコ氏の美しいイラストが堪能できる仕組みになっており,初めて触れる人でも問題なくゲームが進められる。一瞬「ギャルゲーか?」などと思ってしまうかもしれないが,マウスとキーボードを組み合わせたアクション部分もキチンと作り込まれているので,「イース」や「ブランディッシュ」にも似た軽快な戦闘が楽しめるハズだ。
本デモ版は,主人公がキャスケットの街に着いてから6日間が経過するか,ダンジョンの一部をクリアするところまでが楽しめる。遊び尽くされてしまった感のあるオーソドックスなゲーム性だが,2Dグラフィックスにピクリともこない人でもついつい反応してしまう美麗なイラストや,リングメニューを始めとした洗練されたインタフェースでのサクサクプレイはなかなか遊ばせる。冒険を進めるうち徐々に闇人化していく主人公や,彼と闇人の女性との関係など,ストーリーもなかなか読ませる仕上がりになっているぞ。
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