RASETSU～羅刹～（工画堂スタジオ）

　工画堂スタジオから，やたらに気合の入ったオリジナルゲームが登場。本作は，未来の傭兵部隊をテーマにしたリアルタイムタクティカルシミュレーションだ。
　時代は今から約3000年後。我々の住む"未来の地球"を中心とした「地球連邦」と，その圧制に異を唱え立ちあがった「ディック惑星連合」との戦いが舞台となる。SF風のバックグラウンドを持ちつつも，タイトルはもちろん，ところどころに漢字をあしらった装飾が散りばめられていて，独特の雰囲気を醸し出している。

　プレイヤーは，まず自分の分身として五人の"頭"（かしら）から一人を選択する。いきなりではあるが，ここが重要なポイント。選ぶ"頭"によって，デフォルトで付き添う傭兵が異なり，実はそれが直接ゲーム難易度になるのだ。用意されている"頭"は，工画堂らしく（？）そのほとんどが女性キャラ（ちなみに唯一の男性キャラも，見た目は容姿端麗でほとんど女だ）。あとは，その選んだ"頭"を筆頭に，資金と相談しながら個性豊かな傭兵を雇用して，自分ならではの傭兵部隊を作る。そして完全なRTSシステムの戦闘へと突入するのだ。
　この作品で最もユニークかつ特徴的なのが，傭兵達がまとうアーマー。人類がさらなる力を欲した結果誕生した兵器である「生体装甲」の存在だ。これは要するに「有機物で構成された装甲」のことで，飛行タイプ/歩行タイプ/走行タイプなどさまざまなタイプが用意されている。そして，その装甲は研究所でドーピングを行うことで進化が可能で，より戦闘を優位に進めることができるというわけだ。
　進化時には2種類のルートから好みの進化を選択。各生体装甲とも進化はツリー状になっていて，選んだルートによっては何段階もの進化をする可能性という仕掛け。いろんなパターンを試してみたくなる演出といえる。

　デモ版にはチュートリアルとデモ版専用の二つのシナリオが収録されていて，男性の"頭"，ジョイスでのプレイを楽しむことができる（デモ版で雇用できるメンバーは、製品版でジョイスを選択した場合とは異なる）。生体装甲の進化が体験できないのは残念だが，製品版での楽しみにとっておきたいところ。製品版ではネットワークによる対戦プレイもできるので，今のうちに基本的な戦闘の流れや表示パネルの読み方などを学んでおこう。

　デモ版では，いくつかの効果音が割愛されていたり音声がモノラルだったりもするが，ゲーム性自体は高いクオリティをキープしているので問題ないだろう。