一ジャンルとして確立した感のある"クライムゲーム"の中で,GTA(Grand Theft Auto)シリーズと人気を二分する「マフィア日本語版」のデモ版が登場。本作はタイトル通り,1930年代アメリカの"マフィア"をモチーフにしたタイトル。血で血を洗うマフィアの抗争を映画さながらに描写することで,雰囲気・グラフィックス共に,GTAシリーズとの差別化がなされている。
ちなみに,開発元は「ヒドゥン&デンジャラス」(以下,H&D)で有名なIllusion Softworks。3Dエンジンは,H&Dの写実的な表現を強化した「Insanity2」エンジンを搭載している。以前,同メーカーが「デモはリリースしない」と明言していたため,今回のリリースはファンにとっては嬉しい誤算といえよう。
デモ版は,チュートリアル/シングルプレイを収録した,体験版としてはオーソドックスな内容。 チュートリアルでは,カーソルキーを中心にマッピングされたキー操作に慣れつつ,バットや銃の扱い方やアクションキーの使用方法をマスターする。シングルプレイでは,立体駐車場で行われるマフィア同士の闇取引および,そこへ突如乱入する他勢力との激しい銃撃戦を味わうことができる。
ムービーシーンがフェードアウトして,プレイヤー側の構成員が物陰に隠れた状態で始まる銃撃戦では,本作のシューティングフェーズの出来が吟味できる。トンプソンやショットガンなど,マフィアらしい"イカニモ"な武器でバリバリ打ちまくるわけだ。ただし,どの銃器も射撃時の強い反動で銃口が上方へ流れるため,やたらめったら撃つわけにはいかない。さらにプレイヤーのほか,2人の構成員のヘルスがなくなるとゲームオーバーになるため,素早く,しかもAIと自分の位置関係と弾丸の軌跡をキチンと計算して戦う必要があるのだ。
ゲーム開始時は,車輌を操作して美しい町並みを眺めつつ,仲間の車を追尾する。もちろんこの間も,自由に車を降りて,道行く人々を殴り倒してもOK。近頃何かと(?)騒がれてはいるが,怯える市民をすれ違いざまにバットで殴ったり,車を奪ったりできるある種の爽快感は,クライムゲームならではだ。 銃撃戦の難度は,最初のうちは高めに感じる。というのも,銃弾はなかなか当たらないし,ちょっぴりナニな構成員AIが敵バリケードに突撃して勝手に死んでしまうことがあるのだ。ストレスが溜ること受け合い(?)の序盤だが,立体駐車場内部に点在する医療キットや手榴弾の場所を把握することで,一歩一歩先に進められるようになる。戦闘→移動→敵発見→戦闘の繰り返しの中でも,銃のマガジンを取り替える動作や,用心深く索敵する構成員のしぐさが,物騒なマフィアの世界を垣間見させてくれるだろう。
デモ版では,製品版に収録された一つのミッションが楽しめる。銃撃戦はもちろん,当時の雰囲気そのままに再現された1930年代のアメリカを,やはり同年代製の車輌で気ままに流せるもの本作の魅力の一つ。ファイルサイズは大きめだが,マフィアにまつわる,そして1930年代にまつわる描写/演出がギュッと詰め込まれているので,十分遊び応えのある内容だ。(Gueed)
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